強くて、美しくて、黒人だから/Lucky Daye「God Body」

ワクチン3回目も接種したし、確定申告も終わったし……ということで、ちょっとだけ活動的な今日この頃。といっても呑みに行ったりは全くしてないですけどね(そろそろしないと禁断症状が出そうですが笑)。
今日は映画『ザ・ユナイテッド・ステイツ vs. ビリー・ホリデイ』を観に新宿へ。

<Black Lives Matter>という概念など全くない時代に黒人差別に立ち向かい、政府に抑圧されてもなお、黒人に対するリンチについて歌った「Strange Fruit(奇妙な果実)」を歌い続けたビリー・ホリデイ。
ビリーはドラッグやアルコールで身を滅ぼしたとばかり思ってましたが(それも間違いではないけど)決してそれだけではないと。初めて知る事実の数々は本当に衝撃的でした。彼女を最後まで追い詰めた麻薬取締局の長官、ハリー・アンスリンガーがマジで最悪ですが、実在の人物ですもんね。ビリーを死に追いやった一方で、本人はケネディ大統領に表彰されているという。これが白人と黒人の差なんでしょうか。
そしてドラッグに手を出さないわけにはいかない彼女の壮絶な過去も辛い。
まさに<奇妙な果実>の歌詞の通りの描写(ググってください)も本当に辛い。
………と、かなり心にずっしりくる内容でしたが、観て良かったです。最後まで政府に立ち向かったビリーは本当に強い女性だと思いました。セリフにもあったけど、彼女が強くて、美しくて、黒人だから、政府は彼女を許せなかったのでしょう。
とても演技初体験とは思えないアンドラ・デイの身体を張った演技も素晴らしかったです。
あと、サラーム・レミが音楽を担当してますよ(HPにクレジットないけど、映画のエンドロールには名前が登場してました)。
上映する映画館もそろそろ少なくなってきてると思いますが(渋谷はもう打ち切られてました)、お時間のある方はぜひ。観て損は決してしないと思います。

Andra Day / Rise Up
第58回グラミー賞(2016年)の<Best R&B Performance>部門にノミネートされたBLM運動のアンセム。アンドラもまた社会に訴えかけるナンバーを歌っているのです。


映画の帰り道の途中で14時46分を迎える。3月11日。決して忘れてはいけない日。
あの時生後17日目だった息子も11歳となり、とても健康に毎日を過ごしている。
これがどれほど幸せなことか。最近の世界情勢もあって、一層強くそう思います。

GAGLE / I feel, I will
GAGLE は本当に信頼に足るグループです。


<今日の1曲>
Lucky Daye / God Body feat. Smino

シングルがどれも素晴らしく、弥が上にも期待が高まっていたラッキー・デイのニュー・アルバム『Candydrip』ですが、その期待に見事応えてくれました。流麗なバラード「Used To Be」、メロディー展開の美しさに悶絶するメロウ・ミディアム「Cherry Forest」など良曲揃いですが、アルバムの実質上のオープニング・ソングであるこの曲にまずノックアウト。スミノをフィーチャーしたスムース・ダンサーで、ラッキー・デイの軽やかな歌声にもマッチしてますね。後半のホーン使いもナイス。プロデュースはもちろんD・マイル。最早匠の仕事といった感じですね。天晴れ!

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