派遣に品格?

短期的に人手が必要になることも多い仕事なので、「派遣さん」を頼むことがある。

最近の「定時で帰る」で物語が仕上がってしまうが如く、かつて「派遣さん」で展開するドラマもあった。

物語の主人公は、いわゆるスーパーウーマンだ。何でもできてしまう点がキモでもあるのだが、そのため時給も高く3,000円というのだから私の範疇では到底お願い出来そうもない派遣単価である。

それでも人件費は上がっていて、昨今は派遣会社も強気だ。そう知見も必要ではない仕事でも、そこそこの金額を提示してくる。
こちらも仕事が回らなくなるので、泣く泣く呑むこともある。

が、これが最近とんでもないのだ。
いわゆる「常識を知らない」なんてものではないのがゴロゴロと出てくる。

今朝なぞ、蒸し暑いと思ったら空調が「ドライ」になっている。設定を変更したい、と言ってきた子がいた。曰く「ドライ=乾燥状態」の設定にしてあり、加湿されていると思ったのだそうだ。
ずいぶんと高性能な空調にされたものである。

前述のような、単に知っているかどうかという事であれば教えれば終わる。覚えてくれるかにもよるが、教えればどうにかなるのであれば、まだ良い。

ただ、仕事というのは往々にして「自分で考える」必要が生じる。

この点において老若男女を問わず、ひどい。
まず、語彙が極端に少ない。
文章を書けない。
引き継ごうにもレポートが書けないので口頭で伝えてくるのだが、どうにも語彙が追いつかないので要領を得ない。
用件立てが出来ないのか、5分の出来事を5分以上かけて話す。
そもそも主語がない。..仕事をするうえで致命的である。

が、派遣会社は自信をもって提案してくるのだ。

わからないことも教えれば覚えてこなしてくれる。ではなく、知らない自分でも出来るよう準備万端に整えて上手くできるようにフォローしつつ仕事をさせて欲しい。いまの派遣さんは、専ら後者なのだ。

そう、昨今の派遣さんは頭数も埋めてくれるし、仕事も増やしてくれる。
まったく有り難い。

特にロスジェネ世代に多いが、とにかくビジネスマナーを知らない。

40代半ばで、今後どうするのだろうかと心配になる。

かくいう私も1975年生まれの、いわゆる棄民世代である。年代的に、就職時期の不幸や不遇な話には事欠かない。しかし、だからビジネスマナーを欠いているというのは違う。

ほかに比べて、せめて遜色ないスキルがありながら冷遇されるというのであれば腑に落ちる。が、そうではない。

機会がなかった、というのであれば嘘だろう。
こと仕事を探すというのであれば最低限のマナーは必須だ。
それすら身についていないからこその派遣さんなのかもしれない。

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