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トパーズ 求められたブルー

トパーズ Topaz

石言葉:希望、友情
石の力:創造性や感受性を高める
和名:黄玉(おうぎょく)
硬度:8
11月の誕生石


トパーズという名前はよく知られていますが、その色のイメージはあいまいなのではないでしょうか。
宝石店でよく見るブルーのイメージもあれば、和名を「黄玉(おうぎょく)」と呼ぶため黄色のイメージをもたれる方もいらっしゃいます。

トパーズはブルーやイエローの他にもピンク、グリーンなど様々な色が存在し、その豊富なカラーバリエーションもこの宝石の魅力のひとつです。


石の希少価値として高いものはインペリアル・トパーズと呼ばれるシェリー色(赤みのあるオレンジ)のトパーズ。
天然でとろりとした魅惑的な色の美しい宝石です。
主産地であるブラジルのドン・ペドロ皇帝にちなみインペリアル(皇帝)の名が付けられていることからも、その価値の高さがあらわされています。


ピンク・トパーズも希少性があり、ローズ・トパーズとも呼ばれ人気があります。
ピンク・ダイヤモンドや淡い色のルビーにも似ているため、非常に高価なそれらの宝石よりも手に入れやすいという面もあるのも事実ですが、トパーズのピンク色もその独自の美しさを放っています。
ピンク・トパーズは天然のものはごくまれで、多くは黄色のトパーズを加熱処理したものになります。


やはり一般的に人気なのはブルー・トパーズ。
透明感と色彩のバランスが美しく、他のブルー系の宝石として人気のあるサファイヤやアクアマリンとは違った魅力を感じさせます。

そのブルーの色合いにより、名称も三つに分けられます。


◆スカイブルー・トパーズ・・・淡く優しいブルー。澄んだ空のイメージ。

◆スイスブルー・トパーズ・・・明るく鮮やかなブルー。きらめく海のイメージ。

◆ロンドンブルー・トパーズ・・・落ち着いた深いブルー。霧のロンドンの夜のイメージ。


淡いスカイブルーから徐々に濃くなる形ですが、あくまでも大まかな基準となります。
市場価値としてはロンドンブルーが最も高いとされていますが、当然石の大きさやカットの良し悪し、石の表情の違いでその美的価値は変わります。
名称にこだわらず好みの石を楽しむことが大切かと思います。


現在市場で見られるほぼすべてのブルートパーズは、無色のトパーズに人工処理を施したものになります。
トパーズは天然のブルーが産出されることは少なく、宝石レベルの美しいブルーの石が見られることはほぼありません。

1970年代から宝石の人工処理技術が発展しますが、それまでのトパーズはイエローやブラウンが多く、決して人気のある宝石でなかったのです。

そのような中、放射線処理と加熱処理を組み合わせた方法で、美しいブルーのトパーズを生み出すことに成功。
トパーズの場合、人工処理された色は基本的に永遠となり、色あせることなく楽しめます。
そのため、一般的にもその方法は受け入れられ、ブルートパーズの美しさは広く知られるようになりました。

完全な天然ではないものの、科学によって美的価値を求めた人間の想いが自然の神秘と混じり合っていることも、ブルートパーズの魅力と私は感じます。

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