指先の七年史
正式には「パズル&ドラゴンズ」という。
ガンホーが配信しているスマートフォン用のパズルゲームで、スマホアプリとしても古参の部類ではないだろうかと思えるほどに息が長い。調べてみたところ2012年リリースというのだから、ほぼスマートフォンの歴史とともにある。いっそスマホアプリとしては特異ですらあるだろう。
そもそもスマートフォンは情報端末である。
ゲームアプリは暇つぶしのための付帯だ。
それが、飽きられもせず7年である。
いっそ7年も飽きずに遊べている側に不安すら抱きそうになるほど仕組みはシンプルである。
9種類のブロックをスライドさせ、同じもので3つ以上ならべれば消せる。消したブロックにより敵を攻撃したり、自身のダメージを回復したりと効果が異なる。その効果を組み合わせて敵を倒すという繰り返しである。
キャラクターを育て、強い敵を倒す。
RPG要素は飽きにくいらしい。が、ひたすら繰り返しである。
パズルの仕組みが変わるであるとか、そういった事はない。
で、7年である。
私も、委託した開発先が無許可で有料フォントを使ったとかでガンホーに使用料を請求するという案件の仲介に関わったことがある。
そこまで関わることはなくとも、知らないという方が少ないだろう。
なかなか大したものである、と思う。
が、ここまで書いておきながら一切の興味が湧かない。
いっそ侮蔑の目を投げてしまう。
7年前の暇つぶしから抜けられないでいる。
そんなふうに思ってしまうのだろう。
だが、翻ってスマホアプリがそうなのだ。
7年前の企画に、まだ勝てていない。
これはなかなかに情けない。
する側も、される側も、7年も同じところにいる。
そんなことのためにスマートフォンの性能は上がっているわけでもないだろうに。ゲームが出来ればよいというのなら、おそらくiPhoneも5くらいでも足りると思うのだが。
それでも出せば、それなりに売れる。
何が足りないのかもわからず買い替えられる。
わざわざ新しい機種に買い替え、7年前と同じことするのも如何なものか。
そんな思いが侮蔑の目を投げさせる。
せめて遊ぶにせよ、もう少しスマートフォンを活かせないものだろうか。
夢中で興じている様を見かけるにつけて思う。
これというものを思いつくわけではないのだが、ついつい思う。