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MOIW2023「萩原組」のぼり解題

MOIW2023、夢のような2日間でした。
送り手側も受け手側も、関係されたすべてのみなさまにおかれましては本当にお疲れさまでした。
この文章はそのMOIW2023のユーザー参加型企画「オリジナルのぼりプロデュース権」販売にて会場に掲示していただいた「萩原組」のぼりのデザイン面についての覚書的な文章となります。

そもそもの前提となる「萩原組」って何なの?という部分についても書こうとしたら思いのほか長くなってしまったので、それは別の記事として独立させました。
「萩原組」って何?という方はまずそちらをご覧ください。なお、この記事と同じくらい分量があります。ごめんなさい。

▼「萩原組」研究
https://note.com/kuwane/n/n49e9e202d6f7

1.何ができるだろう、という段階

2022年の年の瀬。
のぼり企画がアイマス公式サイトで公開された直後に見に行って、まず思ったのは「88,000円…!」でした。多くの方がそうだったと思いますが。

ただ、開催告知だけで幻になったぴあアリーナでの2020年のASライブ、それから2年越しの開催となった2022年夏の幕張でのサンリッチカラフルと、少なくとも2回、花を出すチャンスを逃した身としては、その分の花代も合わせたと思えば意外と妥当なのでは?という考えに至ります。
色々と人としてはダメなタイプの思考だとは思いますが。(調整や案内に時間を割ける自信がなかったので出資者を募ることはかなり最初の方で放棄しました)

さて、参加すると腹を括ったところで次の段階が「何ができるか」となります。

最初から決めていたのは、雪歩Pが出したのぼりであることがはっきりと分かるもの、ということだけです。

とはいえ、DTP作業は人並みにできるものの、人様に見せられるようなイラストが描けない身としては、イラストなし、文字とレイアウトで勝負、という方向性に持っていかざるを得ないため、取れる選択肢はあまりありません。

考えた結果が「企業協賛のぼり風」でした。

2.「萩原組のぼり」

「企業協賛のぼり風」というアイデアから「萩原組」でいこう、という部分はほぼノータイムでした。

雪歩といえばお父上が「萩原組」という建設会社を経営されているという設定があります(アイマス2以降の設定。詳しくは冒頭にリンクを貼った別記事参照)。
さらに、個人的にも「萩原組」という文字を背負った半纏やTシャツを2009年頃から765ASが出演されるライブの度に着てきたということもあり、もしのぼりを出すなら「萩原組」ののぼりであろうと。

また、イラストや遊びの要素を徹底的に抜いた、企業が広告代理店に丸投げして作ったようなデザインののぼりが出ていたら「え、萩原組って実在してる企業なの?」という困惑を作り出せるのではないかと考えたのも事実です。

のぼりが立っている周囲だけでも、ゲームと現実の境界を揺らがせてみたいという欲望とでも言いましょうか。

シャニマス公式の下駄箱展示であったり、「283プロ見守りカメラ」配信と多分近い方向の(若干病気っぽい)マインドです。

3.デザイン上の要素について

方向性が決まったところでリサーチを開始しました。幸いにして2020東京五輪関係のいろいろなのぼりの画像を検索でみることができたので、そこから必要な要素を絞り込んでいった結果が下記の4点です。

  • 大会(イベント)のロゴ

  • 企業ロゴとキャッチコピー

  • 「協賛します」的なメインメッセージ

  • 抽象的な装飾

イベントロゴについては、今回は公式テンプレートが用意されていて、イベントのロゴそのものを大手を振って使わせてもらえたのは、本当にありがたかったです。

企業ロゴについてはこれまでP名刺等のために作ったイラレ素材が手元にありましたので、こちらもあまり手間はかかっていません。
アイマス2やOFAのDLCにあった萩原組ヘルメット正面にあしらわれている六角形のマークをベースにしたものと、堅めのフォントによる和文表記と欧文表記でロゴを作成しています。

ロゴの上の欧文キャッチコピーは入ると一気にらしくなるので必須とは思いつつ、内容についてはしばらく悩みました。
「萩原組社歌」にもある「足場」というキーワードを軸にしつつ、MOIW2023をもって2nd visionから3.0 visionへと展開していこうとするアイマスを応援していきたい、というメッセージも含めようと「be a base for next steps.(次のステップのための足場のひとつになろう)」としています。

メインメッセージは、労働安全スローガン的なもの(「今日のライブもゼロ災でがんばろう!」のような内容)なども含めて数案考えましたが、いちばんシンプルに協賛広告らしいところに落ち着かせた結果が「萩原組はMOIW2023と/アイドルマスターを応援します」でした。
協賛ではなく応援なのは、正規の協賛金を出しているわけではないためです。実際に今回のライブに協賛してくださった各企業様への最低限の礼儀として。

最後に装飾。
文字だけだと寂しいのでちょっとだけ飾りの要素も入れています。アイマスののぼりではお約束のリングはあまり主張しないようにかなり薄めに。
さらに今回は5starsということなので、メインメッセージの下に惑星軌道の模式図のようなものを配置してみました。
軌道は内側から765、シンデレラ、ミリオン、SideM、シャニという順で、一番外側の傾斜角のついた軌道はこれから始まる「vα-liv」をイメージしています。

4.おわりに

冒頭にも書いたように、今回ののぼり企画については88,000円という価格に躊躇しなかったかと言われると、躊躇はしました。

金額について自分をごまかすことができたのと、こういったアイマスのトンチキな企画(台湾ライブの公式ツアーやクルーズなどがそうですね)は、1回目に参加するのが一番楽しいし、なんなら2度目がないことも多い、という過去の経験から、ちょっと冒険することにした次第です。

結果として、多くの方にクスっとしていただけたようなので、所期の目的は果たせたのではないかと思います。

10日の金曜に代休を取ったタイミングで、会場に掲出されたのぼりを一通り拝見させていただいて、とても楽しかったのですが、「萩原組」のぼり以外には架空企業ののぼりが出ていなかったのが個人的には意外でもありました。765ASなら伊織(水瀬グループ)、シンデレラの琴歌(西園寺グループ)、ミリオンの美奈子(佐竹飯店)などなど、ご実家が事業主というケースはたくさんあるわけで。

補遺:名刺との連動について

のぼり当選の連絡をいただいてからしばらくしてふと思い当たったのが、オリンピックの協賛企業やプロスポーツチームのスポンサー企業が広告等に入れている「XXはYYのオフィシャルパートナーです」のような文字列。

今回のケースでは「萩原組はMOIW2023公式のぼりスポンサーです。」という文字列を入れると、嘘はついていないのにいい具合に胡散臭い名刺ができあがるのではないか、と思って作成した名刺を若干ですが会場に持ち込んでおりました(下写真参照)。

MOIW2023向けに筆者が作成した名刺

MOIW2023にのぼりを出されました各位におかれては、今後名刺をリニューアルする際など、こうした一文を名刺に足してみるというのもいかがでしょうか。


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