退路を絶って株式市場の世界に初めて足を踏み入れるもいきなりの試練が待ち受けていた。

デイトレードという存在を知り、退路を絶ってトレードに挑むべく、まずSBIイー・トレード証券、楽天証券、岩井証券、ジョインベスト証券で口座を開設し、使いやすそうな楽天証券とSBIイー・トレード証券で取引を始めるため楽天証券のアカウントに100万を入金した。この時2006/9月27歳。

始めるに当たってやり方としてはオーソドックスな『順張り』を採用することにした。何故順張りにしたかというと、上昇していく銘柄を買うという方法が直感的に合理的に感じたからだ。基本逆張りは下落していく銘柄を買うということなので望む方向(上昇)とは反対方向(下落)に向かっている銘柄を買い、その反転を待つというもので、その間含み損を抱えてしまう展開が多くなりそうな気がしてそこが生理的に受け付けなかったんだ。

そして2006/9月末、ついに株式市場の世界に足を踏み入れることに。

結果は完敗に継ぐ完敗。当時は2006年初めにライブドアショックがあり新興市場が右肩下がりだった時代で地合いも最悪だったんだが、当時はそれも分かるはずもなく、何も分からない中で取引をしていたんだから当たり前といえば当たり前なのかもしれないが何と3ヶ月間1回も勝てなかった。

というより全て買った直後に下がり始める。当時は今のように100株単元に統一されておらず主に値嵩株を1株単位で売買していた。順張りで勝負する場合は基本買った瞬間に『含み益』になっていないと何か間違っている可能性がある、という部分を本で何度も読んで何となくだが理解していたので買っても2tickも下がったら即損切りをしていた。そうしているうちに9月末100万あった資金が11月末には80万くらいまで減ってしまいマズい状況に陥ってしまった。

この時、何処が原因でダメな結果に繋がってしまったのかが全く分からなかったが、とにかくマイナスの結果に至った原因を探るべく取引を一旦休止し、始めてからの2~3ヶ月間の取引履歴を振り返りながら改めて見つめ直してみた。すると幾つかの原因が浮かび上がった。

①周りの熱狂に巻き込まれてしまい冷静な判断ができない。
②速い値動きに対応できていない。
③どんな形のチャートにも手を出す。

とにかく少なくともこの3つの原因を克服しなければ勝つことは不可能だと認識はできた。そしてこの3つの原因のどこから着手したのかというと、まずこれらの原因が何故起こるのか、そこから掘り下げて分析していくことにした。

とにかくまず原因①をどうにかしないと、いつまで経っても冷静な売買判断が下せない、暫く考え込んだ時ふと、思い起こしてみれば取引中の自分が非常に『感情的』になっていることに気付いた。

活発な値動きに生じる他の参加者達の熱狂に巻き込まれてしまい知らず知らずのうちに皆と同じように右往左往する取引をしてしまう。
自分が予め用意していた取引手法がザラ場では全く執行できなかった!

一体この自身を感情的にさせる源は何で何故起きるのかをまず特定しなくてはならない。感情的にさせる主な原因を特定し、そこから対策を練っていくことにした。
それと同時に原因②である非常に速く感じた値動きに対応できないとこれまた取引の執行を妨げる原因の一つなので克服すべく、当時最も値動きの速かった『大証ヘラクレス』に上場している動きが活発な銘柄群の板を株価ボードに登録して速い値動きに目と脳を順応させるためにずっと見続けることにしたんだ。

そこから何度も本屋に出向いては、『心理学』、『メンタルコントロール』、『トレーダー・心理学』、系の本を片っ端から買い込んで、朝から夜まで何回も読み直しては、感情的になる原因と一体どうすれば感情を抑制することが出来るようになるのかを、ひたすら考えては学び、ザラ場が始まれば一切取引をせずに速い値動きをずっと監視し続け、大引け後はその日の上昇の目立った銘柄のチャートを全てプリントアウトして、そこから何かしら特徴のある固有のパターンがないか、あればメモをして記憶する作業を毎日、日課にしてそんな気の狂った生活を年明け2007年の春先まで続けることになる

(続く)


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