（2023/07/01 09:30追記編集済）

櫻坂46の「ドローン旋回中」MVの物語や設定を独自に考察してみました。
公式に「解釈」が発表されることはあっても（プロデューサーの橋本ヒロトさんや振付師のTAKAHIRO先生はそれぞれの解釈をツイートしてたし、メンバーも与えられた役割の説明をブログやラジオでしている人もいる）「正解」が発表されることは無いと思われますが（それって野暮だもの）、これもまた、自分の解釈でしか無いので参考程度にして、各々独自の好きな解釈をしてみるのが楽しいと思います。

時系列メモ

• 〈00:00〉部屋に置かれたアナログTVモニター（砂嵐スタート）に映る台風情報とノイズ混じりの高速カット、直後に田村保乃が乗っていた自転車の事故を想像させる衝突音。

• 〈00:10〉時計回りに回転するギリシャ文字、Δ（delta）、ρ（row）、ο（omicron）、ν（nu）ε（epsilon）の頭文字を取ると「Drone（ドローン）」。これ含めて、本MV中、回転、回る、旋回等の描写が随所に盛り込まれている。

• 〈00:16〉腕時計の時間を確認する藤吉夏鈴（時間操作系の能力？後述する土生瑞穗の時間を止める能力と差別化するなら時間を戻す能力？）

• 〈00:17〉扇風機の羽が反時計回りに回っているように見える。一般的には扇風機の羽は時計回りの製品が多いとされるので「時間の巻き戻り」を示唆した「逆回し」の可能性があるが、絶対ではないので見当外れかも。しかしこれが仮に本当に「逆回し」だった場合、本作中いくつかある「わかりやすい逆回しのシーン」だけでなく「わかりづらいがじつは逆回しのシーン」が複数含まれている可能性がある。

• 〈00:18〉壁を床にして座る森田ひかる（重力操作系の能力？）

• 〈00:22〉海沿いの道を歩く田村保乃が画面のフラッシュ後に消える（「空間異常」の示唆？）

• 〈00:25〉水道の蛇口から滴る水が戻る描写（「時間の巻き戻り」の示唆？この直後にまた腕時計の時間を確認する藤吉夏鈴が映るので、やはり藤吉夏鈴は時間を巻き戻す能力？）

• 〈00:33〉謎のアンテナや測定機等の機材に囲まれている小林由依（異能力は不明だが、科学的な切り口で時間や重力や空間の制御を試みるマッドサイエンティストタイプのキャラ？）

• 〈00:36〉喫茶店でパスタにチーズをかける大園玲（異能力としては「無限にチーズをかけられる能力」か「いつまでも食べ続けられる能力」？後述するがここでも時間が巻き戻っている可能性がある）。

• 〈00:39〉スイカの種を浮かせる山崎天（サイコキネシス系の能力）。山崎天演じる女子高生は終始まるで夏休みに飽きているかのような雰囲気を漂わせていて、自分はこれは「夏休みを何度も繰り返している（時間遡行系の能力、あるいは空間異常）」と見たけど、どうか。手を波動拳のように構えて気をぶつけるような動きも見せていることから、サイコキネシス系の能力以外にも気を具現化する能力を持っている可能性もあるけど、これも「意図的か運命か、繰り返し続ける夏休みの中で自分の本来持っていたサイコキネシスの能力にも飽きて、新たな能力を模索しているところ」と見ることもできそうと自分は感じた。

• 〈00:56〉「水が抜かれたプールの中でギターを演奏する増本綺良」のシーンは一般的なMVとしてはあるあるのシーンではあるけど、本作の「登場人物は全員異能力者？」という前提から解釈すると「電気操作系」の能力でエレキギターやスピーカーを駆動している描写と思われる（本人ブログで「能力は電気」と言及しているのを確認）。

• 〈00:58〉広い道路の真ん中で山積みになった本に囲まれながら読書をする守屋麗奈（具現化の能力？）

• 〈01:34〉指を鳴らして時間を止める土生瑞穗（時間停止系の能力？）。

• 〈01:44〉ボウリング場でボウリングの球を浮かせる上村莉菜と大沼晶保（二人がシンクロすることが発動条件になっている物質操作系か重力操作系の能力？）

• 〈02:00〉腕に巻いた包帯を取ると傷ひとつ無い小池美波（超回復系の能力？）。

• 〈02:12〉卓球のサーブで球が増殖する武元唯衣（増殖系か複写系の能力？）

• 〈02:25〉パスタを食べる大園玲。ここで映るクリームソーダのバニラアイスが、00:36頃の「パスタにチーズをかけているとき」は「ひとくち食べたか、あるいは少し溶けかかっていた」ように見えた（アイスが円形ではなくなっている）のに対して、ここではほぼ完全な盛り付け直後の円形を保っているように見える（設定的に解釈するなら時間が巻き戻っているのか、あるいは単に見せ方として順番が前後しているだけか）。

• 〈02:28〉野球のノックをする井上梨名。MVを何度か見返したけど、井上梨名の異能力だけ、なんだか想像がつかなかった。「唯一の無能力者=ただの人間だが、超努力型の超人」という設定を考えたけど、根拠が薄いので断定は難しい。ノックのシーンの後、ノイズが表示されていた部屋のTVモニターに再び田村保乃の笑顔が映し出され、田村保乃のソロダンスパート、他メンバーのダンスパートへと繋がるので「野球のノックを発動条件として、良い意味でも悪い意味でも、ポジティブに記憶改変を行い、その記憶を共有する能力」かもしれない（田村保乃の自転車事故の記憶、あるいは他のメンバーの悲しい記憶を「みんなで踊ったダンス」という楽しかった記憶で上書きした？）。

• 〈02:32〉田村保乃のソロダンスパート、他メンバーのダンスパート。集まって踊るメンバー、それぞれの場所で踊るメンバーがいるが、現実（？）では人形のように動かないメンバーもいる（魂、意識があの部屋に転送されている？）。

• 〈03:09〉鏡の前でノリノリで踊る松田里奈と、鏡に映る無表情の松田里奈（鏡の中にいる松田里奈が本体であるという示唆？本体が鏡の中にいることで、前述した「記憶の改変」の影響を受けず、現実を俯瞰的に見ているとも取れる）。

• 〈03:29〉正体不明だった幸阪茉里乃の異能力がここでついに発現したように見える。このシーンの直後、部屋からTVモニターが消え、屋外の路上で転倒事故を起こしたと思われる自転車と田村保乃が転送されてくる（ここではおそらくまだ転送されたのは自転車と身体のみで、意識はメンバーみんなと一緒にある）。

• 〈03:37〉電源盤に高電圧の電流が流れて火花を撒き散らしながら爆発するが、ブレーカーは爆発を起こす前から全て落ちているので、元々流れていた電流ではない。電気操作系の能力を持つ増本綺良の仕業か、謎のアンテナと機器を使って科学で異能力を発現させるための「何か」を受信しようとしていた小林由依の計画どおりか。

• 〈03:40〉人形のように動かないメンバー、部屋の照明の点滅と共に激しく踊りだす。一般的に（？）照明の点滅は霊的現象の示唆と言われているが……。

• 〈04:01〉クライマックスで激しく踊りきったあと、1人ずつ桜の花びらとなって舞い散って消えていく。全員が暗い夜の海に入ってはしゃぐシーンは、表情は明るいものの反面「死」を連想させる（死後、人は海に還るとされるよくある宗教観から）。

• 〈04:21〉部屋のTVモニターに映る海ではしゃぐメンバー。TVモニター越しの映像で改めて見せているのは、別世界であることの示唆か。

• 〈04:36〉暗転。自転車事故を起こして失神していたと思われる田村保乃が自転車のみが残った部屋で気がつく。風と波の音だけが響く部屋。再び暗転。

• 〈全体〉夏ソングでありながら、全体的に薄曇りの空、暗い画作りが多い。単純にロケ日に晴れに恵まれなかった説（しかし最近は連続性のある長回しのカットでもなければ空くらい編集でいくらでも明るくできる）、櫻坂46の世界観としてあえて薄曇りを選んだ説、MVの物語の不穏さを強調する仕掛けのひとつ説などある。

メンバー別能力考察メモ

• 田村保乃=？？？（唯一のこちら側の人間？あるいは踏み込んだ考察をすれば除霊系の能力？）

• 上村莉菜=物質操作系？重力操作系？（大沼晶保とペアでシンクロすることが発動条件）

• 大沼晶保=物質操作系？重力操作系？（上村莉菜とペアでシンクロすることが発動条件）

• 小池美波=超回復系（包帯を取ると傷ひとつ無い腕）

• 小林由依=科学系？（異能力への科学的な面からのアプローチ？）

• 齋藤冬優花=時間停止無効化？（時間停止系の能力が発現している空間でも、齋藤冬優花と能力者だけは動けるが、その空間の時間は止まっているので電車を待ってもいつまでも来ないのでは？）

• 土生瑞穗=時間操作系（指を鳴らすことで時間を止められる？）

• 井上梨名=無能力？（異能力は無いが努力型の超人？）記憶改変系？（それぞれが持つ悲しい記憶をみんなでダンスを踊った楽しい記憶に上書きした？）

• 大園玲=具現化系？（チーズを好きなだけかけられる？）大食い？（無限に食べられる？）

• 幸阪茉里乃=転送能力？（クライマックスで彼女の能力の発現が示唆された直後、部屋からTVモニターが消え、自転車と田村保乃が転送されてくる）

• 武元唯衣=増殖？複製？（卓球の球を増殖させる）

• 藤吉夏鈴=時間操作系（時間を戻せる？）

• 増本綺良=電気操作系（発電する）

• 松田里奈=鏡の中に映る姿が本体？

• 森田ひかる=重力操作系？（自身の重力の方向を変える）

• 守屋麗奈=具現化系（本を出す）

• 山崎天=物体操作系（スイカの種を浮かせる）気を実体化させる能力は練習中？

歌詞の解釈メモ

歌詞の「僕」の「君」への真っ直ぐな言葉や好きだという思いを現実的に文面どおり受け取ってしまうと、正直「僕」にストーカー心理的な怖い部分を感じるけと、これは「僕」がその正直で真っ直ぐな思いを行動に移すことができない人間である、と考えることで解決する。
想像の中でしか「君」を見ることができない現実の小心者なのか、あるいは「俯瞰でしかで見ることができない」理由があるのか、捉え方はいくつかあるけど、歌詞の全体像は僕=既に亡くなっていることを示唆しているようにも読める。

しかし、そもそも論になるけど、真っ直ぐすぎるゆえに怖さも感じる歌詞も、それを元に作られたMVで描かれたストーリーも、「青春の儚さ」「片思いのせつなさ」「思春期の感情」の比喩の結果だと自分は思っている。