ギリシャの海で、おばあちゃんと意思疎通した話。

2013年の7月。

今からもう6年も昔の話になるんですね。

ギリシャのアテネに行きました。1週間の滞在。

色々と楽しい話があって、一度には書ききれないのですが、少しずつ小出しにしたいと思います。

今回は、現地のおばあちゃんとのお話。

当時のギリシャ。美しい街だけど、問題も見える。

そのころは、ちょうど、2012年あたりから、ギリシャがお金の問題で、国として破綻しちゃうんじゃないか、的な世論が高まっている頃でした。

日本でも連日、ギリシャ人遊びすぎー。EU的にもう助けるのムリー。マジ限界ー。みたいなニュースが多く流れました。

欧州連合(EU)などから、当時として確か300億ユーロくらい(3兆円くらい?)の追加融資を受けるために、ギリシャとして誠意を見せないと行けなくて、

そのために必要とされる財政緊縮関連法案を可決したりして、混乱が起きている頃でした。

要は、年金カットや税金アップ、給料ダウンといった、国民に負担を強いる施策が、毎月毎月改定され、日に日に締め付けが厳しくなっていく、とういうような状況。

昨日歩いた歩道が、今朝はデモの行進で人にあふれている。

ゴミ収集業者がストを起こしているから、路上に出されたゴミが回収されずに貯まりまくってハエや匂いがすごいことになる。

計画停電で昼間は1時間ほど停電。

パルテノン神殿へ向かう坂道の途中では、

お風呂に入れていないような少年が、靴も履かず、アコーディオンを演奏しながら空き缶への投げ銭を求める。

少女は絵葉書をカゴに入れ、観光客へ売り歩く。

政治的な話や背景をまとめようとすると、とても長くなるので、今回は触れません。でも、街はそんな状況でした。

夜は何時から?

さて、これはギリシャ、アテネのパルテノン神殿のある丘から見下ろした街の景色。

明るい。

確か夜の8:30くらいだったと思います。

だいたい夜の9時ごろから、街に人が出てきて、まったり過ごします。

レストランやバーでは生演奏の音楽が流れ、

でもそれが隣同士の店だったりするので、本当にカオス。

食事を楽しんだり、音楽に合わせてダンスをしたり、ゆったりとした時間が流れます。

海沿いの滞在先

滞在先は、裏手がそのまま海に繋がっているようなバンガローで、朝昼夜とビュッフェが付いているところでした。

海もあるけどプールもあって、その他にも色々とアクティビティが企画されているようなところ。

いつも朝7時ごろに起き、そのまま海へ。

ひと泳ぎして、8時半頃に朝食ビュッフェ。

食べ終わったら、まったりしたり、また海に行ったり。

夜はビュッフェ食べて、海辺のバーでゆったりして、星を見ながらぼーっとして寝る。

そんな日々を過ごしました。

とある朝のギリシャの海。

朝の7時半頃。

バンガローからタオルだけ持って水着で海に。

もう空は明るくて、でも、海にはまだ誰もいませんでした。

気温は27度くらい。水温は少し冷たいですが、朝は海が透き通っていて、魚が泳いでいるのも見えます。ゴーグルで魚を見ながら一緒に泳ぐ。

とても楽しい。

20分ほど泳いでいたところ、

浜辺の方から、現地のおばあちゃんが大声で何か叫びながらこちらにやってきます。

ギリシャ語で、大声で叫びながら、こちらに声をかけてきます。

私は、少し怖くなり、海の中で、おばあちゃんと距離を保ったまま、英語で何ですか?と尋ねます。

ギリシャ語で、手を上下に動かしながら、まくし立てるおばあちゃん。

何を言っているのか全く分からない。

何を言っているのか全くわかりません。英語は話せますか?と尋ねても、ギリシャ語で話し続ける。

何を言っているのか。口調的に、どうやら怒っているような印象を受ける。

浜辺に戻り、少し近づいてみる。5mほど距離を開けて立つ。

右手の人差し指で、左手首をトントンと叩いているように見える。

腕時計を差すようなジェスチャー。

あ、このおばあちゃまは、もしかすると、

「海に入っていいのは、朝の8時からですよ。だから、まだ危ないから入っちゃダメ」

というようなことを言いたかったのかな。と納得。

でも、昨日も一昨日も、朝の7時くらいに泳いでいたが、誰からも何も言われなかった。

というか、ライフガードの人ならともかく、この60歳後半くらいのおばあちゃまが何でこんな血相変えて注意してくるんだろう。

アグレッシブなおばあちゃまが襲いかかる。

朝泳ぐことを禁止はされていない。何も問題ない。と言い返す。

おばあちゃまは、ペチャクチャ話し続けるのをやめず、間を詰めてくる。

手を伸ばして、首のあたりをつかもうとしてくる。

いや本当に、むちゃくちゃ怖いこのババア。何なの。

正直もう帰りたい。

少しくらい英単語とか分からないの?!とイラっとしちゃうんだけど、

でも、向こうからしたら、ギリシャまで来て、何で少しくらいギリシャ語分からないの?!と思っているかも。。

全く意思疎通ができないまま、でも相手は喋るのをやめない。

閃いた瞬間。

ふと、おばあちゃまが、人差し指と親指を輪っかにして、両手でOKポーズを取って、それを目に当てるジェスチャーをする。

そして、自分の首元を指差す。

その瞬間。

あ!ゴーグルだ!この人が言ってるのゴーグルのことだ!

と気づいた。

ゴーグル?!ゴーグルのこと?!と興奮してゴーグルを持つと、

そうそう!みたいなリアクションが返ってくる。

うわ!

すごくヘレンケラーの気分。理解できた瞬間のこの感動すごい。

それから、おばあちゃんは自分の指の付け根を指差す。

そして、指をOKマークにして目に当てて、水面を見るようなジェスチャー。

なるほど。

おそらくこのおばあちゃまは、指輪を海の中に落として、それを探したいのでゴーグルを貸して欲しい。と言っているんだ。

早速、ゴーグルをかけて潜り、周囲を探して見る。

どうしても見つからない。

無くしたのはこの辺りなのか?聞いて見る。

確かに、この辺りだとのこと。

何度か潜って、見て回るが、どうしても見つからない。

いつ落としたのか聞いて見る。

昨晩ご飯を食べた後、海に行って、浜辺を歩きながら、

時々水の中に入って波をパシャパシャしたり、足で蹴ったり遊んでいたらしい。

そして、部屋に戻って寝て、

朝起きてみると、指輪がなくなっていることに気づいたとのこと。

いつ無くしたのか全く覚えていないが、恐らく昨晩、海の中で遊んだ時だと思う。と。

だから、頑張って朝から戻って来た。

戻って来たものの、海の中を探すのが難しい。

そこで、あなたの水中眼鏡を貸してもらえたら見つかるかもと思った。

とのこと。

なるほど。

とても大切な指輪のようだ。娘に買ってもらった指輪のようで、これまで無くしたことがないのでとても悲しいとのことだった。

それからもう少し、何度か潜って探してみるが、どうしても見つからない。

一晩経てば、波の流れで指輪などの小さなものは、流されるか、砂に埋もれてしまう。

水中眼鏡で探しても、見つからないだろう。

本当に、助けてあげたいけれどすみません。警察などが、金属探知機みたいなもの持ってそうだから、聞いてみたらどうか?

と伝え、本当に力になれずすみません。と謝った。

すると、おばあちゃまは、いやいや、一生懸命手伝ってくれてありがとう。しょうがないけどあきらめるわ。

と、悲しそうな笑みを浮かべて、バンガローの方へ返って行った。

それからも、少し範囲を広げ、海の底の砂をかいて、探してみる。

やはり見つからない。

そろそろ朝食ビュッフェの時間だし、しょうがないので諦めて、その日の朝の海の出来事は終わった。

あれ?!

それから朝食を食べながら、

朝の海で起きたことを、一緒に滞在している人に伝える。

それは残念。

指輪、思い出の品なら金額とかじゃないもんね。

という話をする。

おばあちゃま。今はどんな気持ちなのかな。

と、空を見上げる。(死んでない)

おばあちゃまの気持ちに反して、雲ひとつない、澄んだ空が広がっていた。(死んでいない)。

と。

そこでね、

ふとね、

思ったんですよ。

あれ、自分おばあちゃんと会話してたわって。

昨晩海に来てそこで指輪無くしたとか。

娘にもらった指輪だったとか。

あれ?!

最初何言っているか分からなくて、

何このババアって思ってて、

それがゴーグルのことを言っているんだってわかって。

それから、指輪を探しているってわかって。

娘さんがいて、その娘さんに貰った指輪だって。

あの時は探すのに必死で、

可哀想だから探すの手伝わなきゃって、

探しながらもっと情報欲しくて色々聞いてたんだけど。

でも、そういえばおばあちゃまが話してるのはずっとギリシャ語だったし、

自分が話してるのはずっと英語だった。

あれ?

自分どうやって、

おばあちゃまが昨晩海で遊んでる途中に無くしたこととか、

その指輪が娘さんのプレゼントだったとか、

分かったんだろう。

すごいむちゃくちゃ不思議!

魂で会話してた!

だって、あの瞬間は、全く違和感なく、おばあちゃまが何を言っているか理解できたもん。

そして、自分が言っていることも、おばあちゃまは理解できてたみたいだった。

すごい。。

こんなことってあるんですね。

言語を超える瞬間。

言葉ってね、大切なの。

英語が話せると、国関係なく、話せる人が増える。

会話できる相手が増える。

でもね、

本当に、伝えたいとか、理解したい、と感じて、相手と向き合った時に、

英語が話せるとか、現地語が話せるとか、そんなの、全く関係ない瞬間があるの。

心が通じる瞬間。

言語を超えて、理解が届く瞬間。

そういうのを感じたら、

自分が英語をどれくらい話せるとか、

今ここがどこの国で、相手が何語を話すのかとか、

何にも怖くなくなる。

自分の英語力は、あまり大したことないと思う。

単語力も弱いし。

でも、

ギリシャで現地のおばあちゃんが無くした指輪を探してあげることはできる。

それで十分。

みなさん世界に出て行きましょう。

英語力関係なく、

もしかすると英語力弱いほうが、

魂で理解する瞬間の、

あのヘレンケラーになったような瞬間の、

感動を体感できるかと思う。

ね、こんな経験したことある人います?結構いると思います。

ギリシャの海での、そんな、面白い体験。

おわり。

























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きょうへいちゃん(吉本恭兵)

CEO of LuckBook Inc. /海外にいながら日本の高校卒業資格を取得できる教育サービス「+Plus-Degree(プラスディグリー)」を世界で展開 /「ひきこもり先は、世界です」/不登校や留学や海外生活での進級・進学の不都合に、新しい選択肢を!
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