ゆみさん

元夫と親同士の関係をつくれたら楽になれた。 娘も私もハッピーに〜黒田由実さん〜

こんにちは。一般社団法人りむすびです。子連れ離婚後も両親で子育てする共同養育を実践している女性「共同養育woman」特集。今回は外資系保険外交員として活躍する黒田由実さんを直撃インタビューしました。

■プロフィール

・お名前 黒田由実
・ご職業 保険外交員
・お子さんの性別・年齢 中学2年生女子、小学校5年生女子
・長崎県生まれ東京都在住。
 通信業界において営業や事務職などを経て保険外交員に。
 現在、二人の娘を育てながら大学院で経営学を学びMBA取得を志す。

■現在、どんなカタチで共同養育を行っていますか。

離婚して7年。娘と私は東京、元夫は大阪に住んでいるので、長期休暇や出張の際に東京大阪それぞれで不定期に娘とパパは会っています。年10回程度でしょうか。

娘も私も別居前は大阪に住んでいたので、娘にとって大阪には多くの思い出がありますし幼馴染がもいます。
先日、大阪での面会交流では、パパの家に娘の友達を呼んでお泊まり会を開催してくれたんですよ。娘もとても喜んでいました。

普段は、私から写真を送ったり、娘たちはパパと直接電話やメールでやりとりをしたりしています。昨年は学校行事も一緒に参加しました。

遠距離なので、スケジュールや旅費に無理が生じないように都度お互いの状況を共有しあっていますし、娘の様子も情報提供しながら風通しの良いカタチで共同養育を行えているのかなと思っています。

こうやって話すと、何も困難がなさそうに聞こえるかもしれませんね。ただ、今でこそ元夫と円滑にやりとりができていますが、実は前向きになれたのはここ1〜2年なんですよ。

共同養育に前向きになれた経緯をお聞かせください。

裁判所での取り決めでは面会交流は月1回程度でしたが、私自身面会交流へは極めて後ろ向きでした。
最初ネガティブだったのは「別れたんだからお互い違う人生を歩もうよ。娘に執着しないで」という気持ちが強かったんです。娘がパパと会った後に私に対して気を使っているのを見るのも辛かったですし。当時の陳述書を見返すと、一生会わせないようなことを書いているほどでした。

前向きになれたきっかけは、元夫の娘へ対する努力の積み重ねです。面会交流のたびにスペシャルなデートプランを一生懸命考えてきていたんです。
水族館、遊園地など私が連れていってあげていないところへ行くことをありがたく思えるようになってきて、だんだん面会交流に前向きになっていきました。気がつけば、「今度パパはどこに連れてってくれるんだろうね」と娘に声をかけられるようになっていましたね。
 
私自身が自分の時間が持てるようになったことも大きいです。
当初は娘のことなどが気になって、いつでも駆けつけられるよう待機していたのですが、「任せても大丈夫」と思えるようになったら、フリーの時間を楽しめるようになったんです。一昨年の年末年始はママ友と一緒に過ごしたのですが、「あっ、これアリかも」と思えた瞬間でしたね。

また、りむすびのイベントなどを通して、元夫と同じ立場のパパさんたちと話す機会が増え、元夫にもっと優しくしてあげなくちゃと思えるようになったのも乗り越える後押しになりましたね。

共同養育するにあたり困っていること、困っていたことはありますか。

娘が小さい頃は、面会交流の引き渡しで元夫と顔を合わせていたのですが、注意事項など引き継ぎをする時に元夫が顔がひきつっているんですよね。
その表情を娘が嫌がり「ママついてこないで」と言っていたのは困りものでした。今では、娘だけでパパと待ち合わせができるので、この問題は解決できました。
 
プレゼントもよくもめましたね。高額のゲームを無断で買ってくることもしばしば。「ゲームは買わないで」と言えば、「ゲームも買ってあげないでかわいそう」と口論になるばかりでした。
今は、しないでほしいお願いをする時には、相手の気持ちを配慮しながら理由もきちんと伝えるのでトラブルはなくなりましたね。

現在は、親同士のやりとりで困ったことはなくなったのですが、しいて言うなら元夫側の親戚問題ですね。
元夫側の親戚の家で私の悪口が話題になるようで、ある日娘が「聞きたくないから行きたいくない」と言い出しました。この件も元夫に伝え、解決に向けて親同士で話し合っているところです。

■お相手がどんなことをしてくれたらうれしいですか。

私が密かに望んでいるのは家族4人でご飯を食べること。娘が気を使うからと嫌がるでしょうね。元夫も私とは敢えて一緒に過ごしたいとは思っていないでしょうから叶うかは微妙です。ただ、娘の様子を伝えたり和気あいあいと食事をできたらいいなと思っています。

娘が必要なものも買ってくれてありがたいですね。おもちゃだけではなく洋服や勉強道具も用意してくれるので助かりますね。最近では、娘がマラソンしたいとのことでランニングウェアを買ってもらっていました。

他には、娘に対して「ママの言うこと聞くんだよ」「ママを助けてあげてね」といった言葉をかけてくれたらありがたいですね。
たまにはこちらの大変さをねぎらってほしいなんて思いますけど、元夫自身が健康に元気でいてくれればそれだけで十分です。

■共同養育はどんなメリットがありますか。
 お子さんはもちろんご自身にとっても良いことがあれば教えてください。

娘がパパの話をするようになったのは本当によかったですね。以前は私の顔色を伺っていたんだと思うんです。今では、パパの好きなところ嫌いなところ両方ともタブーなく私に話してくれます。

娘には「離れていても思いやる」ということを感じられる人になってほしいので、共同養育することによって、パパどうしてるかな?と思いを寄せながら育っていくことも非常によいことだと思っています。
会えない時の交流は、メールより電話の方が通じ合っているように見えますね。「パパ聞いて聞いて」とよくしゃべっていますし、パパもよく話している様子です。
離婚当初は、私が支払ってる携帯代金で電話させたくないからとブロックしていたのが嘘のようですね。
 
そして、私自身にとってのメリットは、別居当時から娘たちを独り占めしている罪悪感がずっとあったので、共同養育することで罪悪感から抜け出せたことで楽になりました。
また、育児で大変なことを元夫に相談がしやすくなって気持ちの負担が減りましたね。今までは良い母親でいなくてはというプレッシャーで弱音を吐けなかったのですが、共同養育するようになったら自然と頼れるようになり肩の力が抜けたのもメリットですね。

■お相手との関わりにおいてご自身が心がけていることはありますか。

私は3つのことを大事にしています。
①思いやり
 相手の立場を考えること。配慮すること。譲れることは譲ること。

②夫婦の負の感情と親子は切り分ける
 相手への嫌悪感や拒絶感があったとしてもきちんと親子関係と切り分けて対応すること。

③ひとりで抱え込まない
 ひとりでなんでもできるとカッコつける自分をやめて、子どもにとってのベストを父親の意見を取り入れながら相談しながら育児をしていく。

この3つにたどり着くまでに5年近くかかりましたが、親同士関わっていくために大事なことだと確信しています。

■ご自身のこれからの夢やビジョンがあれば教えてください。

昨年、りむすびの講演会で自身の経験を話す機会がありました。以前だったらネガティブな気持ちが整理できずに泣いていたと思うけれど、気持ちを整理して話せて乗り越えたんだと実感しました。本来、人前で話すのが苦手なのですが落ち着いて気持ちに正直に話せました。
 
私自身は離婚してしまったけど、離婚には反対派。とはいえ、離婚をしたからといって、子どものために諦める人生ではなく、子どもとともに成長していく人生を送りたいです。
現在、大学院で経営学を学んでいます。まだまだ知らないことを学び、いろんな方々と出会って刺激を受けていきたいですね。

今後の再婚やパートナー選びについては、父親や夫としての立場ではなく、娘が自立した10年後に一緒にいたいと思える人、そして娘にとっても大人のモデルとして尊敬できる人と出会えたら素敵ですね。

人生まだまだこれから。何歳になってもやりたいことに挑戦して成長していく自分でありたいです。

取材・企画 一般社団法人りむすび

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