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【casestudy②】ファーストリテイリング

こんばんは。今回はケーススタディの第2弾です。

ユニクロを運営するファーストリテイリングを分析しました。

前半は、マーケティング戦略をトレースしつつ

後半では、決算資料をみながら今後の戦略を考察します。

ファストリの強みって改めて何?

マーケティング戦略概要

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自分が分析した結果では、

流行にとらわれず、普遍的に活用される商品を高品質低価格で提供できる

この一言につきます。

同じファストファッションと言われるH&MやZARAは対照的な戦略をとっています。

この2ブランドは実は、多品種小量産型になっており、沢山の品種の商品を作り、トレンドに応じて売切を行っています。パリコレクションなど有名な新作発表会の後すぐに生産を行うことで、常に流行に乗った商品を提供することに成功しています。(これができないファストファッションは、アメリカンイーグルやForever21のような会社です。)

一方でユニクロは、少品種大量生産型です。ユニクロはトレンドはあまり追っていません。ただ、普遍的に使い続ける商品でヒットしています。まさにヒートテック等はその一例です。ヒートテックはいうなれば下着なのです。

なぜそのような戦略なのかというと、ファストリの業態に秘密があります。

①ファストリはSPA(製造小売)

ファストリはSPA(製造小売)という業態をとっています。

SPAとは、商品の企画から製造、販売までを一貫して行う業態のことをいいます。メリットとして、全て自社で完結しているため業務効率化され、低コストでの生産が可能になっています。

これによって、商品の大量生産を機動的に行うことを可能にしています。

それじゃ、SPAにしてどの会社も大量生産すればいいじゃん。と思われる方もいると思いますがそうではありません。

②顧客でなく、商品でセグメントを行っている

アパレルブランドでは、性別や年代でターゲットを絞り、商品を展開しているケースが大半ですが、ファストリの場合は異なります。

商品でセグメントをしています。

ご存じの通り、ユニクロは個性的なアイテムが非常に少なく、汎用的で、

いつ着ても流行りすたりのないものを高品質で提供しています。

そのため、スロートレンドと言われることもあります。

上記がファストリの強みともいえる点になっています。

一方でデメリットは?

もちろん、この方法には、デメリットがあります。

それは、売れなかった場合大量の在庫を抱えてしまう点にあります。

在庫を抱えてしまうと、消費者からその原価を回収できず、在庫分がそのままコストになってしまうため大きく命とりになります。

自社製品の場合この部分が、非常にデメリットとなります。

後ほど触れますが、コロナなどの不測の事態の場合、企業業績に大きな影響を与えます。

ファストリの今後の展開について

ファストリの決算資料

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<参照>『2020年8月期 上期業績および通期見通し』

今期のファストリは、コロナの影響により、アジア圏を中心に減収しました。売上総利益率は50.9%から48.6%に悪化しています。

売上原価が大きく前期より悪化していることが予想されます。

また商圏の比重がコロナで最初に影響を受けた中国が大きく、

売上が想定より伸びず、売上原価がかさんでしまった印象を受けます。

一方でジーユーは踏みとどまる

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一方でジーユー事業は増収増益です。

ジーユーもユニクロ程の海外出店はしていないものの、現状ではアジア圏に複数海外店舗を持っています。

日本での売上は大きいとは思いますが、こちらは好材料です。

今後コロナで経済が後退していくことが見込まれるため、ジーユー事業が今後の成長のカギとなるでしょう。

下期はコロナ収束次第

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コロナの影響により、下期は下方修正をしています。

上記の見通しは、6月以降にコロナが収束した場合になります。

そのため、中国などの主力商圏がこの時期より早く回復するようであれば、

ファストリの株は「買い」、また日本が6月以降も自粛しているようであれば、更なる下方修正も見えてきます。

不況に強い低価格ブランド

しかし、経済が不況に陥った場合必ず伸びるのは、低価格商品です。

日本以外でもその動きは同じなので、この1年のカギを握るのはジーユー事業になると思います。

今後の店舗展開に注目ですね。

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