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ナッジを協会の活動や運営に応用しよう

「ナッジ」という言葉をご存じだろうか。
「ナッジ」とは、おおざっぱにいうと、
人間の心理を利用して行動を促す、さりげない仕掛け・優しいテクニック
を指す。
強制ではない、さりげなさや優しさがポイントとなる。

イソップ物語の「北風と太陽」でいうと、太陽がポカポカと温めたことにより旅人がみずから上着を脱いだ。
あれがナッジだ。

身近な例をあげると、

  • 店舗のレジ前に足跡マークがついていると、人々が勝手に並ぶ

  • 階段に「この階段を上るとxxカロリーが消費される」と書いてあると、人々は階段を使う

  • スーパーの棚に並ぶ商品のうち、目の高さに置いてあるものが最も売れる(これを逆用して、最も売りたい商品を目の高さに置く)

  • 電気代の明細書に他人との比較を入れておくと、節電意識が高まる

  • 皿を小さくすると食べすぎが減る周囲の音を下げると食事の咀嚼回数が増える

これらも典型的な「ナッジ」。

もともとは「肘でそっと突く」という意味の英語から来ている言葉だ。

「ナッジ」にはこういう例もある。
有名な話なのでご存じの方も多いのでは。

環境問題に取り組むあるNPOが、ロンドンの街からタバコのポイ捨てをなくす工夫として、「吸い殻を入れて投票する投票箱」を設置した。
現在、世界最高のサッカー選手はだれ?
A:ロナウド
B:メッシ

という質問が書かれた投票箱を置き、吸い殻を入れて投票するもの。
するとロンドンの喫煙者たちは吸い殻を使って投票するようになり、タバコのポイ捨てが大幅に減った。

「ナッジ」はおそらく協会にも応用できる。

「ナッジ」の考えかたを取り入れると、ほんのちょっとした刺激や工夫を使って、上手に人を誘導できるようになるのではないだろうか。
「気持ちよく操る」というと誤解を呼ぶかもしれないが、でもきっと、「気持ちよく操る」は当たっていると思う。
苦い薬を飲ませるためのシュガーコートにも似ている。

そこで、しばらくのあいだ、「ナッジ」をテーマにした記事をお届けしようと思う。
ナッジの種類や効果、応用例などを紹介しながら、ナッジの背景にある心理学的な原理を解説していく。
最終的には、筆者自身も自分でナッジをいろいろと考え出せる頭になりたい。

ナッジを学ぶことで、協会の設計や運営が大きく変わるかもしれない。
ナッジは会員の行動をこっそり方向づける、強力なツールになりうるからだ。




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