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田村淳の訊きたい放題「親権問題を考える」のふりかえり

4/23にTOKYO MX「田村淳の訊きたい放題」の親権問題を考える特集にゲスト出演させていただきました。

離婚後の子育てにまつわる親権問題をトピックスを取り上げてくださったこと、そして、共同養育の現場支援をしているりむすびにお声がけくださり、お話する機会をいただけたこと、あらためまして番組制作者の方々へ感謝申し上げます。
また、ご一緒くださったコメンテーターの木村草太教授、岡村晴美弁護士ありがとうございました。

共同親権導入や共同養育実践の賛否について、視聴者の方おひとりおひとりが考えるきっかけになれば、微力ながらもお役目を果たせていれば幸いです。


今回、急遽いただいたオファーでありましたが、番組の趣旨をふまえつつ、短時間の中でこれだけは話そうと臨みました。


◆共同親権が選択できる法制度は必要
・共同親権を望んでいる人たちもいる
 →お互いに離婚は合意しているにもかかわらず親権を譲れず離婚できずにいる
 →離婚後も親としての自覚を持ち子どもと関わり続けてほしい など
・ひとり親という固定観念が払拭され"離婚してもふたり親"の素地ができる


◆共同親権になったからといって共同養育できるわけではない
・現行法でも共同養育を実践できている元夫婦は存在する
 →子どもを真ん中に親同士協力しあえる関係性を再構築できている
 →元夫婦の関係は悪いが子どもが両親と関わり続ける環境をつくっている
・親権ありきではなく共同養育しやすい相手に自身がならないと共同養育は困難
・別居中は共同親権であるが高葛藤な場合子どもに会えていないケースもある
つまり、親権と共同養育は別問題。


◆現行法において別居する親子がアクセスできる制度や支援の整備
・裁判所の機能見直し
 →別居直後からアクセスできるようにする
 →夫婦それぞれの葛藤を下げるためにカウンセリング機能を
・学校や行政など、地域が別居親を「親」として受け入れて対応する。

もちろん、子どもへの危害がある場合には適切な対応が求められますが、現場を通して見える景色として、この3点だけはお伝えしようと思っており、言葉足らずではありましたがなんとかお話できたかなと思います。

番組内で「共同親権のメリット」というフリップがあり、そのトピック内で共同養育のメリットもお伝えできてよかったかなと。

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ー高葛藤にならないためにー
さて、そもそもなぜ、共同親権への賛否や「子どもを会わせたくない、子どもに会えない」といった高葛藤ケースが生まれるのか、高葛藤にならないためにはどうするべきかを書き留めておきます。

夫婦関係は、別居前よりも別居後係争中に関係がより悪化するケースは少なくありません。といいますか、相手を批判する書面でのやりとり、かつ1回/1,2ヶ月の調停で条件闘争ばかりでは、相手への疑心が深まりほぼほぼ悪化していくのではないでしょうか。

高葛藤にならないためには、離婚後も親同士であり続けることを初期段階で認識し、争うのではなく同居親別居親それぞれができることで歩み寄ることに尽きるかと思います。

全てのケースに該当するわけではありませんが、支援を通して見ていると、
別居親:家を出るほど辛い思いをしたであろう同居親の気持ちを理解しようとする
同居親:夫婦の感情と親子関係を切り分ける
この作業を早い段階で行っているケースは、夫婦→親同士の関係に比較的スムーズにシフトでき、離婚後も共同養育が実践しやすくなっている傾向にあります。
一方で、
別居親:「連れ去りは誘拐だ」と相手を理詰めで追い詰める
同居親:相手と関わりたくないが故に子どもを会わせない姿勢を取る
と、対立構造はますます深まり、「離婚したら会わせるVS会えるまで離婚しない」の対立が始まるのです。このあたりの夫婦の感情の対立構造はりむすびのyoutube講座などでもお伝えしています。

子どもにとっては、両親が争っていることがなによりも辛いこと。「相手が悪い、自分は悪くない」「相手が変わらないから悪化している」という思考を解放し、まず自分自身ができることを同居親・別居親それぞれがやってみることが一歩です。
すべては自分ごと。そんな背中を子どもたちはきっと見ています。


とはいえ、歩み寄ることは頭ではわかるけど、相手への嫌悪感や憤りがあって気持ちを整えることはどうしても困難。。りむすびは、相手側や子どもの気持ちを代弁しながら心の整理の伴走役を行っています。おひとりで悩まずにご相談くださいね。
お子さんのため、そしてご自身のためにも、ご自身が今できることを考えていきましょう。


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