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エドモン ~シラノ・ド・ベルジュラックを書いた男~

加藤シゲアキ主演舞台
エドモン~シラノ・ド・ベルジュラックを書いた男~

3年連続のPARCO主催舞台で主演を演じた加藤シゲアキ。去年の内容と一点、加藤シゲアキには珍しいコメディかつ初の作家役。少なくともシラノの内容を知らないとドタバタすぎてついていけない80を超えるシーン数。
言語化しておきたいところが多いので、この作品を加藤シゲアキ本人が振り返る前に一旦振り返りたいなということで、、クラウドが更新されたら追記しようかなと、、!(これを書いたのは4/24でした、無理でした。数ヶ月後の私より)

インスピレーションの連続で書き上げたシラノ

シラノ・ド・ベルジュラック(以下:シラノ)は劇作家エドモン・ロスタンがたった3週間で書き上げ上演した作品。2年間何も書けなかった作家がなぜ単位噛んでかけたかというと求める気持ちを持ち続けてインスピレーションとたくさん出会ったから。
まずはローズのことから触れていくと、おそらくローズは最初はエドモンの詩の綺麗さに魅力を感じて惚れている。エドモンの遠つ国の姫君も批評家の嘲笑だらけであったものの、台詞だけ抜き取ると綺麗な文でありロマンチストには刺さる。しかし、三文の悲劇ではフランスで評判は集められなかったらしい。エドモンの長い台詞を褒めてくれるのはローズだけ。冒頭のすっごく良かったというセリフにもエドモンが違和感感じていたんだなというのは、のちにローズの嫉妬のシーンで、「今は信じてくれていない気がする」というエドモンのセリフからわかる。ローズが自分の才能を信じてくれないからこそ、自分の才能を信じインスピレーションを与えてくれるジャンヌからインスピレーションを得る。

求める気持ちを持ち続けることが作品を作る上で大切というのはきっとシゲアキ自身も他の作家も常に持っている気持ちなんだろうなと思った。
ローズがたくさんの手紙を持って家で待っているシーン、その後エドモンが正直な気持ちをローズに話すところ、「君は自分の才能を信じてくれていない気がする、ジャンヌは自分の才能を信じてくれている」この言葉が結構好きだった。書けなかった作家が実際の恋愛に”書くために”手を出したことで作品が完成していく流れが好きだった。
この作品の中では、エドモンがシラノ、レオがクリスチャン、ジャンヌがロクサーヌに見立てて(?)シラノの作品に繋がるようになっている。その中で一番違うのはエドモンはジャンヌに恋しているわけではないが、シラノはロクサーヌに恋していること。ここに関しては私は最初実際にエドモンがジャンヌのことほんとはどう思ってるのかよく分からなかったけど、「求める気持ちが作品を際立たせる」という所から考えるとあくまでもエドモンは書くためだけだったと捉えていいのかなと思っている。(これに関しては原作があるから答えがありそうだけど笑)そう思った経緯としては単純にエドモンが常にローズのことを気にしていたこともある。

どんな時でも幕は上がる ~Show must go on~

私はこれも今回結構推したいところ。モボとどうしても精通してしまうんだよね私の中では。
モボを引きずりすぎかもしれないけど、モボはちゃんと振り返れていないのもあるからそれも含めてちょっと語りたい。モボで1番感じとったことは、エンターテインメントは人の心を掴む1番の手段であり、常に無くてはいけないもの。人間が生きる上で必要なもの。衣食住エンターテイメント。
矢萩奏を救ったのも矢萩奏を輝かせたのもエンターテインメントだった。エンターテインメントは楽しむ側は表面しか見えないし見えなくていいもの。どんなに裏が大変なことになっていようと表に出るものさえ完璧であればそれでいいし、完璧でいなくてはいけない。でもその裏にはきっと常にドタバタ劇場がある。そんな本来見えないはずの裏側を見ることもまた楽しい。エンターテインメントの楽しみ方は無限大にある。わたしたちが普段見ているNEWSのエンターテイメントだってそう。
こーんなことをモボの時には思ってた。
今回はまず3週間でシラノを書き上げる必要があるという、直前のハプニングではなく、言うなれば最初からハプニング。そして、公演1週間前にしてシラノ役のコクランがコメディーフランセーズから出演禁止を言われる直前のハプニング。全員が諦めかけた時の喫茶店のおじさん最高だった。(名前忘れた)めちゃめちゃいい役してる。何事も成功するまでには戦う必要がある。幕を上げるために戦わなくてはいけない。
これはこの3週間の話だけでなくて、エドモンが作家として売れない時期をも表しているんじゃないかと思った。シゲアキが書いている間は苦しいと言っていたことで思い出したけど、それならば売れない作家はもっと苦しいはず。それは言うまでもなく戦いなんだろうなと。

加藤シゲアキ×作品

すごく簡単にまとめるけど、やっぱり私は加藤シゲアキの演技が好きだった。1番好きなのは演技だけど、加藤シゲアキの触れた作品は全部好きになれるし没頭できる。なんでかは分からないけど、きっと本人が与えられたものをやるだけでなく、音楽も映像も激も作る側の人間としてもコミットしてるからなんだろうな。シゲアキの書く作品、演じる作品、脚本を書く作品、音を組みあわせた作品、全部が好きになれて、きっとシゲアキのヲタクをしてなくちゃ触れられないものに沢山出会えることが幸せです。まだまだ新たな景色を見せてくれる加藤シゲアキに期待!



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