「描きたいという衝動に、純粋に従うだけ」画家・島村薫インタビュー vol.1

関西を中心に活動する画家・島村薫(Kaoru Shimamura)の個展が、2019年2月24日(日)まで「KOBE STUDIO Y3」にて開催中だ。2月11日(月・祝)には関連イベントとして「ホットチョコレート&ホットワインの日」(16時~、参加無料)も行われる。今回の展覧会タイトルは「机上の空論」ならぬ「机下の空論(きかのくうろん)」。その一風変わったテーマについて、作者の思いを聞いてみた。

>まず一つ目の展示会場「絵の部屋」について

両方の展示に共通しているのが、自分の根本にある子供の頃のイメージ。昔から、物の一部分だけをずっと見ているような子だった。例えば空の一部とか、壁のシミとか。広い景色は、なんだか捉えどころがなくて困ってしまう。ある意味、すごく視野が狭い。狭すぎてよく物にぶつかったりする(笑)

中学の時にボールペンでバイクを描く授業があったときも、私はバイク全体を描かずに、後ろ側のタイヤの部分だけ描いたりしていた。そういうのを思い出すと「癖なんだな」と思う。そんな自分の視点を、最近は作品テーマにしてる。

>その独特の画面構成について

クロースアップで物を見ていると、抽象的な世界が見えてきて。反射してる部分とか、質感が少し変わるところとか、色が混ざるところとか。そういうのを見つけるのが子供の頃から好きだった。私の絵画へのアプローチは、写真に近いと思う。絵よりも写真の作品を見て「あ、近いな。この人のやろうとしていることが自分と近いな」って思う時がある。

でも絵の根本である「物を見て描く」っていうことには、わりと忠実。イメージを抽象的に描いたり、身体的なパフォーマンスで抽象画を描いたりする人もいるけど、決してそういうことではなく。ちゃんと対象を見て、そこに見えている景色を私なりに描いてるつもり。花の絵も、花の造形や、入り組んでいるところをじーっと見てしまうし、綺麗じゃなきゃダメだとも思ってない。

>作品のモチーフについて

このモチーフは、ガラスコップにいろんな小さな物を詰めているだけ。ドライフラワーとか、イヤリングとか、キャンドルとか。個人的にちょっと少女っぽいものが好き。「少女っぽさ」って人によって解釈が違うとは思うけど。

>影響を受けたアーティストは?

(ジョルジョ・)モランディとかは好きかな。静物画の色彩のトーンとか。でも大学の先生の影響の方が強いかもしれないなあ。でもそこから抜け出したいというのがあって、自由なことをしてみようって思った。

>画家として活動し始めたきっかけは?

30歳の時に京都造形芸術大学の洋画コースに入るまで、ずっと趣味で油絵を描いてた。普通にお稽古事くらいの感じ。入学したのは単純に「30歳まで趣味で続けていたんだったら、けっこう好きなことなんだな。だったら本格的に勉強してみたいな」っていう、安直な気持ちからだった。

(大学院を)卒業してすぐに社会人に戻るつもりだったんだけど、なんだかズルズルこんなことになってしまって(笑)「あれ? 全然自分の人生設計と違う」と思いながらも。でもそのきっかけを辿ると、やっぱり「子供の時から好きだった」っていうところまで遡るから。今回、原点に戻りたかった。

>絵を通して伝えたいことは?

そういうことをすごく考えた時期もあるけど、それ以上に描くことの方が好きっていうか。「これが綺麗だから、自分なりに昇華したい」とか「たぶん写真に撮っても自分の中に残らないから、絵に描いて残したい」とか、そういう衝動の方が強い。その衝動に純粋に従いたいというのはあるかもしれない。

インタビュー vol.2に続く〉

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切島カイリ

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