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【日曜劇場 VIVANT】おもしろいのはおもしろいんだけれど..ちょっと雑音が多すぎません?

『半沢直樹』を知りません、チラとも観てないので。
せいぜいモノマネだったりで決めゼリフ倍返しだ!を聞いたことがあるくらい。
池井戸作品が、そもそもジャンルとして肌に合わないというか。
このあたりは趣味の話なので、以上でも以下でもなく好き嫌いってやつ。

『VIVANT』は、と言えば大好物なほう。
のっけ企業モノ横領ネタみたいな1話の印象でスルーしようと思ってたのが特番再放送みたいなのを観たらハマっちゃって、以降ほぼリアタイです。

よく出来てる、というのがシンプルな感想。
シナリオにしてもキャラクターにしても、ちゃんとクセがあって、1話ごとあれこれ考察したくなる要素が散りばめられてるのも面白さ。
勘繰りたくなるポイントの塩梅が見事というか、観ている側も育っているというか、深読み癖がつき始めているのは脚本の上手さでしょうね。

半面この深読み癖が悪いほうにも出ちゃっているというか。
いっそ終わった直後からSNSは言うに及ばず、ネットニュースにまで考察が飛び交う始末で、たとえば主人公の乃木の「手に持ったものの重さが正確にわかる」という特技を印象付けるシーンがあった8話のキモになる部分が、冒頭の仲間を撃ち殺そうとした場面につながるなんてのがあって。
まあ言っちゃえばそう思えなくもないんだけれど、だとしたらテロ組織の幹部が1発しか装填されてない銃をもってるほうにも違和感ないですかね。
やつの射撃の腕前を考えて、フル装填された銃を渡すのはリスキーすぎると判断した、って素直に頷けなる気がしないのは私だけでしょうか。

あのとき渡されたのはグレッグに見えましたし。
フル装填してたら17発もあるんです、いちばん少ないやつでも。
たとえば9㎜弾なら、1.4kg弱になります。
持ったものの重さが正確にわかる、なんて特技がなくても重い軽いくらいはわかりませんかね、まして特殊な訓練されてる人間なら。

マニアックすぎるから、わかり易くした。
そう考えることもできます。が、なんだか急に幼稚な伏線に思えちゃって。

アームズマガジンとか月刊Gunなんてのを読みふけって、原作の攻殻機動隊やらアップルシードの欄外解説が大好きだったヤバいやつの戯言です。
日曜劇場に、そんな気持ち悪いマニアの知識なんていらないのは承知のうえで、それでも数グラムの単位で重さを計れる特技があるのに1発だけだった装弾数に気がついてないわけがない、と断言しちゃうのも大げさというか。

ぶっちゃけ説得力の丁度よさなら絶妙だとも思います。
読まないどころか知らないもんね、アームズマガジンなんて。

とはいえ情報が多くなれば気にならないところも気になっちゃったり。
純粋に楽しむのであれば知らなくていいこと、物語で語られないことは知らなくていいことなのかもな、と思ったりもしちゃいます。

兎にも角にも、まずは終わってから。
どんな決着になるのか、ひさしぶりに期待しちゃうドラマです。