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【謝辞とご報告】大友克洋を語るバー

 ―概要―
1. 結果報告
2. 当日の様子
3. 反省点
4. 余録
5. スペシャルサンクス


 1. 結果報告

 8/30、江古田のイベントバーmojaで大友克洋を語るバーを岡田 真大さん(@Okadainroutakin)と共同で開催しました。

↑ 岡田さん渾身のフライヤー。
書き込みとネタの密度が精彩を放つ

 初めてのバーテンだったため、開店直前はお客様が0人だったらどうしようという不安もありましたが、最終的には累計8人のお客様にご来店いただき、カウンター席を埋めることができました。初めてのイベントとしては大成功と言ってよいと思います。お陰様で黒字も達成できました。

↑ 当日の様子。
カウンター席が埋まるほどの盛況ぶり

 当日足をお運びいただいたお客様方、イベントの宣伝を後押ししてくださった方、イベントの場をご提供くださったたけい店長に深くお礼申し上げます。

 2. 当日の様子

 17:30頃に最初のお客様がお見えになり、出身地やイラストの話などをしていました。19時過ぎくらいになると仕事終わりに寄ってくださる方が増え始め、最終的にはカウンターが埋まり、ソファー席まで人が溢れる事態となりました。
 お客様の中には「完全自殺マニュアル」の鶴見済さんや、大友先生へのインタビュー経験のある編集者の津久井利明さんなど、大人物のご来店もあり、大友作品の当時の影響力や今も尽きせぬ魅力の大きさを目の当たりにしました。

 岡田さんが自前の大友克洋グッズを持ってきたこともあり、この作品のこのコマとか背景の書き方ラリってるよね(ミヤコ様の後ろのアレ)とか、書きたいものそのまま叩きつけてるのに許されてるのがすごいよね、などという思い思いの談話がおちこちから出始め、お客様同士の自由闊達な論議と活気が生まれました。

↑ 岡田さんが持ってきた大友グッズ。
漫画だけでなく資料集や「ユリイカ」などの文芸誌もあった。

 お聞きした逸話を1つ。「童夢」は現在中古価格が高く(2,000円~3,000円ほど)、なかなか手を出しにくい状態となっています。その原因は昔、SMAPの香取慎吾さんが番組で「童夢」の紹介をしたところ、当時の中古市場の童夢に注文が殺到したからだというのです。本にもネットにもほとんど載っていない情報が飛び出してくるあたり、バーという空間の情味豊かな在り方を感じますね。

 最終的にはやはり皆さん「AKIRA」の話になり、動きの細やかさや鉄雄のマントかっこいい!とか新作の脚本どうなるのとかダーッダーッダッダ!(わかる人にはわかるBGM)とか聞き取れないくらい色んな話が飛び交い、興奮冷めやらぬまま盛況のうちにお開きとなりました。
 皆さんいい表情でお帰りになり、「またやってね!」とのありがたいお言葉もいただき、バーテンとしていい仕事ができたなと万感こもごもとした気持ちになりました。

 そして最後は洗い物と掃除(これ大事)を済まして閉店し、たけい店長にご報告して終了しました。たけい店長曰く、「今日はほんとにちゃんと語り合ってる」とのことでしたのでいい盛り上がり方をしたのではないでしょうか。



 3. 反省点

 結果的には成功裡に終わったものの、不手際や至らない点は多々ありました。端的に言えば店内の実地検分が足りていませんでした。

 準備のために来店した際、まず電気のスイッチの位置がわかりませんでした。また、掃除用具の位置や食料品の在庫を把握しておらず(米がなくて頭を抱えた)、当日準備の詰めはサッカリンより甘かったです。
 イベントの企画をするのは楽しいですが、こと実作業という点において画竜点睛を欠いており、バーテンが板についている人の準備の良さを見習いたいところです。ただ、それでも何とかなるのがイベントバーなので助かりました。次はうまくやります。

 フード・ドリンクメニューについても省察するとブラッシュアップできる点が多いですね。

↑ 完全に雰囲気重視のメニュー

 場所がバーなのでお酒の注文が多く、食べ物の注文はあまりありませんでした。トマトについては1個も売れていません(それ以前にネタがわかりづらかったかも)。
 そもそも「語る」のがコンテンツなので、食べ物はおつまみくらいで良かったなと今となっては感じます。需要の見誤りによって無駄な仕入れが発生してしまった点は痛恨でした。保存の効くものは事前に調達しておき、生モノだけ現地調達という仕入れ方針で臨むほうが当日慌てなくて済んだでしょう。次はうまくやります。

 メニュー外のお酒を注文された時も泡を食いました。何しろバーテンが「普段お酒飲まないマン」と「未成年」だったので酒に関しては完全に門外漢。健康優良不良少年たちのほうが絶対詳しい。

  ~お酒を注文されたときの一コマ~
 お客様「ウィスキーロックで!」
 僕「すみません、入れ方教えてください!」
 
 一事が万事こんな調子で「バーテンがお客様に指導を乞う」というイベントバー特有の現象を起こしてしまい、大変恐縮でした。そんな素人バーテンに優しく教えてくださったお客様方には本当に感謝しております。

 こんな感じで反省点は多々ありましたが、お客様には語る場を提供でき、僕と岡田さんはバーテン経験を得、たけい店長には利益が入るというみんなが幸せになる結果になって満足しています。みんなが幸せになると持続可能性が高まりますからね。

 4. 余録

 今回バーテンの話を持ち掛けられたとき、僕は「これは成功する」という割と強い確信がありました(さすがに黒字は予想外でしたが)。そもそもイベントバーでは場所代を取られることはないので、仮にお客様が0人だったとしても電車賃くらいしか失うものはありません。開催できた時点で失敗はないのです。

 失敗は元からないにしろなぜ成功すると思ったかというと、僕と岡田さんではできることがまるで違うからです。
 岡田さんは大友克洋作品に関する並々ならぬ情熱があり、絵も描けるという最大の強みがあります。つまり今回のコンテンツの核は彼であり、すでに強固なものができている。
 だから僕は宣伝・メニュー考案・当日のオペレーションなど細々としたところを埋め、岡田さんが自由に動けるようにすればきっといいものが出来上がると踏んでいました。比較優位の原則の実践ですね。

 実際、当日は岡田さんがお客様との懇談で盛り上がりを喚起してくれて良い流れができていたため、僕からはあまり話さなくても場が回るというおいしい状態が出来上がっていました。モノや場の流れが整うとすごく気持ちがいい。この感覚わかりますかね?ともかく口が不調法の僕としては非常にありがたかった。
 僕はもっぱらお店のシステム説明・会計・お酒の提供・洗い物などの雑務を粛々とこなし、時々お客様のお話にウンウン頷いていればよかったのでとても楽させてもらったと思っています。「大友克洋について語りたいんだ!」という岡田さんのほとばしる熱情に相乗りしてバーテンの実体験をさせてもらう悪い大人ですね。
 構想はそれなりにあるので次はピンでやったりやらなかったりするかもしれません。次はもっとうまくやります。

 5. スペシャルサンクス

 今回宣伝させてもらった店舗等を掲載させていただきます。皆様ご協力ありがとうございました。イベントバーはDM1つでバーテンが決まる恐ろしい世界なので一報入れるとすぐに店に立てます。ご興味のある方はぜひ。

イベントバー moja
● ニー株シェアハウス公式アカウント
● NEET株式会社 様 (僕も取締役です)
● イベントバー マヨイガ横浜
イベントバー エデン神田
イベントバー 地下室こもり
フゥム 様 (カクテルの手ほどきをしていただきました)
鶴見済 様 (鶴見さんのイベントにて宣伝)


報告は以上です。
またどこかでお会いしましょう。

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