CFA Level3 合格体験記(2023/8)

初めに

 先日、CFA Level3の合格発表が届き、2019年12月頃より始めたCFAの勉強を終わらせることが出来ました。当初は、  Level1→Level2と順を追って書こうと思いましたが、記憶が新しいうちに、まず Level3から書いてみたいと思います。


受験の記録

  Level1:2020年12月合格
  Level2:2021年8月合格
  Level3:2022年5月不合格→2023年8月合格

私のスペック

 CFAの勉強を始める際に、私が一番気になったのは、自分のスペックです。果たして自分のスペック(学歴・保有資格・仕事の内容)で合格できるか不安でした。XでCFAの勉強している人を見ると、皆さんTOEICの点数が高かったり、難関資格を持っている人がいたりするのでビビっていました。以下、私のスペックです。

学歴:中堅私大の文系(早慶未満)。留学経験なし(海外旅行は好きです笑)
資格:証券アナリスト2次試験合格、日商簿記1級
英語:TOEIC500点ぐらい(400点台を取ったこともあります)
仕事:運用会社で運用フロントの業務

使用した教材( Level3)

2022年5月に向けて

・CFA協会関連:テキスト、Mock、Practice Problems
・Schweser関連:テキスト、Mock、Q-bank 、Flash Card
・TAC関連:通信講座、サブテキスト

2023年8月に向けて

・CFA協会関連: テキスト、Mock、Practice Problems
・Schweser関連: Plemium Package
・TAC関連: サブテキスト
・Mark Meldrum:L3 Full Access

勉強の進め方(2022年5月に向けて)

 2021年10月頃から Level3の勉強を開始しました。トータルの勉強時間は凡そ600時間程度でした。主な勉強時間は、平日の朝と通勤時間で2〜3時間程度、休日は5〜10時間程度、といった感じでした。

 まずは、Schweser notesを使って10月から1ヶ月から2ヶ月程度で試験範囲を一周しました。同時にQ-bankも使いながら、アウトプットも実施しました。
(Level2の結果が出ていない状態でしたが、時間確保のためとりあえず次のステップに進みました)

 12月頃からTACの通信講座も視聴し、日本語での理解にも努めました。TACの通信講座は4月初旬頃にすべての講座が完了した気がします。TACの通信講座は講師によって良し悪しがハッキリと分かれますが、英語力に自信のない方は理解を深めるためにも視聴しておいて損は無いと思います。

 また同じ12月頃からは、CFA協会のテキスト(紙ベース)に記載のある例題と練習問題にも取り組みました。一通り例題と練習問題が完了したら、協会HPのLearning ecosystemからアクセスできるPractice Problemsをやりました。

 4月頃からMockに取り組み、直前期にかけて間違えた問題や苦手な分野の復習に努めました。

反省点(2022年5月の不合格)

 2022年5月の試験は不合格でした。スコアについても、合格には程遠い感じでした。以下に自分なりの反省点を記載してみました。

1.Q-bankのやりすぎ

・Level2の成功体験に引きづられて、Q-bankに時間を割きすぎました。一問一答の問題には強くなりますが、理解を問われる問題になると(特にエッセイ)、極端に分からなくなり、自分の言葉でアウトプットする力は身に付きませんでした。
⇨2023年8月に向けて勉強する際は、Q-bankよりもCFA協会の練習問題に比重を置きました。また、CFA協会の練習問題にも当然エッセイの問題もありましたが、正直なところ2022年5月の受験の際はいい加減に解いていました(単語だけ書いてOKにするなど)。その姿勢を改めて、簡単でも良いので文章を作り回答作成の練習をしました。

2.エッセイ問題の対策をしなかった

・エッセイ問題を解いたのは、CFA協会の問題だけだった気がします。ただ、CFA協会の模範解答は文章が異常に長く、本番では到底使えない模範解答でした。
 第三者に添削をしてもらうことや、もうちょっと実践に近い解答を示している問題を解けば良かったです。
⇨2023年8月に向けて勉強する際は、Schweserでエッセイの添削講座に申し込みました。また、Mark MeldrumのMockには、“このセンテンスがあれば1点”などの解答が示されていたので、やっておいて良かったです(こういった問題にはこの程度の内容でOK、みたいな目星がつきました)。

3.通勤時間の勉強時間を有効に使えなかった

・往復で1時間以上の時間を使って勉強をしたつもりでしたが、座れる時は勉強の途中でウトウトして眠ってしまうことが多々ありました。
 特にテキストを読む、FlashCardを使って覚える、など暗記系の勉強をやると眠ってしまいました。いわゆる勉強をした気になっていました。手を動かして問題を解かないと睡魔には勝てないですね。
⇨2023年8月に向けて勉強をする際は、グリーン料金を支払い往復の通勤時間ではフルで勉強していました。グリーン料金を払うことによって、“寝たら勿体無い”との気持ちがあったため、寝ることなく勉強出来ました。テーブルもあるので、気兼ねなく計算問題を解けたり、エッセイの問題を解いたり出来たので、個人的にはグリーン料金は良い投資でした。

勉強の進め方(2023年8月に向けて)

 2022年8月頃から再度 Level3の勉強をスタートしました。勉強時間は凡そ550時間程度でした。前回とは違い約1年間の勉強期間となりましたが、子供が産まれていたために、勉強時間は減少しました。ただ、子供が寝ている間や妻に任せている時間しか自宅で勉強ができなかったため、前回よりも集中力を高くして臨めたと思います。
(余談ですが、当方はカフェなどでは勉強に集中できず、家での勉強派です)

 まずは8月頃からCFA協会のテキストを読み始めました。当然分量は多いですが、書いてある内容は自分の興味がある事柄(仕事にも直結する分野あり)だったので、途中で嫌にならず、読み終わることが出来ました。途中で何を書いてあるか不明になった時は、Schweser notesやTACのサブテキストを使用しました。
 加えて同時並行的に、Mark MeldrumのQ-bankをやりました。Schwesrや協会の練習問題とはまた違ったタイプの問題が多かったですが、考えさせられる問題も多く、やっておいて良かったと感じます。

 TACについては、通信講座は最初の講座(エッセイのコツ?みたいな内容だった気がします)しか視聴せず、残りの講座は視聴しませんでした。

 CFA協会のテキストが読み終わった後(だいたい年末年始頃?)は、CFA協会の練習問題、各Q-bankで間違えた問題を解いていました。 
 また、上記問題集に加えて、Schweserから送付されたSchweser Review Workshop Questionsという問題集も新たにやりました。問題文の長さは実際のテストと近く、恐らく実際のテストの過去問を参考にして作ったのかな?、と感じました。難易度や問題構成、カバー範囲など丁度良かったです(一番実際のテストに近い感じがしました)。Plemium Packageは講義を全く聞いておらずお金の無駄になった気がしますが、この問題集とエッセイの添削が出来ただけでも満足でした。

 直前期の7月頃にSchwesrのエッセイの講座があり、出題された問題に回答し、Schweser宛に送付し、添削してもらいました。添削というからには、それなりの文量でコメントをもらえるのかなと期待しましたが、随分とあっさりしたものでした。ただし、当方の拙い英作文や答え方(段落の区切りや計算式の提示など)でも、現地の人には伝わっている様子だったので、やっておいた良かったです。メルクマークが見つかった感じでしょうか。

 また7月からはMockに取り組みました。正直なところ、Mockの1回目で70%を超えた回はほぼ無かったと記憶しています。この現象は、 Level1でも Level2でもそうだったので、特段気にしませんでした。
 SchwserやMark Meldrumでは、他の受験生の平均得点率も見ることが出来ます。それ見る限り、他の受験生の平均値も特段高いわけでも無かったので、焦ることはありませんでした。
 試験2週間前くらいからは、過去の間違えた問題を総復習して、本番に臨みました。

 当日の試験については、当然内容については触れることはできませんので書きませんが、Xにも書いた通り、“楽しく”試験問題を解くことが出来ました。
 「やっぱりこの問題でるよね」や「この公式を覚えておいて良かった」「この問題はあれで見たことがあるから解き方は瞬殺」などの感覚が多く、様々な形式のアウトプットをやっておいて良かったと感じました。

CFA試験を振り返っての雑感

 約4年かけて合格出来ましたが、その分遊びや趣味に使う時間や家庭への時間を削っていたので、良い面もあれば悪い面もあった勉強期間だったなぁと思います。今思えば、自由な時間が多い20代で取っておけば良かったんでしょうけども、週5で飲んだり、ゴルフにハマったりしていた自分には到底無理だったかもしれません(笑)。

 勉強期間がコロナ禍と被っていたため、誘惑も少なく勉強時間は確保出来ましたが、家庭環境が変わると、なかなか勉強時間の捻出が難しかったです。今回ダメだったら、CFAからは一旦撤退するつもりでした。私にとっては、資格勉強よりも家庭の方が大切なので、そこは潔く辞めようと思っていました。

 この記事をご覧いただいている方は、少なからずCFAに興味があったり、受験するか否かを迷っている方もいらっしゃると思います。そういった方には、差し出がましいですが以下のアドバイスをお伝えしたいです。

1.試験合格のためには高い英語力は不要です

・英語ができることに越したことは無いですが、TOEIC500点くらいの自分でも合格出来ました。テキストを読むにあたり、わからない単語も多いですが、電子辞書や翻訳サイトを使えば問題なく理解できると思います。
・ただし、証券アナリストレベルの知識が無いと、いきなり英語で理解するのは厳しいと思います( 私は証券アナリストレベルの知識があったため、英語力が皆無でも何とかなったと思います)。そのため、英語力に自信の無い方は、まず証券アナリストから取り組んだ方が良いと思います。

2.毎日コツコツと勉強できるか否か

・私自身、このブログの最初に書いた通り、他の方と比較して、いわゆるスペックは高くありませんでした。ただし、この4年間はほぼ毎日勉強を続けました。この継続する力は、他の方と比較して自信がある点です。私の様なスペックの方であれば、少なくとも平日2時間、休日は5時間程度の勉強量を毎週こなしてく必要があるのかなと思います(旅行や家族イベントで勉強できない時は、その借金を別日に割り振っていました)。
・時間は有限ですし、CFAの勉強ではなく別のことに充てていればもっと違ったことが出来たかもしれません。なので、自分には向いていないと思ったら、早めに見切りをつけることも大切かなと思います。

3.お金がかかります

・そもそも受験するための費用が高額であったり(受かれば会社からの返金はありますが)、各種教材を揃えるためには、それなりの出費は覚悟が必要です。私もそれなりの金額を費やしました。受験費用や各種教材で、 Level1〜 Level3で恐らく100万円は超えたと思います。
・ただし、CFAのためのお金をケチらなかったことにより、多くの問題を解けたり、日本語での理解ができたり、自分の受験したい時期に受験できたりしたので、メリットも十分ありました。
・費用が高いかどうかは個人の判断ですが、資格の勉強は30代で終わらせたいと思っていたので、良いと思ったものには迷わず課金しました。

最後に

 この4年間を振り返ると、本当によく勉強したなぁ、と思います(笑)。結婚していたため、出会いを求める時間(いわゆる合コンとかでしょうか笑)は必要なく、コロナの影響もあり、会社の飲み会自体も減っていたため、勉強時間を確保出来たかなと思います。
 一方で、勉強期間中に不妊治療をスタートし、うまく行かない時期もあったため、メンタル的に厳しい時もありました。そういった時は、机に向かって勉強するも、なかなか集中できなかったです。ただ、勉強を続けられたのは妻の理解があったおかげなので、大変感謝しています(もうこれ以上“変な”資格を見つけてこないでね、と言われていますが笑)。
 また、この4年近くにわたる勉強を継続できたのは、Xのお陰です。Xで勉強状況をアウトプットさせていただき、自身にプレッシャーをかけることができました。また他の受験生からは刺激を受け、既にCFAに合格している方からはアドバイスや励ましの言葉をいただき、励みになりました。

 今回合格することが出来たCFAという資格をどう活かすかは、今後の自分自身次第だと思います。勉強を通じて、知らないことを知ることはやっぱり楽しく、金融の世界は奥が深いなぁ、と感じましたので、引き続き精進していきたいと思います。

 もし、CFA等の勉強に関して疑問点等がありましたら、X(@kuwacoco2)にてご連絡いただけますと、可能な範囲で回答したいと思います。

 初めてこういった文章を書くので、読みづらい等はあったかと思います。最後までお読みいただきましてありがとうございました。また機会があれば、 Level1や Level2についてのことや、各教材の使い勝手等についても記事を書いてみたいと思いますので、どうぞよろしくお願い致します。

                                     以上

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