運営の評判は、お世辞にも良いとは言えなかった。
批判の多くは「課金に偏った仕様になったから」だった。

このトピックで紹介されている世界も同じく、まだ存在しているようだが。

かつて私が旅立った異世界は、もう存在しない。

詳しい知識もない私でも「1つの世界を成立させるためにはそれなりの運営資金が必要であろう」との思いはあった。
そのための、という認識もあった。
が、頑なに受け入れられないという方々もいるようだった。

それだけが原因ではなかったのだろうが、2016年5月24日に私の属していた異世界は閉じた。

この記事にもあるように、夜ごと気心の知れた仲間と集まっては雑談を繰り返すこともあった。
あるいは伝説の武器を手に入れるために大天使に挑み、使役する悪魔を強化するための生贄を狩った。

顔どころか声も知らず、夜ごと会う面子がいるというには不思議な経験だった。

学生であろうと社会人であろうと、異世界に入れば誰も等しく同じだった。

もちろんレベル差があり、強さが異なり、スタイルも違う。
それでも同じく異世界を旅する仲間であった。

そんなことが、かつてあった。
機会があれば再び訪れてみたいものである。