sa i h te日記

だいたいなんでもいいけど、どうでもよくはない

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5月1日 79歳の日記

名古屋に来ている。 義母が寝床でゆっくりしているので、のんびりした朝時間。 家から持ってきた白丁についての本を読み終え、ちくさ正文館で買ったメイ・サートン「終盤戦 79歳の日記」を読み始める。 長期闘病中の70代後半の友人が起こした騒動、70になる実母が癌かもと言い出すなど、さいきん、70代の女性の波のある精神状態を見る機会が多く、出だしから考えさせられる。 彼女たちにすすめることは難しいが、読んだらどんな感想を持つだろう。 朗読先のマダムも70代後半だが、いつも超然として凪

    • 2月13日 わたしは韓国に行けるのか

      いままさに、渡韓計画の最中。初めての韓国だというのに、情報のすくない地方へ足を伸ばす予定。 同行する友人が貸してくれた新羅の石仏の写真集をうっとり眺めながら、Googleマップに点を打つ。胸を踊らせながらマッピングしていると、地図上に、故郷のある地形に酷似している地点に気づく。そこは、完全に、わたしの場所だとすぐにわかった。 十年近く前からとりつかれてきた、記憶とも妄想ともつかない郷愁は、彼の地を訪ねることで変化するか。 しかしわたしは現実を生きるものとして強行はせず、成り

      • 1月23日 老年の女たちの読書

        訪問朗読先の方から、あなた好きそうだからと本をいただく。視力が弱く自分では文字を追えないので、数人が彼女の家を訪ねて本を読む。週一の朗読シフトから昨年、私は外れたが付き合いはそのまま続いている。彼女は小説は好まず、エッセイや評伝、紀行文が主で、一朗読者が一冊、最後まで読み切る。 リビングには彼女の読書家の友人が持ち込んだ本が山と積まれている。私は手にしたことすらないものばかりで、世に出まわる本というものの多様さに圧倒される。大型の書店で本に囲まれるのとは一味ちがう、70代の1

        • 5月12日 不幸の野菜

          バイトを終えiPhoneを見たら通知、母からのLINE。「明日夜指定で、野菜を送った」あいにく明日と明後日は不在である。その旨返信すると、「送るのを取りやめる事ができた」「スナップえんどうを食べさせたかった」と返ってきたので「お手数かけました」と短く返したら既読がついたが返信はない。つくづく仲をこじらせているな〜と思う。少し笑える。 荷物ひとつでこんなにまで気持ちがざわつくのは理由がある。そもそも今年の初めに、野菜は送らないでくれと頼んであるのだ。角が立たないように、急に送

        5月1日 79歳の日記

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        • sa i h te 日記
          26本

        記事

          4月21日

          天気予報に後押しされて、朝一番に洗濯を済ませてからは、カラオケのためのbutterを猛練習をするなどボヤボヤしていた。晩御飯の仕込みをすると、動画の編集をやらなきゃいけないのを思い出す。やったこともないのに引き受ける。これが自分のやりかた。安請け合い、節操がないと人はいう。 まあできるだろと思っていたが、やはりなんとなくできた。HDMIケーブルを持参し、さっそく職場のテレビに繋いでみんなにも見てもらう。hさんだけ尺が足りない、というと同僚が「せみのうたを歌ってもらいましょう

          4月20日

          肌寒いなか自転車をこいで朝勤務、帰りしな同僚に土産の八つ橋と安永餅をもらう。 帰りがけに事務方の女性と立ち話。ガイドヘルパー講座を受講していたのがバレた。受講風景の写真集をみて、髪の色でわかったと言われる。知られて困ることは何もないけど、働き始めるかは迷っていることを話す。紅茶のティーバックを5個もらう。もらう日。 帰宅して洗濯機をまわし、ミキサーでバナナヨーグルト豆乳をつくって飲む。今週は昼にバナナジュースを飲む、ゆるやかな一日一食。ラジオもやる。 夕方ふたたび出勤。今日

          4月19日

          朝、p注射を打ちに行き、そのまま訪問朗読へ。今読んでいる「歴史の鑑定人」もやっと折り返し。今日はスーザン・B・アンソニーを知る。アメリカで奴隷制反対運動、婦人参政権運動に力を尽くした活動家。史料文書の鑑定家という、あまり興味がもてない分野だったが、読んでみれば面白いところもある。 tさんに姪の中学受験について相談するでもなく相談。しかしわかってはいたがtさんの娘はハーバード卒の天才肌。ぜんぜん参考にならなかった!40年近く昔の話。学校も生徒をハーバードに送り込んだ経験がなく

          4月18日

          月曜日、自分にひまを与えたのはよかったのかわるかったのかわからない。仕事や約束ごとは火曜から、月曜に予定を入れることはほとんどない。金曜も仕事はないが、平日の3日を仕事したり人に会ったりして過ごすことではずみがついているのか、金曜に人と会うことはそれほど苦にならない。それでも予定がないと伸び伸びする。 それなら予定を入れなければいいのにとも思うが誘いを断るのが苦手で、断ってくよくよ悩むくらいなら行ったほうが楽だし、断るほどの理由もないので行く。自分から誘う場合は強迫観念から

          4月15日

          「花冷え」と言いながら、mは一枚だけ洗っていなかったセーターを着て出かけた。私はホットマットの上で羊毛フェルトを仕上げる。 年賀状で、友人が猫を亡くしたのを知る。友人が長い旅行の時は、わたしがたびたびお世話に通った。人見知りで、灰色の美しい猫。 なんと声をかけていいかわからず、春になってしまった。誕生日にかこつけて、お悔みをいわなくちゃ。彼女は、昔わたしの作ったへぼいぬいぐるみを大事に飾ってくれている。小さなぬいぐるみを作ろうと思った。 記憶をたどって、細面の輪郭に近づけ

          4月14日

          繊細で清楚な美しい小田原さんが、こなれた白地の紬に、同じく白地に墨色の型染めがさりげなく配された帯を合わせて、同じ着物を着せた幼い娘を抱いてやってきた。美人が白い着物を着ていやみにならず、しかも親子で、しかしさりげなく場になじむなんてすごい。やぱり食べてる量が少ないからだろうか。 センスの良いスパイス使いが話題の店にコースを楽しみに、人々が次々にやってくる。わたしも客だが、皆が来る前にテーブルに自分が持ってきた料理を置いてまわっている。練りに練った自信作だが、今日出てくるメニ

          4月13日

          15年以上読んでいるブログがあり、ひさびさに思い出して読みに行ったらぼちぼちと更新されていた。それでわたしもひさびさに書いてみる気になる。 関東圏で家業の食堂を手伝う四十代の女性が記すブログ。ほとんど愚痴で愉快な内容ではないが、知らない場所で知らない人が知らない暮らしを営むのは心なぐさめられるものがある。文章から想像する彼女は無口で、見た目も地味で、地元で外食するのも緊張するような人だが、すべての毛をツルツルに脱毛していたり、奇妙に現実を超えてくるおもしろさもある。 読み始

          11月7日

          新しく処方された薬を、医師の指示どおりまずは半量飲むが効かず。なかなか寝付けず寝起きはひどい頭痛。10:30起床。お腹が空いたのでヨーグルトを食べてロキソニン。 整体から帰宅したmが買ってきたパンで朝食の後、二度寝。焼きそばを食べてのそのそ支度して出かける。最近、存在を知った近所の絵本屋へ。埃をかぶった誇り高き名作絵本が、せまい店内にぎっしり並ぶ。店主とおぼしき静かな女性は、店に似ている。児童文学に混ざって、永瀬清子の数冊の詩集、武田百合子の富士日記。姪に一冊えらぶ。 夕

          11月6日

          服薬6時間睡眠。じっとしていると薄ら寒い。バタートースト、コーヒー、ヨーグルトの朝食。成瀬巳喜男「銀座化粧」を観ながら編み物。子どもがたくさん出てきて、みな健気に働いている様を映し出す。確かめるために続けざまに昔みた「お遊さま」をみるが、やはり田中絹代の顔が好みではないらしい。途中でやめる。集中して編み図を見て20段ほど解き、30段ほど編み直してまた間違いに気づいて、がっかりしながらお昼にする。蒸かし芋、昨夜のスープ、玄米、納豆。また編み直しをすれば、より覚えられるだろう。

          11月5日

          眠剤飲むがなかなか寝付けず、5時に目覚める。tちゃんが家を改築し、住居兼用の「暮らし系」ギャラリーをオープンするという。二人住まいなのにこんなに部屋数があってどうするのだろう?と疑問に思い、娘の里帰り出産を機に同居を始めたいのだろうと気づく。古い日本家屋に趣味よく手を入れてあり、染付の大鉢などの骨董を並べた台の脚は椿の枝で、素朴すぎず絶妙なバランス感覚で感心したが、はて、tちゃんはこんなふうに暮らし方を提案したいタイプだった?そもそもtちゃんのセンスはこんなによくなかったはず

          10月28日

          長い一日。 いつも朝勤務の日は眠れないので服薬。眠くなるまで横になって枕に頭を深く沈め、体内を違和感がめぐり、感覚が鈍くなり、徐々に身体が動かなくなってくる感覚は、麻酔銃で撃たれたけもののようだ、などと思いながらすうっと眠りに入る。無事に5時間眠れて6時起き。朝食にヨーグルトを支度して出勤。 勤務後はパン屋でパンを買い、そのままmさん宅へ。tさんに車で拾っていただき、お宅で料理教室。料理教室なんて、と思っていたけど、年季の入った、かんたんな、西洋料理を習うのは楽しかった。ポ

          10月27日

          服薬せずに寝たら3時に目覚めて、そこからは半分。朝食はバタートースト、ハム、カマンベール、コーヒー。 仕事がもう一つ入り、午前中あげる。釜玉そうめんのお昼。セーターは増やし目、減らし目が不慣れなせいで手が出ない。祇園囃子みる。木暮実千代の顔の線、胸のうすさ、なんときものが似合うことか。 夕飯用に一品作って夜の自分を応援する。 ハロウィン用品を持参し、張り切って出勤。sさんはぬいぐるみにすっかり興味を示さない。自転車できる風が冷たくなってきた。 帰ったら食欲が爆発してごま