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2023年の銭湯巡り総括。

僕の趣味の一つに、狭義の銭湯めぐりがある。
最初は近所の銭湯に行くくらいだったのが、気が付くと地元横浜市内にある銭湯を全部行ってみよう、横浜市内は巡り切ったから次は…というように銭湯を巡る範囲は徐々に広がっていった。
2024年の銭湯巡りを本格始動する前に、まず2023年の自分の銭湯巡りを振り返ってみたいと思い、本稿を記した次第だ。

なお、本稿で「銭湯」と書く場合は基本的には「一般公衆浴場」(狭義の銭湯)を指す。スーパー銭湯やその他の温浴施設(共同浴場など)について書く場合は特記する。


2023年銭湯巡り、概観

2023年は11月の頭に銭湯訪問数が100回を超え、最終的な訪問回数はのべ109回。そのうち77回が新規開拓という結果になった。
2022年もかなりのハイペースで銭湯に行ったのだが惜しいところで100の大台には載せられなかった。100越えにはなかなか達成感がある。

訪問件数に占める新規開拓の割合が大きくなったことにはいくつか要因があるが、数としてまとまっているのは下記の2グループだろうか。
4月から10月半ばにかけて発生した広島への長期出張中、広島やその周辺で新規開拓した銭湯がおよそ30。
ライブや同人誌即売会等、オタクイベントのついでに開拓した銭湯がおよそ20(関東近郊も含む)。
そのほか(主に客先作業の帰りに)隙あらば風呂に入るという感じでこの数になったような具合だ。

エリアとして全湯入湯を達成できたのが茨城県内(全1湯)、鳥取県内(全7湯)、島根県内(全2湯)、広島市内(全11湯)、呉市内(全6湯 *呉については赤ビル温泉のみ過去に訪問済みで、他5湯を2023年に訪問)、佐賀県内(全1湯)。

2023年の銭湯巡り、目標としていた数字

2022年、筆者は地元である神奈川県内でその時点で営業中だった銭湯をすべて巡り終えた。
そのときに次の目標としたのが下記の2点だ。

目標その1。全国47都道府県、最低でも各1湯ずつ入っておきたい。
もっとも、山形にはすでに一般公衆浴場がないことが分かっており、現時点で達成はできなさそうな目標ではあるが、出来るだけ目標に近づきたいとは思っている。(島根のように一般公衆浴場が一度すべてなくなってから復活した事例もある)

目標その2。東京23区、最低でも各1湯ずつ入っておきたい。
その2のサブ目標として、都下の市町村も各1湯ずつ入っておきたいというのもある。(区部と異なり、すでに銭湯がない市町村も多い)

その1については2023年12月現在で29都府県の銭湯に入れている。
(山形を除き)残り16県。
ことし新たに入れたのは茨城、群馬、静岡、鳥取、島根、岡山、山口、愛媛、佐賀、大分の10県の銭湯。広島長期出張があったおかげでだいぶ西日本の銭湯に入ることができた。
現時点で沖縄県の銭湯が残り1湯であるという情報もあるため、どうにか沖縄にも行っておきたいところである。

その2については2023年12月現在21区まで入れていて、のこりは墨田区と練馬区の2区。ことし新たに訪れたのは、足立、千代田、豊島、北、文教の5区の銭湯。
こちらの目標については2024年の早い時期にクリアしたいところ。

2023年、印象に残った銭湯たち

以下、2023年に新たに訪れた銭湯のなかで、特に印象に残っている銭湯を10湯と、狭義の銭湯ではない2湯、都合12湯を簡単に紹介する。

おーゆ・ランド(鳥取県米子市)

おーゆ・ランド全景。右手はホテル棟。中央「OU」の垂れ幕のあたりから左手の低層エリアが銭湯になっている

2023年に訪れた銭湯でもっともインパクトが強かった銭湯。スーパー銭湯のような豪華な設備に驚かされた。脱衣場、洗い場、湯舟、サウナとすべてに余裕があるつくりなのに、大都市圏の銭湯にくらべるとお客さんの数があまり多くないためゆったりと入れるのがうれしい。

金の湯(東京都足立区)

金の湯外観。夜訪れたので、写真がわかりにくいものになってしまった

北千住駅の西側に広がる住宅街の中の銭湯。曲線がきれいな浴場の天井(凸型の断面の方の部分にアールが付いているのはよく見るが、頂部にもアールが付いているのは珍しい)と、2023年夏にリニューアルしたばかりという真新しいサウナ設備が印象的。

鈴蘭温泉(大阪府大阪市)

鈴蘭温泉外観

基本的には少し豪華な銭湯という印象。サウナ室の配置が独特で、(男湯の場合)浴場左手奥にある階段を上がった先の2階、工場の事務室(特車2課の詰所のような位置とでもいうべきか)のような位置にあるのが面白かった。

ちどり湯(島根県松江市)

ちどり湯入り口周辺

2018年開業の新しい銭湯。一畑電車松江しんじ湖温泉駅前の商業ビルにテナントとして入っている。入り口から脱衣場にかけてはスーパー銭湯風なのだが、浴場に入るときわめてソリッドな銭湯(お湯は温泉)という意外性。

ゆーとぴあ白玉(大阪府大阪市)

ゆーとぴあ白玉外観

京橋駅が最寄りとなる銭湯。リゾート地にでも立っていそうな独特の外観が目を引くビル型の銭湯。バリエーション豊富な湯船とサウナが魅力。階段を上がった先にある外気浴スペースも独特である。

恵びす湯(佐賀県唐津市)

恵比寿湯外観

JR唐津駅からしばらく歩く住宅街に建つ、佐賀県最後の銭湯。同時に「洗髪料金」という価格体系が残る最後の銭湯でもある。これは佐賀県の入湯料の統制価格に設定があるため残っているもの。他の都道府県ではすでになくなっており、もし今後の改定があるとしたら、そのタイミングで消滅する公算が高い。

オリーブ温泉(広島県呉市)

オリーブ温泉外観

呉駅から北東方向、だいぶ山側に入った住宅街にある銭湯(お湯は温泉ではない)。週に3日しか開かないという意味で立地以上にアクセス難易度高め。ぱっと見は大きな煙突が生えた民家だが、中に入ると脱衣場の窓のデザインがひじょうにモダンで格好良かったことが印象強い。

漆仁の湯(島根県雲南市)

漆仁の湯外観

松江道雲南ICから車で30分ほど、川沿いに建つ銭湯。銭湯というより秘湯のジャンルに入りそう。プリミティブな浴場にはカランがなく、樋から流れ続ける源泉かけ流しのお湯を桶に集めて体を洗うよう。お湯がいいのはもちろんだが、川を見ながら入る露天風呂は雰囲気も含めて最高だった。

玉川の湯(金魚湯)(栃木県栃木市)

玉川の湯外観

JR/東武栃木駅近くにある銭湯。一部石造りであったり、屋根に乗った鯉?風の飾りなど、建屋の外側がいろいろと面白かった。

日の出湯(鳥取県米子市)

日の出湯外観

JR境線後藤駅近くにある町家づくりの銭湯。ぱっと見あまり銭湯らしくないのが新鮮。壁面から生えている扇形の看板もかわいらしい(本記事のタイトル画像がその看板である)。訪れたのが夏場だったのだが、カランの水(井戸水とのことであった)をかぶるとよく冷えていて気持ち良かった。

直島銭湯 「I♥湯」(香川県直島町)

I♥湯外観

香川県は直島にある、銭湯風の温浴施設(一般公衆浴場ではない)。「ベネッセアートサイト直島」のアートプロジェクトの一環として、2009年に更地に新築された施設(作品)なのだが、関西風の浴場レイアウトを含めて昔からこの地にあった銭湯をアート作品としてリフォームしたような風情があるのが不思議でならない。

元湯温泉 泉薬湯(島根県大田市)

元湯温泉 泉薬湯外観

温泉津温泉にある共同浴場(一般公衆浴場ではない)。家族経営の温浴施設としては日本で最も長い歴史があるのではなかろうか。洗い場がないプリミティブな浴場。源泉かけ流しの湯船で一番源泉に近い湯船は湯温46度超(!)などいろいろと面白かった。温泉津温泉については、下記の記事により詳しく書いている。

2024年に向けて

2024年も引き続き銭湯を楽しんでいきたいわけであるが、その中で短期・中期の目標としては下記を達成したいと思っている。

1)23区各1湯ずつチャレンジの残りをめぐる
前述の通り、残りは墨田区と練馬区の2区。できれば3月いっぱいまでに達成したい。

2)北関東の銭湯を巡りきる
現状は茨城(1/1湯)、栃木(3/4湯)、群馬(2/10湯)と、気がついたら栃木をコンプリートできそうな具合なので欲を出すことにした。もっとも、群馬に未踏の銭湯が8湯もあるのでゴールまで2年くらいかかるかもしれない。

おまけ 2023年に筆者が新たに訪れた銭湯一覧(全77湯、だいたい訪問順)

荒川車庫前・神田湯
千駄木・朝日湯
代田・宇田川湯
中野・中野寿湯温泉
南柏・湯パーク南柏
本駒込・ふくの湯
新中野・昭和浴場
雑色・COCOFUROたかの湯
板橋大山・(第二)富士見湯
船堀(東京)・鶴の湯
中野・高砂湯
浦和・冨美の湯
木場(東京)・金春湯
岡山・鶴湯
船橋・浜町浴場
静岡・桜湯
日立・福乃湯
船橋・宮の湯
高崎・浅草湯
高崎・追分湯
八丁堀(広島)・音戸温泉
広島・三本松湯
米子・米子湯
大宮・日進湯
徳山・文化湯
宇品(広島)・いなり湯
福島(広島)・丁字湯
舟入(広島)・瀬戸の湯
吉島(広島)・吉島湯
土橋(広島)・土橋温泉
今治・大黒湯
広尾・廣尾湯
矢野(広島)・日の出湯
横川(広島)・泉湯
鶴橋・百草湯
京橋・ユートピア白玉
博多・千石湯
鳥取・木島温泉
鳥取・元湯温泉
鳥取・宝温泉
鳥取・日乃丸温泉
皆実(広島)・大学湯
観音(広島)・ちどり湯
神田・稲荷湯
武蔵境・千代の湯
米子・日の出湯
西荻窪・文化湯
町田・大蔵湯
武蔵境・境南浴場
池袋・ゆラックス
米子・おーゆランド
王子・COCOFUROかが浴場
御器所(名古屋)・冨美の湯
本陣(名古屋)・日比津温泉
大須(名古屋)・永楽湯
大分・錦温泉
小倉・大黒湯
大分・クリスタル温泉
山口・清水湯
関目(大阪)・鈴蘭温泉
天六(大阪)・天六温泉
大正(大阪)・三光湯
松江・ちどり湯
雲南・元湯 漆仁の湯
呉・ゆーとぴあ
呉・オリーブ温泉
呉(阿賀)・鶴乃湯
呉・明神湯
呉・そてつ湯
戸畑・朝日湯
唐津・恵びす湯
松戸・マツドヘルスランド
東上野・寿湯
雑色・第五相模湯
栃木・金魚湯
北千住・金の湯
宇都宮・宝湯

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