あえて掲題を「豚にかみ殺された!」とする意味とは


私としては「養豚場で事故死」でも足りるだろうにと思うのだが、世に云う炎上商法なるものか。

たとえば、である。
というのも少し前のプレジデントオンラインに、こんな記事があった。

統計データ分析家という肩書も耳慣れないが、ご本人は色艶も良く、専ら国産和牛でも召し上がるのだろう。

さておき、なかなか挑戦的なタイトルである。
中身は、過去1年間に経済的な理由で食物の購入を控えた又は購入できなかった経験がある方々を貧乏人と定義し、その方々が口にする機会の多いとするものを貧乏食としている片手落ちの統計である。

何せデータに年齢や性別ほか、食の好みに反映されるべきものがない。

起きてトースト、昼にカップめん、夜に生姜焼き。

20代ひとり暮らしの男性であれば、むしろ中庸ではないだろうか。そのくらいの年代であれば、友人の結婚式に出席した月末に懐がさみしいこともあるだろう。

統計は数値をメタ認知してストーリーを与えるものだと思っていたのだが、データ分析が専門となると違うのかもしれない。

同じくnoteに、こちらの記事を取り上げている方がいらしたので引用させていただこうと思う。

在り様からの視点でまとまっていて、読み易かった。
定期券の方が安いのはわかってるけれど切符でバイトに通う、というのは私も覚えがある。そんなことも思い出してしまった。

「その日暮らし」的な感覚の為せる錯覚なのだが、総合的にマイナスでも現金を残している気になる精神安定とでも言おうか。

話を戻して統計データだが、統計のわりにイメージ先行である点も結論を鈍らせている。いっそグラムであれば、切り身のめかじきよりも鯖缶のほうが高級だろうし、350mlのビールより500円しないボトルワインの方が安い。

昭和であればワインは高級であったかもしれないが既に令和である。

この分析家の方に次の執筆機会があれば表題は「Hey Say jumpの統計学」とするのは如何だろう。抜けている感覚に見合う内容になるかもしれない。

ついでに、貧乏人の食べ物とされている豚肉だが、確かに財布にやさしい。

コストパフォーマンスならバラのブロックが最も良い。
500gくらいを買って、まず4等分にする。
①塩とハーブを揉みこんでキッチンペーパーで包み冷蔵庫へ。
②5mm幅でスライスして叩き1枚ずつラップし冷凍庫へ。
③紅茶かウーロン茶で灰汁が出なくなるまで下茹でしてから希釈したウスターソースで煮詰める。
④軽く塩をして汗をかかせ1cmくらいの厚切りにする。

①は刻んでパスタと和えてもいいしチャーハンにも合う。②は小麦粉と卵を付け焼きしてピカタでも生姜焼きでもいい。③は煮豚で常備食になる。④サムギョプサルに。サンチュではなくサラダ菜でも間に合うしキムチがなくてもチューブのコチュジャンでそれらしい味になる。

ただステーキ肉を焼いて食べるよりレパートリーが広がるし、なにせ4食分である。が、おそらく値段は輸入ステーキ肉1枚と同じくらいだろう。

食の好みもあるだろうが、私にしてみれば塩コショウして焼くだけの牛肉をありがたがる貧乏舌かビフテキとすき焼きがごちそうの昭和世代でなければ貧乏人向けの豚肉は大いにオススメしたい。