1億は大きな金額だがゴールではなく、そこからが真のスタートの始まり。

よく株式投資で1億円!という類の見出しの本をよく見つけたりするが、
まず、1億はゴールではなく、俺はそこからが真のスタートだといいたい。

なぜかというと、1,000万~2,000万位までは常に目先の支払いや、生活をしていくためのありとあらゆる出費に対してかなり不安感が拭えない状況下なので良い意味で気が張っている状態と思う。

ところが、キャッシュが1億位まで積み上がってくると目先の日々の生活への不安感が少しずつ薄らいでハングリー精神も次第に落ち着いてくるんだ。するとどうなるのか、まず楽をしようとして工夫をしなくなり、ほぼルーティンワークになってくる。その中で何時までも緊張感を保つことは難しい。

過去、数々の名うてのデイトレーダー達が短期間で1億以上まで登ってはその後転げ落ちていく様を見てきて何故そうなったのかを自分なりに研究したりしていたことがあった。

1億までは、がむしゃらにリスクをとって『勝負』していく必要があるが、そこからは出来るだけ資金を維持しながら『運用』していく術を学ばなければいけない。

ライオンも腹が満たされれば隣で寝ているうさぎも襲わない。
人間も同じなのだ。ハングリーだからこそリスクを負って狩りに出て獲物を捕まえる。
現代で言い換えれば、

「どうしても貧乏から抜け出したい」、
「必ず成り上がってやる」、
「絶対金持ちになってやる」、
「貧乏なのを小ばかにされた、絶対に見返す」、

オレの場合は当時お婆ちゃんと二人暮らしで、丁度小学3年生の頃くらいからか徐々にボケてきたんだ。当時はそれがボケてきたとは当然知る由もなく、その影響で掃除も洗濯も放置。結局、仕方無く小汚い格好で小学校に行っていたのでよく周りに冷やかされたり、からかわれていたもんだ。

だがそれがやがて自分の心の中に小さな火が灯るきっかけとなる。
男はナメられたら終わり。いつか絶対に自力で金を稼いで、オマエらよりもいい服、いい車、良い家を買ってやるからな、と。

そういった危機感や怒り、劣等感がエネルギーとしてモチベーションになり、やがては信念となって自らを突き動かす原動力となる。

だが心に宿した炎は、資金が増え気持ちが満たされてくるに従って少しずつ炎は勢いを失っていく。そうすると気が緩み始め、そこから徐々に『慢心』が芽生えやがては『惰性』で取引を続けるようになってしまったり、注意力が低下したりと色々な気持ちの病が出てくる。まずこれに対処しないといけない。

最も危ないのが当初、資金を増やすために「手段」としてトレードをやってきたはずなのに、いつの間にかトレードをすることが「目的」になってきている点だ。これは誰もが通る道だとは思うが、気をつけていないと無意識にトレードをするためにトレードをする状況に陥ってしまう。トレードにはそれだけの中毒性があり、気をつけていないと誰しもが無意識のうちにジャンキーになってしまう恐れがある。 

そうならないためにも常日頃から何のためにトレードをするのか目的意識を持ち、少しずつ工夫を忘れず、失敗を反省して次に活かす。自分自身のアップデート作業を粘り強く継続していく姿勢が必要になってくる。

1億は数字としても大きな金額だがそこから先に進んでいくためには自分自身の強い気持ちだけが支えになってくれる。飢えがなくなり、気が緩み、惰性になり、楽を求め、そんな状況になってからが真のスタートだと。










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