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2021年のアカデミー賞的マイ・アート大賞の発表♪

今年のアートイベントを振り返り、アカデミー賞(主要五部門)になぞらえて勝手に「賞」を出しておこうという、全く個人的取り組み。栄えある(笑)第3回目の2021年の結果はいかに?

 対象は、自分自身が今年直接堪能したものというくくり。今年開催の企画展だけではなく、以前からある常設展なども含みますので念のため。今年もまだまだ気軽に出歩ける雰囲気ではありませんでしたが、ギャラリー含めて50を少し超えるぐらいで「展覧会」「アートイベント」「美術館」等々に顔を出してみました。勿論見逃したものの方が沢山。「あれが無いだろう!」もあると思いますが、私自身が体験していないものはノミネート外なのでごめんなさい。

★主演女優賞★ 
今年一番印象に残った女性作家は…瀬川祐美子 
『光合成しちゃう?』HYPERMIX 門前仲町 5月27日 − 6月1日
AplusCの入澤さんに紹介いただいて、もう5年になるでしょうか。今年は何と言っても『光合成しちゃう?』の企画が秀悦でした。…と言っても、まだまだメジャーになる途中なので、ご存知ない方がほとんどですよね。一番に選んだのは、私が今年、瀬川さんの作品を購入したから! 我が家にコンテンポラリーアート作品が並べられるのはひょっとして初めて? なので、瀬川さんに受賞いただくのは当然すぎる結果なのです。
*次点…石岡瑛子 
『石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか』展 
東京都現代美術館(20年11月14~21年2月14日)

★主演男優賞★
今年一番印象に残った男性作家は…マーク・マンダース
『マーク・マンダース —マーク・マンダースの不在』展
 東京都現代美術館  3月20日- 6月22日
「なにこれ?」感とビジュアルのインパクトが大きく、いつまでも余韻が残ったままと言うか、正直なんとも気持ち悪い…のですが、頭から離れません。企画展として二度も観に行ってしまったのは、今年はこちらのみ。そういえば緊急事態のせいなのか、評判がよかったせいなのか、会期も延長になりましたね。「現美詣で」が続く一年でした。年パス買おうかなぁ…。
*次点…イサムノグチ
 『イサム・ノグチ 発見の道』
 東京都美術館 4月24日-8月29日

★監督賞★
うまく作品、作家を演出してくれたなぁと感じたイベント… 練馬美術館
『電線絵画展-小林清親から山口晃まで』
コロナ以降、海外の巨匠作品を使ったブロックバスター的大型企画展の開催ができないなか、中堅どころの美術館のアイデアがぐいぐいと洗練されてきているような気がします。先頭を走っていると勝手に思う一館が、こちら練馬美術館。…と言いつつ、この企画で初めて足を運んだのですが、何せタイトルだけでここまでそそらせることができるのが凄い。所蔵品にスーパースターがいなくても、ちゃんとストーリーを組みたてて正直に発信すれば、来場者にも伝わるという例ですね。
*次点…東京ミッドタウン・ホール 『北斎づくし』 7月22日-9月17日
主催 凸版印刷、日本経済新聞社、博報堂DYメディアパートナーズ、テレビ東京、BSテレビ東京

★脚本賞★
展示そのものに物語のような魅力を感じた展覧会…寺田倉庫
『バンクシーって誰?』展 8月21日-12月5日
ストリートアーティストのバンクシーの「作品」を会場にて映画のセットのように再現! これね、アート作品の見せ方として、すんごく矛盾含んでいて、それがとっても成功していると思います。何せ、ストリートアートってリアルに現場で観る事自体が難しいし、単純に劣化含めて、オリジナルを体験することなんて現場でも実際できない性質のもの。そこを「本物そっくり」感で再現させるって、虚構と現実のバランスが、もうどこで取れるのかさっぱりわからない。まぁそんなしち面倒くさい話は置いておいて、ともかく想像が膨らむ鑑賞体験で、テーマパクで過ごした楽しい時間という感想を得られました。
*次点…銀座エルメスフォーラム 『ジュリオ・パルク展』 8月13日-11月30日 

そして、お待たせしました。今年の栄えある
★作品賞★
今年見た中で最高でしょうこれ! のアートイベント(展覧会)は… 
ベネッセ アートサイト直島
2019年に『瀬戸内国際芸術祭2019(秋会期)』が作品賞を受賞しているので、また直島かい? という気もしたのですが、今回は、「美術館に泊まる」という贅沢含めて特別体験満載で、結局は文句なく決定。
ジェームズタレルの《オープンスカイ》を夜のとばりが下りてくるまでただ見つめるという体験も良かったし、コロナ禍での訪問にも関わらず、地元の方のホスピタリティがアートそのものって感じも良かったです。そういえば、来年は瀬戸芸の年…もしやまた受賞? そうなると、単なる瀬戸内アートファンになっちゃう気もしたいますね。
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そして、今年はあえての作品賞の次点を選ばせていただきます。(これまでは作品賞に関しては断トツを選んでいたいので次点はなしという考えでした)
Reborn-Art Festival2021-2022(夏会期) 『「利他」と「流動性」』
こちらも地域イベントですが、サイト・スペシフィックアートの意義を肌で感じる経験をさせてくれたので。

さぁ、来年はどんなアートとの時間を過ごせることでしょうか。
今から楽しみ~。


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