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【KY13】受注残の減少は買いのシグナル?


受注残が多いことの問題点と対策

肯定的に捉えている人が多いようですが

受注残が多いから、今後の業績は安定しているのでは?そのように思う人が多いと思います。
3年先まで受注残が溜まっている、みたいな企業もたまに見受けます。
しかしこれって、コンサルティングの実務では、必ずしも良くないと見ることが多いです。

忙しくて忙しくて仕方がない

製造業にとって受注残が多い状況は、生産ラインの稼働が忙しくて、売上高が頭打ちになっているという状況です。忙しすぎてタスク処理が追いついておらず、そのような状況に追い打ちを掛けて、さらに受注が積み上がっていく悪循環です。
このような場合、生産ラインを増強しない限り、受注残は減っていきませんし、売上高も伸びません。

なぜ受注を積み上げるのだろうか?

貧乏暇なしの状況と同じで、事業継続に不安を抱えていて必死だからです。断ったら次から仕事が来なくなると不安に思い、無理にでも仕事を受けています。余裕がないと言えます。
そして生産ラインを増強できないのは、増強するだけの利益を取れていないからです。

受注を断れない本当の理由

端的に、製品に他社と比較して優位性がないからです。
したがって、無理に受注するだけでなく、価格競争に陥り、十分な利益を取れないという悪状況といえます。

値上げをする、受注しない

このようなケースだと、値上げをして受注を絞ることが効果があります。
それだと売り上げの減少につながるのではないかと、疑問に思われるかもしれません。ですが、こなせないような受注をしても、状況は悪化するだけです。
また値上げをすれば他社に有利となり、自社の売上が立たなくなるのではと思うかもしれません。しかし値上げをしても、例えば納期を短くするとか、カスタム依頼を積極的に引き受けるとか、他社と差別化することで優良顧客を選別する方法は色々あります。

そして経済的・時間的な余裕を作ることで、新たな製品開発を行うとか、事業転換を図っていきます。このように好循環を作ることで状況を打破します。

受注残の減少は買いのシグナル?

オプトラン(6235)について

Yahoo!ファイナンス(オプトラン)

どういう企業かは皆さんが調べていただければと思います。
簡単に光学成膜製造装置のニッチトップ企業です。オープンにしていませんが、アップルやファーウェイなど超大手に製造装置を製造・販売しています。また業績はとてもいいです。
で、この企業のアレコレを書きたいわけではなく、事例として同社の受注が大幅に減ったことについてピックアップします。
また決算説明会のQ&Aで、機関投資家の質問がこの点に集中しており、マイナス評価をしていたということです。

製品の入れ替えのシグナル

製品にはライフサイクルがあります。ライフサイクルの後半になると、利益率が低下します。優位性は代替技術が生まれたり、販売先の製品群がリニューアルされたりすることで、企業にとっていつまでも同じ製品を生産することがリスクになります。
ところでオプトランの場合、決算説明会資料で新技術を用いた新たな製造装置の引き合いがあった旨、記載されていました。ここがポイントです。

つまり受注残の減少は、旧製品から新製品に入れ替えて、より利益が見込まれるよう製品ライナップをリニューアルする可能性があるということです。
もし受注残が減少しているのなら、新製品のリリースが予定されているかチェックするといいです。

そしてオプトランの場合、最新の決算説明資料でAIスマホ向けの製造装置が順次リリースされる予定である旨、記載がありました。

生産能力の増強のシグナル

当たり前ですが、工場の建設や製造ラインの増強は受注残の消化につながり、売上高が増えます。またこのような生産能力の増強は、今後の受注を見越した投資といえます。
したがって、設備投資の内容をチェックすることで、企業の成長を予測できます。

オプトランの場合も、ベトナムに新工場を建設していました。
以上、これら2点から私は、機関投資家と異なり受注残の減少を好材料と判断しました。

オプトランは買いか?
答え:私の持ち株ですが、本日決算が出ました。結果はどうでしょうか?w
参考までに(公募価格1,460円・初値2,436円・2月13日終値1,822円)

なお投資は自己判断でお願いします。

今回はここまで。また次回よろしくお願いいたします。

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