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大吉山プチハイキングでの一期一会、それもまた楽し

先日、ちょっとした集まりがあり、その集合時間までは各々グループで散策なりサイクリングなりすることになった。
人とワイワイ楽しむのも嫌いではないが、基本的に単独行動が好きな私は、一人で大吉山(仏徳山)プチハイキングに決め込んだ。

運動靴で気軽に登れるらしい。標高131mで展望台まで20分程度とのこと。

登り口に自販機あるだろうと飲み物をあらかじめ用意してなかったのは失敗だった。登り口にも展望台あたりにもなかった。
この日は肌寒いくらいだったのでよかったが、飲み物は事前に用意しておくべし。

岩の道は歩きにくいがおもしろい

斜度はさほどないが岩がゴロゴロしていて、というか岩でできてる道?なのか歩きにくい。
つまずかないよう注意しつつも新緑や鳥のさえずりを楽しむ。

緑が眩しい

春日原始林とはまた違った楽しさがある。
山登りやハイキングはほとんどしたことがないが、自然の中にいると諸々抱えている心が軽くなる。

つつじのよい香りが漂う

春日原始林でもそうだったが、ハイキングコースでは子供も大人もすれ違うときに挨拶をする習慣があるようで、なんだかほっこりする。やっぱり挨拶って大事だと思う。

展望台まであっという間だった。
展望台は頂上にあるわけではなく、まだ先に行けるので進む。
階段は結構しんどい。最近全く運動してないからな…

展望台からの景色

しかし気軽に登れるだけあって地元の方のお散歩コースになっているのか、ご年配の方が一人で登っていることが多い。しかもみなさんお元気!

ちょいと乾いた感じのところの苔

苔がモフモフ。地面が乾いた感じなので苔は少なめか。

分かれ道では幸運にも地元の方っぽい方とすれ違ったので、どちらの道に行くのか尋ねたのだが、みなさんとても親切。方言はやはり奈良とは違うなぁと思いつつ。

根がすごい

木の根ののび方、苔の生え方の観察とキノコ類がないかを探していたら、おじさんに「何かいるのか」って聞かれた。「いや、木の根がおもしろいので」と言うと、「なんだ、何かいるのかと思った」とつぶやきながら通り過ぎて行かれた。
絵の参考のためにいろいろ観察しているのだが、変な人に見られるということが判明した。
そうか。まぁ、変わり者ではあることは間違いない。

頂上付近で分かれ道。
そろそろ集合時間を気にしなければならない。犬の散歩中のおじさんに、各々の道から駅までの所要時間を尋ねる。

得た情報は、

  • さらに進むと私が登ってきた山の反対側に出るので駅からはかなり遠くなる。

  • 戻るならば別ルートの興聖寺経由にすると琴坂というきれいな道に出られる。

  • もう少し進んだところに朝日山観音堂がある。その展望台から平等院も見ることができる。

せっかくだから朝日山観音堂へ寄ってから興聖寺ルートで戻ろう。おじさんにお礼を言って別れ、先に進む。

観音堂方面との分かれ道あたりがちょっと開けていて、そこで休憩しているおじさんに「観音堂行くんか?」と声を掛けられたので「はい」と言うと、「そこなら根っこいっぱいあるわ」って言われた。
あー、木の根や苔観察してるときに声掛けてこられたおじさんか、よく覚えてくださってたな。マニアと思われたか(笑)

朝日観音堂までの道、狭くて急だし岩すごい

標識を見て観音堂の道を改めて確認。
それまでとは違って狭くて急そうだ。その登り口あたりで別の道と合流していて、下から登って来られた、腰が少し曲がったご年配の男性とタイミングが同じくらいに。
穏やかそうな男性はニコニコしてお先にどうぞと道を譲ってくださり、自分はゆっくりだから先に行ってほしいという意図なのだろうと、お礼を言って登り始める。

結構キツくないか

予想以上に急坂だ。
振り返ると、道を譲ってくださった男性との距離がこれまた予想以上に近い。

早いやん!

プレッシャーを感じつつ先を急ぐ。
なんとか到着。お参りしてから展望台へ。

朝日観音山堂からの景色

おぉ、確かに平等院が見える。

満足して引き返す。あとは往路とは別ルートで戻るのみ。
大きな岩がゴロゴロした急坂を下り、少し開けた場所へ戻る。
女性が休憩していたのでご挨拶。そのまま通り過ぎようとしたら、被っていた帽子のことで声を掛けてこられた。

妖怪猫キャップ

このキャップはハンドメイド作家さんに生地柄とツバの長さをオーダーして作ってもらったものだ。
そこから話が弾み、奈良は好きでよく遊びに行った、50代でマラソンを始めてホノルルマラソンも出た、奈良も柳生方面など走ったなど、とにかくお元気!今は70代で膝の故障で走れないとのこと。
これから戻るつもりだと伝えると、明るく元気な女性は予定を変更して、

「これも一期一会、一緒に行こう」

と、言ってくださった。合わせていただくのは申し訳ないので遠慮したが、パワフルさに負けてお願いすることに。
地元の方でこの辺りはよくご存知とのこと。

朝日山観音様によるご縁か

私は人見知りだし気の利いたことも咄嗟に言えないのだが、とにかく明るくて前向きで楽しい方だったので道中笑顔が絶えなかった。

青紅葉の琴坂

青紅葉が眩しい琴坂に出た。
この溝に蟹がいるとか。
琴坂は秋は有料らしいので、この山からのルートは通れなくなるのかな?

宇治川に出ると羽虫が大量ですごい!これは何?毎年この時期大量発生するらしい。

その後、宇治上神社など案内していただいた。時間がないので中には入ってないけれども。

宇治川とつつじ

目的地あたりでお別れ。
一期一会なだけにお名前も伺っていないけれども、こういう出会いはずっと心に残るんだろうな。

私は人のほんの僅かな言動でその人の奥に潜んでいる本音というか、そういうものがわかるのだが、察するに、とても辛いことや苦労されたみたいだ。しかし泣き言や不満は一切出さない、とにかく前向きな方だった。
表面的にしかわからない人には、元気で悩み事もなく辛いこともないと思われそうだ。
それくらいネガティブな発言がない。

私も常に前向きに物事を変換するので、短い時間だったが本当に楽しかった。

心も体も我慢しすぎず、どうかこれからもお元気で。
大切な時間をありがとうございました。

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