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ピアノ・アゲイン④ ~幸せなこと

去年10月から習い始めたピアノのレッスン。今はドビューッシー「月の光」を練習しています。冒頭テーマ部分を私の楽曲「一人が好き」の中に取り入れていますが、その先も弾けるようになりたいなと思って。

40年続けて来たポップスは自己流の極みのようなところがあり、自分の音楽世界を広げるような作業でした。自己満足にならないように気をつけて来たつもりですが、なにせ自分で曲を作っているので、そこは誰にもわからないところです。自己満足がキャラクターになったりもしますし。

でもクラシックは過去の作曲家のものであり、作曲家の意図が譜面にきっちりとあるのが普通です。(ない場合も多々ありますが。)アクセント、スタッカート、ピアノ、フォルテ、速く遅くなど。それらをまず忠実に演奏するのは訓練になりますし、ものすごく新鮮で楽しいです。こんなことを音大時代に感じたことはありませんでした。

書道家のお友達にこのことを話したら「それは習字で言ったら臨書だね」って言っていました。自由に自分を表現する書ではなく古典の手本を観て書くのが臨書です。そこには一旦自分の癖を消す作業が必要。自分の癖がたまたま天才的に活き活きとした良い線を出せるならよいのですが、そうではない場合が多いです。茶道も細かい決まり事があり、お茶を入れるなんて、ちゃーっとお湯を注いでささっとかき回してすぐに出来るじゃんと思いますが、自分を滅してお作法を守る心に意味があります。

「のだめカンタービレ」の中でのだめが「何でピアノを好きに弾いちゃいけないのぉ~~~?」と問いかけますが、私だったら一旦「型」を身体に入れてからね!とのだめに今なら答えることが出来ます。「型」が十分に体に入ってからのくずしは深みになりますが、最初からくずすとお行儀の悪い浅はかな感じが何となく出ます。あのピカソでさえも若い頃はデッサンをちゃんと勉強していると言えばわかりやすいでしょうか。クラシックバレエも必ずバーレッスンがあるとか。

「月の光」のレッスンも最初に譜読みして行った時には、先生にこてんぱんにやられました。ドビュッシーの時代背景、ロマン派とは違うペダル使い、譜面にフォルテはないことや、最初はきっちりメトロノームで弾きなさいと。「表現」はその後と言われました。感情に任せて気持ちよく伸びたり縮んだり好き勝手に弾いたからです。

この感情もなかなかやっかいなファクターです。今は感情を込めて曲に入り込み藤田真央さんのように身体を自由に動かした時の音と、ユジャ・ワンさんのように体幹ばっちり保って淡々と弾く時の音色の違いを検証中。これについては自分のヴォーカルでも考えたりします。私が好きなのは顔色ひとつ変えずに歌う「山口百恵」スタイルの方が好みです。その方が観客としては曲に浸れるような気がしますが、、、それともあなたは「中森明菜」派?

と、こんな風にピアノの勉強を楽しんでいます。

ピアニスト藤田真央さんを育てた野田稔先生の言葉を噛みしめています。
「音楽を勉強しつづける人生以上に幸せなことがあるだろうか。」

「月の光」少しだけ動画をとりました。遠藤響子Xやインスタなどで見てね!

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