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日記_2018年5月13日(木)

映画「アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル」を観てきた。
女子2人目のトリプルアクセル成功者のトーニャ・ハーディングを主人公とした、実話に基づいたストーリー。

フィギュアスケートは好きでけっこう観るんだけど、浅田真央さんや羽生結弦さんなど、清潔感があって育ちが良さそうな方々ばかりがたしなむスポーツだという印象が強かった。(実際費用が高額になるからそれなりに裕福なご家庭でないと習わせられないスポーツだとも聞く)
しかし今作のトーニャは、鋭い目つきでめっちゃタバコを吸う。勝利を渇望していて、ギラギラ感がハンパない。
型にはまった人生を送ってきた自分は不良への謎のあこがれがあるのだけど、そういう意味ですごく魅力的なヒロインだと感じた。

何が史上最大のスキャンダルなんだい、っていうと、1994年のリレハンメルオリンピック出場のかかった試合で、選手の1人が何者かに膝を殴打された襲撃事件が発生し、その犯人がトーニャの元夫と友人の指示を受けて実行したっぽい、という所から、被害者とオリンピック出場を争っていたトーニャについてもあることないこと様々な報道が過熱していった、ということがあったらしい。

その件について、各登場人物がインタビューを受けるような映像が差し込まれつつ、トーニャの生い立ちから振り返っていく形で映画が進んでいった。

貧困脱出のために娘にスケートをさせて、言葉と体の暴力でねじ伏せてきた鬼ママが強烈すぎた。普通に愛されることを知らず、スケートに打ち込むことが全てだと突っ走るトーニャが痛々しく、引き込まれた。
大好きな映画「gifted/ギフテッド」で最強天才少女を演じた子役の子がトーニャの幼少期を演じていて、不意打ちをくらった。不満をかかえながらの目つきが絶品。

そうして育ったトーニャが愛を求めるようになった男はDV夫となり、お互いに傷つけあうように。共依存というやつだろうか。もう普通にバンバン殴るシーンが入る。トーニャも激しく抵抗するし本当にすさまじかった。

女子選手では誰も飛ぼうとしなかったトリプルアクセルを飛べるほどの高い身体能力を持ちながら、審査する協会の求める清楚な選手像とは違う奔放なイメージからか芸術点が伸び悩み、必死にもがくしかないトーニャ。
母からも夫からも罵倒され、スケートに懸けるしかないのに、もがけばもがくほど事態がこじれていく。その焦燥感が伝わってきて、見入ってしまった。
おもしろい映画だった。

ちなみにエンドロールで当時の実際のインタビュー映像が出るのだけど、犯人のサイコ野郎のぶっとんだセリフ(実際はニートなのにテロ対策の専門家だとか大真面目に言う)がけっこうそのまま本人も言っていてすごかった。まじで事実は小説よりも奇なり、だ。

#cakesコンテスト #日記 #筆ペン #日常 #手書き #映画 #アイトーニャ

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