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笑顔

ふと思い立ってiPhoneで撮り貯めた写真の整理をしてみた。
ここ数年ライヴハウス通いを続けて来たことで他人と一緒に写真を撮る機会が多く、iPhoneにはふたりで、もしくは何人かで一緒に撮った写真がたくさん記録されていた。

それらの写真を見ていて気づいたことがひとつ。
写真に写る自分は全て同じ表情をしているということ。
大きく破顔する訳でもなく、かと言って無表情な訳でもなく、ただ同じような微笑みだけを浮かべて写真に写っている。いや、人によっては無愛想なヤツだなと感じるかもしれない。

ふと「子供の頃はどうだったのだろう」と思い、重たいアルバムをめくってみたのだが、今と同じように微笑む写真ばかりだった。さすがに幼い頃故に破顔している写真も何枚かはあったのだけど。
つまり自分はカメラを向けられた時、どう対処して良いのか分からないまま年齢を重ねてきたということになる。これは人生における大きな損失なのではないか。
自分も様々な表情で写真に収まってみたい。時が経って見返した時に思わず切なくなるような、より楽しい写真を残してみたい。iPhoneに残された写真を再度見ながらそんな風なことを思った。が、すぐに思い直す。元々根が明るいタイプの人間ではないから、その辺りが無機質にも似た微笑みとなって滲み出ているのではないか、と考えたからだ。

そんな写真の中で数少ない例外はふたつだけ。特に思い出深いのは昨年の初冬、自分が主催するイベントで友人と一緒に撮った1枚の写真のこと。
「あなたは何故いつも写真を撮る時、全然笑わないの??ならば」と撮影者がカメラを向けた瞬間に友人は自分をくすぐり始めた。しかも両手で。女性に全力でくすぐられるという初めての経験に素のリアクションを取った自分の姿は案の定大笑いしていて、それが見事に写真に収まっていた、というもの。半ば強引、でもナイスアイデアですね。

写真を整理していて気づいたことがもうひとつ。
2年前に撮った写真に写る自分より、最近撮った写真の自分の方が断然若く見えたこと。まるでボブ・ディランの歌のようだ、って思ったけれど、ごめんなさい。ただの気のせいです。

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