心の涼景
夏。我々は涼み客となりて、避暑地へと繰り出す。
しかし正直なところ、旅先はとても暑い。
海と言えど、山と言えど。
家でエアコンを点け、涼んでいる方がよほど、なのに。
それでもなぜか、どこかへ行きたくなる。
いつもじゃない、涼しそうな場所へ。
人混みも、涼であり。
日焼けも、涼である。
ただ新鮮な心の涼景が、そこには在って。
いつの間にか我々は、その事実を知っている。
夏。我々は涼み客となりて、避暑地へと繰り出す。
見上げれば大空が。見下げれば大地が。 俯瞰の位置では、多くを見ることができる。