京都 洛西ニュータウンの再生に向けて

京都の洛西ニュータウンの再生について、京都新聞の社説(下記参照)をご紹介したい。

 人口減少が加速し、まちの建物全体が老朽化する。大規模団地をどうよみがえらせるか。各地で模索が続いている。  
 京都市が開発し、1976年に入居が始まった洛西ニュータウン(NT、西京区)の再生に向けて市が具体策をまとめた。  
 複合商業施設やバスターミナルがある中心部では、低層階に店舗などの施設があれば大型マンションの開発を可能にする。条件を満たせば高さ上限31メートルを超える建築も認める。
 中高層の住居を基本としていた区域でも商業施設やオフィスが立地できるようにして働く場の創出も図る。懸案の交通では、JRや阪急の駅へ直行する市バス路線を新設するという。  
 市はこれまでにも洛西NTの再生へ対策を講じてきたが、決め手を欠いていた。まちができて以来、初めてといえる大幅な都市計画の変更が功を奏するか、成果が問われる。  
 新たな対策をまとめた背景には、近隣自治体への人口流出があるようだ。市の人口減少数(外国人を除く)は2022年まで3年連続で全国の市区町村で最多となり、特に子育て世代が離れる傾向が続いている。  
 洛西NTは1990年の3万6千人をピークに住民減少が進み、2万人余りとなった。高齢化率は43%と市内でも高い水準にある。2025年には三つの学校を統合した小中一貫校の開校を予定している。  
 子育て世代を呼び込むには、住宅の価格も課題になる。洛西NTには市営や府営、都市再生機構(UR)の集合住宅のほか、分譲の一戸建てがあり、市や府など関係機関が連携を深め、多様な住まいの確保へとつなげねばならない。  
 今回の対策は都市計画で当面の課題に対応する色合いが強いが、マンション開発や店舗の進出を促すためには、公共交通の利便性向上が不可欠だ。  ニュータウンができた当初、住民は「市営地下鉄が延伸される」という市の宣伝を信じて移り住んだ。いまや市や区の基本計画から地下鉄の文字は消え、前回の市長選で急浮上した「新たな環状ネットワークの検討」が示されているに過ぎない。  
 交通は長く住んでいる人たちが不満を抱えてきた分野である。世代を問わず関心が高いだけに、さらに踏み込んだ施策が求められる。  
 市は今回の再生策を検討開始から約半年という短期間でまとめた。医療や福祉の充実、市立芸術大跡地の活用など課題が山積する中で、住民の声を十分に反映できたか疑問が残る。すでに動きだした事業もあるが、地域の思いを置き去りにせず丁寧に進めなければならない。  
 ニュータウンの再生は全国各地に共通する課題である。「人口減少社会」の都市の将来像に大きくかかわる問題ととらえ、知恵を集めたい。

京都が元気に。京都だけでなく日本が元気になるための知恵が集まれば大変うれしことです。私は応援しています。

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