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面会交流支援を利用しやすくすることは問題解決の一助にしかならない

みなさんこんにちは。
りむすびでは共同養育実践に向けて、個別のご相談やペアカウンセリング、ADRに加え面会交流支援も行っています。

ここのところ、共同養育に必要な支援について関心が高まるなか、面会交流支援を充実させ多くの人が利用しやすくすることへの議論が活発にされている印象があります。
一方で、私たちが面会交流支援を通し、当事者の方々と関わりながら常々思うのは「面会交流支援を利用しやすくすることは問題解決の一助にしかならない」ということです。

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利用しやすいと・・・
もちろん、相手と顔を合わせることや連絡を取ることなどが困難で、支援の介入さえあれば面会交流できるという場合には、精神的負担を軽減しながら早期に実施できるメリットもあります。

また、面会交流支援は個別のカウンセリングと違って、支援者は同居親別居親両方と関わることができます。りむすびの面会交流支援においては、気持ちの仲介を重視しているため、面会交流支援を通して父母の感情面に伴走し、両親の葛藤を下げるためのサポートができるメリットもあります。

ただ、こと面会交流の現場となると、実の親子が交流する場に他者が入ることは、お子さんにとってそもそも違和感のある状況であることは否めません。

また、自助努力により当事者同士で面会交流ができたであろうご家庭にも安易に面会交流支援を利用するケースが増えてしまうと、本来は他者の介入なく実の親子が交流し、親同士の関係を築いていくはずの前提が希薄になっていくことが懸念されます。


大事なのは・・・
共同養育実践に向けて必要な支援のプライオリティは面会交流支援よりも「面会交流支援を利用しなくても済む関係づくりへ支援」が第一だと考えます。

多くのご家庭は、面会交流調停や離婚調停で条件の折り合いがつかず、別居前より関係が悪化し支援機関があると知れば利用したい!という流れになっていきがち。

ですが、だれもが初めての離婚。最初は支援機関の存在など知らない人が多いはずですから、裁判所などは安易に第三者機関の付き添い支援を提案するのではなく、本来ならば他者の介入なく実の親子が交流し、親同士が関係を築いていくはずの前提に立ち、第三者機関はやむを得ない場合の選択肢として位置づけること、そして支援の介入の度合いをよくよく見極める必要があると感じています。

りむすびの面会交流支援を希望される多くの同居親が理由とするのは別居親による精神的DV(モラハラ)。
同居親は別居親がモラハラだからやりとりが困難、子どもになにか吹き込んだりするのではないかという疑心や不信から支援機関の利用を望み、
別居親はモラハラなどしていないから支援機関など不要であり同居親の意向は受け入れがたい。ただ子どもに会うためにやむを得ず利用するが同居親への憤りは増し、平行線どころか対立構造は深まる一方。


支援をしていると、実際に支援なくしては実施が困難というご家庭もありますが、一方で、別居親と子どもの関係に問題がないことは同居親も認めており、それであれば付き添い支援ではなく引き渡し支援で良いのでは?引き渡し支援も不要で連絡仲介だけで良いのでは?と感じるケースも少なくありません。多くは別居親と子どもの関係はいたって良好ながら、同居親の別居親への不安や不信が拭えないことが課題となっているのだと感じています。

であれば、調停での取り決めの際に条件を対立させることよりも、不安や不信といったわだかまりをどれだけ解消できるかということを考えていく方が、建設的、かつ持続可能な面会交流の取り決めがしやすくなります。


離婚しても親子関係も親同士の関係も続きます。
子どもがいる以上縁を切ることができないと腹をくくり、いかに争わずに夫婦から親同士にシフトしていくかにフォーカスをあてること。
不要な諍いを起こさないためにも、速やかに親子交流の場を設けられるよう、相手への不満や疑心、そして相手が抱く不安や不信を解消することが優先課題となります。
そのために、争わずに話し合いがしやすいADRの普及推進や調停でのカウンセリング機能を設けるなど、制度や支援を強化していきたいところですね。


*りむすびでは、争わない話し合いに向け、子どもを真ん中に考える「離婚話し合いサポート(ADR)を行っています。


*お相手との関わりが困難な場合に、気持ちの面の仲介を重視した面会交流支援も行っています。


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