夏の路地裏、自分のこと

夏になった。天気がよかった。まだこの日は爽やかな風が吹く良い夏の日だったように思う。今日もこの裏通りを通って病院へいく。急峻な明暗比が人間の目が優秀であることを実感させてくれる。白黒だったら一体どんな現像をすればベストプリントになるだろうかとぼんやり思いつつ、でも入っているのはカラーネガだからと言い聞かせ、目測で露出値を決定する。

この日からもう幾日が経った。その後病院にも二回行った。効かない睡眠薬を変えてもらった。前回変えたときはベンゾジアゼピン系というかなり強力とされるもので酷い副作用が出て一度戻してもらったが、今回はそれ系列の量の変えられる物で少なめに変わったようだ。
飲み始めて二日ほどたっただろうか。朝起きた頃の健忘が激しい。食べた覚えがないパンを食べたあとの皿、干した記憶のあるようなないような洗濯物。やった気はするけどいつやったのかわからなくなってしまうことが多い。
でも寝つきはいいし寝ていられる時間もある程度あってある意味で健康的なのかもしれない。

抗うつ剤はこれ以上増やせないという。果たしてそれが私の状態に対してなのか薬理的になのかはわからないけれど。確かにもらっている薬を調べたらどれも上限値だった。
飲んだら確かに少しずつ楽に前向きになれる気がする。少しずつ出来ることが増えている。酒に溺れなくても自分を保てている。
たぶんまだ必要なんだと思うし本当に効いてくれているんだと思う。
本当は薬なんて飲まなくても元気に居たいけど、今はもうそうでは無くなってしまったのだ。次の呼吸、今日、明日、一個一個少しずつやるしかないんだ。誰がなんと言おうとね。


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