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「自分のハートと努力を、何か素晴らしいもののために賭けてみなよ」 バック・トゥ・ザ・フューチャー裏話 vol.3

ハリウッド コレクターズ コンベンション No.18「バック・トゥ・ザ・フューチャー」パーティ 参加レポート

イベントのレポートは今回でラストです。
前半、ずーっと無口だったクリストファー・ロイドが演技論になった途端に弾丸トークになって、トム・ウィルソンが笑ってました。さすが「カッコーの巣の上で」「郵便配達は二度ベルを鳴らす」を始め、多くの名作に出演してきたベテランですね。スキニーデニム穿いて、奥さんにキスしててすごくかっこよかったぞ…。今回の来日では直島や金沢への旅行も楽しまれていたようで、インスタグラムでの楽しそうな様子が素敵でした。

今回の対談では、人生の先輩である3名のアドバイスが身に沁みます。演劇だけでなく、仕事論・人生論として、参考になりそう。

Q3. 役者としてのキャリアの中で、これまで大きな失敗はありましたか?そしてその経験をどう活かされましたか?

LEA: The biggest mistake I’ve made is not preparing enough. And not working hard enough. And I made mistakes couple of times, but not on BTTF, were very hard on the part.
リー:十分に事前準備をしなかった、十分に努力をしなかったことが私の一番大きな失敗です。BTTFではたくさんの努力をしましたが、それ以外では何度か過ちを犯してしまいました。

大成功したいと思うのであれば、大失敗を恐れるな

THOM: I think to dare to be great requires risking to fail badly. So as an actor, it is very personal thing of what choices, what decisions you will make, how you approach this, but you can’t approach it afraid. You can’t approach it like a coward. You must make a courageous choice. You must go for it, as they say. And often you would look like a fool. It would not work. But it’s not your job I think to idle look like a fool or look like a genius. It’s your job is to risk your heart, to risk your effort for something great. And with the proper skills, proper preparations, as Lea said, then something great can happen. But only through risk.
トム:大成功したいと思うのであれば、大失敗を恐れないことが大事だと思います。俳優というのは、自分の内面に向き合わねばならない仕事です。自分がどんな選択をするのか、どんなアクションを起こすのかといったことに対して、リスクを恐れていてはいけません。自分がやると決めたことには臆病にならず、勇気を持って踏み出すべきです。

もちろん、馬鹿みたいに見えることも多いですが、この仕事は結果がついてきて、あとから失敗だったか成功だったかが分かるのです。ですから自分のハートと努力を、何か素晴らしいもののために賭けてください。リーが言ったとおり、そこに正しいスキルと適切な準備があれば、素晴らしい結果につながるでしょう。それもリスクを負ってこそ、ですが。

俳優人生が長くても、撮影前夜はいつだって恐ろしくて眠れない

CHRIS: What Thom and Lea say are very true. You have to take risks.
I had lot of characters to play and the most fearful moment for me is the night before I go front of camera for the first time. I don’t sleep well that night. Because you know, I got the script and studied it, tried to figure out what the guy wears, the way he talks, his attitude…and I make a portrait that I try to live up to. The next day at the front of camera it always has the first take of the new character. And I hope after I got my first scene, and the director doesn’t come over and say ‘Chris, it ain’t work’. 

So far I got the way of lot of fears away but it’s risk. On stage or film, you hope you understood all the information from the script or talk from the director, you hope that you draw the right conclusions. And create that something fits in to the scope of.

I just to say, I remember when I was early on, I was a bit of the run with the part. One night, I feel I’ve been I was just there, and it’s thrilling, when you were there. When you pre-seen it correctly and you are really acting the role. And the next night, I couldn’t even find my shoes. It‘s like I don’t know where I am. I was lost. 

And I had an acting teacher, Sanford Meisner, a kind of legend. I went to hear because I want to know what can I do so that every time I go out, I’m on it. I am connected. And I am really creating a part. And through years, particular techniques, the way of teaching, I found the way, a technique that I could rely on. I have way of finding myself, finding where I supposed to be and getting back to all. I could go on but I will pass.


クリス:トムとリーが言っていたとおりです。リスクを冒さなくてはいけません。私も役者人生の中でいろんな役を演じてきましたが、初めてカメラの前に立つ日の前夜が一番恐ろしく、眠れないということがよくありました。脚本を事前に読み込んで、そのキャラクターとしてどんな話し方をするのか、どんな服装をするのか、どういった態度をとるのかなど、自分なりに分析をして最初のテイクに臨むのですが、監督がカメラテイクの後に戻ってきて「クリス、うまくいかなかったよ」と言われないことを願います。

今はその不安を取り去る方法を身につけましたが、それでもリスクはあります。舞台でも映画でも、自分の考えたキャラクターが求められていたものと合っていたのか、作品に合った正しい解釈をできたのかといつも考えました。

ある日、自分が練ったキャラクターが「ハマった」と感じる瞬間がありました。それはゾクゾクするような体験でした。しかし次の日には自分を見失い、自分の靴さえ見つけられない有様でした。私は完全に迷子になってしまったのです。そういう時に、サンディー・マイズナーという有名な演技の先生に出会い、「毎回、確実に役になりきるにはどうしたらいいか。どうやって役作りをすればいいか」と教えを請いました。

そして何年もその師匠についていく中で、私はやっとその技術を見つけることができたのです。その方法があれば、演技をしている中で自分がズレてしまったとしても、それを元に戻すことができるんです。まだまだ話を続けられるけど、この辺りでやめておきましょう。

司会:ありがとうございます。ではこれで抽選会の方に移らせていただきます。

THOM: One moment, please. We are in a show, we are on the stage here.
トム:ちょっと待って。俺たちはショーに出ていて、ステージの上にいるんだよ。

CHRIS: Yeah, yeah.
クリス:そうだね。

THOM: And when I am on the stage, I don’t just talk, talk, talk and answer questions. Please, WE SING A SONG!
トム:俺はステージの上でただ喋って、質問に答えるだけなんてしない。さあ、歌を歌うよ!〈スタッフにウクレレを持って来させ、観客に手拍子を要求。劇中のハイライトでマーティが歌う「Johnny B. Goode」を披露。会場は拍手喝采)

トム・ウィルソンのサービス精神とマイケル・J・フォックスへの愛情が感じられる素晴らしいパフォーマンスでした。3名とも日本に来てくれてありがとう! 最後にパーキンソン病の研究助成活動をしている「マイケル・J・フォックス パーキンソン病リサーチ財団」のサイトをご紹介しておきます。We love you Marty!

※会場にいらしたEmyさんにお写真をご提供いただきました!ありがとうございます。

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