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オンライン診療は増えたのか?

ビジネス戦略を立てるうえで、データの利活用が今後ますます重要になってきます。近年、各国政府が多くのオープンデータを公開しています。
今回は、厚生労働省の保険点数オープンデータから、2019年に保険適用となったオンライン診療の動向を見てみます。

いきなり結果から出します。

保険点数からみると、コロナが蔓延し始めた2020年にオンライン診療が急増しています。
面白いのは男女比です。年を追うごとに女性の利用者比率が上がっていることがわかります。さまざまな考察が考えられますが主な理由は以下のとおりです。

  • 女性は産婦人科や皮膚科の受診機会が多い

  • 家族の健康管理の中心を担っている

  • 男性よりも女性の方が感染対策を徹底したり不安に感じる人が多い

では年齢ごとにみてみるとどうでしょうか。

30代後半から60代前半ぐらいまでの層で利用が多いようです。
この世代は、子育てや介護で忙しく、直接受診よりもオンライン診療を選ぶ傾向があります。
一方で65歳以上の高齢者は、デジタルデバイスに対する苦手意識や、直接診察してもらいたいという意識の強さなどからオンライン診療に対する抵抗感があります。

オンライン診療には以下のメリットがあります。

  • 交通費がかからない

  • 待ち時間がない

  • 近隣にない専門医に受診できる

  • 知り合いに合わない

緊急度がなく、自覚症状や画面越しの情報だけで判断できる疾患や定期受診の場合などは、オンライン診療のメリットが高くなります。薬も自宅に郵送してもらえることが多いです。
そういう意味では、定期受診の多い高齢者にはメリットが大きいはずなので、この年齢層が利用しやすいようなサービスを展開する必要があります。

セグメントは「高齢男性」で、普及のカギは、デジタルデバイスへの苦手意識とオンライン診療に対する心理的な拒否感の払しょくとなります。

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