~バフェットの投資手法~永続的競争優位性を持つ企業への投資・概要編

■概要

バフェットが生み出した投資手法。

財務諸表(損益計算書・貸借対照表・キャッシュフロー計算書)から、永続的に競争優位性を持っている企業を見つけ出し、長期投資する。

企業の主要ビジネスの内容を理解するのが特徴。

■メリット

・どのタイミングで購入しても良い。下がるのを待ったりしなくていい。長期的には株価が上昇していくので、わざわざ株価が低くなるのを待つ必要がない。株価が安くなっていなくても、適正な価格であれば購入すればよい。

・頻繁に売買する方法と違い、キャピタルゲイン税(20.315%)がかからない。

・破産リスクが低い。

・株価が低いほど、後に得られるリターンが大きくなる。(それが長期的な競争優位性を持つ企業であれば)

・仮に市場が過小評価している株でも、そのうち市場が適当な評価をすることで株価上昇が期待できる。

■どんな企業が永続的に競争優位を持ちやすいか

◎消費者の心の一部を所有している企業。

どのような企業が消費者の心の一部を所有しているのか。
以下の3つに絞られる。

1、他にはないユニークな製品を売っている会社
コカコーラとかバドワイザーとか。(米国の本なので例えが米国企業です)
仕事終わりに、ビール飲みたいなとなってまず初めに思い浮かぶメーカーがバドワイザー。コーラ飲みたいなと思って初めに思い浮かぶのがコカコーラ。(こっちは分かりやすいかも)

2、他にはないユニークなサービスを売っている会社
アメックスとかサービスマスター(米国の家事サービス)とか。(日本ならJCBとか?)

3、一般大衆から安定した需要がある製品・サービスを低コストで仕入れて低コストで販売している会社
コストコとかウォルマート、鉄道とか。(日本なら業務スーパーとかも当てはまる?)

■なぜ上記で挙げた特徴を持つ企業が永続的に競争優位を持ちやすいのか

1、他にはないユニークな製品を売っている会社
既存製品で消費者の心を掴んでいるので、製品の大幅な変更を行わなくて良い。その分研究開発や設備投資にかけるコストが減る。
また、ブランド力があるので競合他社よりも高く多く製品を売ることができる。

2、他にはないユニークなサービスを売っている会社
物質を売っていないので、ビジネスデザインの変更でコストがかからない。
設備投資(工場や倉庫)にコストがかからない。

3、一般大衆から安定した需要がある製品・サービスを低コストで仕入れて低コストで販売している会社
薄利多売で利益を得る会社。
安く仕入れて安く売る。安く売るから消費者の心を掴むことができる。
買い物等で自然とファーストチョイスになる。

■永続性を生み出すもの

永続的競争優位のうち大事なのは、永続的の部分である。

何が永続性を生み出すのか?

それは、一貫性である。

コカコーラの場合、同じ商品を122年も売っている。
商品を修正する必要がないので工場の設備を更新するのに少ない金額で足りるし、研究開発に資金を費やす必要もない。

売上貯まって出ていく金が少ないので余剰金が大量に生まれる。
余剰金があるから大きな負債を抱える必要がない。
そのため利払いも少なくて済む。

余った余剰金は、事業拡大や自社株買いに回せるので収益と株価が向上して、それが株主に還元される。

このように一貫性を持つ企業が永続的な競争優位を持つので、スーパースター企業を財務諸表から見つけるのである。

■次回に向けて


ここではバフェットが生み出した投資手法の概要とメリットが中心であった。次は具体的に財務諸表のどの部分から何を読み取るかという話をしたい。
次回への前提知識として、財務諸表(損益計算書・貸借対照表・キャッシュフロー計算書)の簡単な説明を書いておく。

損益計算書
特定の期間にどれだけ金を稼いだかわかる。(四半期とか年間で企業から出ることが多い。)

貸借対照表
企業の預金額と借金額がわかる。資産と負債と純資産の部に分かれている。
資産から負債を引けば純資産になる。


キャッシュフロー計算書
現金の出入りを追跡できる。具体的に何にどれだけお金を使っているかわかるので、企業の方向性がわかる。

ここは重要な部分だが、いずれの財務諸表にしても、ただ数字を追うだけではなくて、その数字に隠されている機微を読み取ることがとても大切である。


ここまで読んでいただきありがとうございました。😄


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