筋ジストロフィーと人生年表
【筋ジストロフィー】
時間経過と共に徐々に 筋力が衰える進行性の病気です。
運動機能に問題が生じるほか、心臓や呼吸等の内臓機能に症状をきたすこともある遺伝性の筋疾患。
原因は ジストロフィン遺伝子にあり、うまくタンパク質を生成することができない。その結果、筋肉の再生機能に異常が生じていると考えられています。
有病率は人口10万人当たり20人前後と推定されています。主に幼い男の子に発症する病気。
一部の患者さんには 知的障害や発達障害、眼症状・難聴がみられる場合もあります。
さまざまな病型が含まれますが、僕はデュシェンヌ型。
・治療
機能訓練 少しでも長く自立した生活が送れるよう、機能訓練はとても重要な位置を占めます。
薬物療法
・ステロイド療法:デュシェンヌ型に対する有効性が確認されている治療法。副作用も看過できるものではないため、注意深く使用する必要があります。
・心保護薬の服薬(デュシェンヌ型等で 進行が進んだ時):心臓への負担を減らすことで、ある程度寿命延長。
根本治療 未実用。遺伝子に介入する治療を行うことで根本治療への可能性があるものもあります。
【人生年表】
身体的状態や治療の目安になるので、自己年表(若干記憶があいまい)を紹介します。
5歳: 運動能力の低下が見える 左大腿骨の剝離骨折
小学校(普通学校) 入学
7歳: 筋ジストロフィーの診断
歩行は 転びやすいが可能 階段の昇降が大変になる
10歳: ストレッチや運動など の機能訓練をする
ステロイド薬治療 ~12歳(むくみと体重増加により終了する)
側彎がはじまる
中学校(普通学校) 入学
13歳: 車イス(電動)を使いはじめる
14歳: 自力歩行が困難になる 同級生に“役立たず”と言われ、悔しい思い
高校(普通科) 入学
16歳: 腕がほとんど上がらなくなる
専門学校 入学
19歳: 体幹維持が大変になる
21歳: デュシャンヌ型 確定診断
人工呼吸器:NPPV(鼻マスク使用) を使いはじめる (夜間のみ)
心保護薬 の服薬(少量) をはじめる
22歳: 在宅で仕事(文字入力作業 週10時間前後) ~2年間
23歳: 肢体障害者の余暇活動に参加する ~現在も継続
「こんな自分だから“役に立つ”ことをしたい」 と思い立つ
24歳: 重度の肺炎になる (片肺全部と片肺半分が陰る 生命の危機)
ユニバーサルデザインのまちづくりの活動
小・中学校で 障害者理解の授業を行う活動 に参加する ~現在も継続
27歳: 肢体障害者の余暇活動の運営に携わる ~36歳まで
心保護薬 を増量&2種類に
28歳: 某 NPO法人 設立(副理事長) ~現在も継続
31歳: 某 区 ※UDパートナーになる ~現在も継続
※UD=ユニバーサルデザイン
心保護薬 を増量
33歳: 日中も在宅時は 人工呼吸器を使うように
お腹が膨れやすくなる
36歳: 人工呼吸器を 一日20時間程度(昼食・夕食中も)使うように
38歳: 甥の誕生が、前向きな転機になる
分身ロボットカフェ (OriHimeを用いた就労実験プロジェクト)に参加
39歳: コロナ禍にもオンラインで充実
人工呼吸器 をほぼ一日中使うように(自発呼吸は可)
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