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音楽祭に行く計画を立てるとしたら

 海外遠征をおすすめするからには、自分の体験をベースに具体的な一例を簡単にご提案したいと思う。

 2021年のある日、私の内側からそろそろフランスやヨーロッパ各地に行きたい!と、海外旅行欲がムクムク湧いてきた。日本に引越して以降はバリやハワイにばかり行っていて、フランスなんて10年以上行っていない。ヨーロッパの旅の作法(?)をすっかり忘れてしまって、何から手をつけたら良いのやら。旅慣れている友人に相談してみると
「まずは宿と足だよ」
と即答が返ってきた。ついでに候補の宿をいくつかピックアップして送ってくれたので、そのまま勢いでホテルを予約した。キャンセルは直前になってからでもできる。
ホテルが決まると、ただの欲望だった旅行が現実味を帯びてきたので、更なる勢いに乗ってフライトも予約した。キャンセルならいつでもできる(笑)と、おまじないのように何度も自分に言い聞かせて。
因みにその時、日本ではいよいよコロナ大流行。フランスでは指数関数的な勢いで感染が広がり、ワクチンパスがないとカフェにもレストランにも入れないという状況。
なんの根拠もなかったけれど、「きっと私が行く頃には大丈夫だろう」と楽観視して、コロナの状況は気に留めずに旅の準備を進めた。

 まずは足。例えば日本からフランスのラロックダンテロンのフェスティバルに行くのであれば、パリに着いたらエクサンプロヴァンス(以下、エクス)までTGVで移動して、エクスのバスターミナルからラロックまでバスで行くルートが一番安全で便利。パリの空港から直接エクサンプロヴァンスに行くTGVもある。
電車でのアクセスは↓
①パリのリヨン駅(または空港のTGV駅)→エクサンプロヴァンス駅 : 所要時間3時間強 料金は片道59ユーロ
②エクサンプロヴァンス駅→エクスのバスターミナル 所要時間バスで20〜30分
③エクスのバスターミナル→ラロックダンテロン ローカルバスで1時間(本数は1時間に1本)

という感じで特に難しいことはなく、ラロックの街中まではたどり着く。そのあとはgoogle mapにたよるしかない。

 次に宿。ホテル代はプロヴァンス地方ならパリに比べれて若干安いけれど、それにしても結構高くつく。平均2万〜3万なら朝食付きで冷房付きの部屋を予約できると言った感じ。もっと安いホテルもあるけれど、冷房の有無は要チェック。朝食は近くのカフェでも食べられる。
ラロックの音楽祭を聴くからと言って、ラロックにずっと滞在する必要はなく、エクスのホテルを予約&滞在して、午前中や夜のコンサートにバスで通うことも可能だ。ローカルバスで移動は1時間だし、会場とエクスを往復する音楽祭専用バス(navette)のサービスがあるはず。エクスを拠点に南フランス・プロヴァンス地方を周り観光しつつ、夜はNavetteで音楽祭を聴きに行く…というプランも素敵だと思う。
ラロックは観光要素が少ないし、わかりやすいフランスらしさを味わえるような街ではないので、ここだけしか見ないのはあまりにも勿体無い。

エクスは水の街。噴水があちこちにある
エクスの広場
エクスの駅。階段の下にバスターミナルまで連れて行ってくれるバスの乗り場がある。


 注意点としては、TGVは早めに予約すれば安い席を購入できるが、出発の直前には高い席しか残っていなかった。ただし安い席はキャンセルや変更が不可能だったり、あるいは幾らかプラスで支払えば変更可能だったり、チケットのカテゴリーによって条件が違うので確認が必要。TGVの席はSNCFのホームページからオンラインで予約できる。そして、あちらは完全チケットレス。
またホテルは日本と違い、宿泊人数が一人でも二人でも一部屋の値段はほとんど変わらないことが多いので、二人で泊まった方がお得ではある。

 飛行機は直行便か経由便かで、値段が変わってくる。日本からのフライトは、夏のピーク時で往復25万前後であれば理性的な範囲だと個人的には思う。時期によってはそれ以下もあるし、マイレージがあれば燃油サーチャージ分だけ支払えばいい。燃油サーチャージは先月の4月以降、ピークアウトして下がってきている。飛行機のチケットは、早めに購入した方が安いカテゴリーの席を確実に予約できる。社会情勢が値段に反映されている燃油サーチャージ問題。私がフライトを予約した時は往復で3万5千円程度だった燃油サーチャージは、実際に旅立つ頃には往復10万近くまで値上がりしていた。早めに購入してしてあったことは本当に幸運だった。旅の準備は早め早めが節約のコツ。

仮にラロックダンテロンの音楽祭を聴きに1週間の旅行を計画すると、大雑把な予算は以下のようになる

🔸飛行機代 往復25万(もちろん幾らまでなら許容範囲かは個人の判断)
🔸TGV とローカルバス 往復2万前後
🔸ホテル 一泊2万5千円×宿泊数 仮に6泊で15万
ここまでで大体42万
🔸音楽祭のチケット 一公演45ユーロ前後(一番高い席で)×公演数
仮に3公演購入すれば18750円(1ユーロ145円計算)。
ーーーーー
合計438,750円

ここに海外旅行保険、レストランでの食事代、お土産代、タクシー代、観光用お小遣いなどが特別費としてかかり、それを除いた生活費の目安は1日5〜6千円ぐらい。
かなり大雑把な見積もりだけれど、50万円貯めれば夏のハイシーズンに開催される音楽祭を聴きに行くことができる。超贅沢とは言わないまでも、快適に、そして不自由なく個人旅行することを前提としているので、ホテルや飛行機代、毎日の生活費はもう少し安くできるかも。

 50万円という金額をどう考えるかは人によると思うけれど、日本のコンサートとは格段に違う体験が待っている。クラシック音楽の本場で音楽祭に参加できて、トップアーティストの演奏会を聴くことができ、その上素敵な海外旅行(フランスであれば美味しいワインや食事やスイーツ)までついてくる。旅行前に語学の勉強をするかも知れないし、ヨーロッパの人たちと一緒にコンサートを聴いたり、向こうの人たちの音楽との付き合い方や楽しみ方、アーティストとの接し方までを知ることができたら、最高の自己投資ではないかなー。

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