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ヴェルサイユ宮殿の晩餐会

まるで映画のワンシーンのような晩餐会。
先月、イギリス王室のチャールズ国王夫妻がフランス訪問した際に、ヴェルサイユ宮殿の「鏡の間」で晩餐会が開かれました。鏡の間の正式名称はGalerie des Glaces と言うので、直訳すれば「鏡の回廊、鏡の廊下」。国王がお出ましになって来賓をお迎えする場所だったと聞きましたが、細長い形の部屋でしょう?観光で友達を連れて行くたびに
「ここって、シャンデリアがぶら下がってるただの廊下じゃないの?どうやって使っていたんだろう。」と全くイメージわいていなかったのですが、こんな風に晩餐会が開かれることもあったのかも知れませんね。

チャールズ国王を招いた晩餐会の様子

また、第一次大戦後のドイツとのヴェルサイユ条約の調印はこの「鏡の間」だったそうです…

晩餐会のメインの料理を担当した女性シェフはAnne Sophie Pic 。パリの他にローザンヌにもレストランがあり、ローザンヌの店はパリより安いと聞いてこの夏予約しようかと迷ったのですが、円の暴落が怖くて思いとどまったのでした😢デザートはピエール・エルメの代表作である「イスパハン」だったとか。

ところで、ヴェルサイユ宮殿での晩餐会に、2人のファーストレディはイギリス王室のオフィシャルカラーであるロイヤルブルーのお召し物で登場。
カミラ夫人は大好きなブランドのクリスティアン・ディオール、ブリジット・マクロンはお気に入りのルイ・ヴィトンのドレスだったそうです。もちろん、招待客の中にはベルナール・アルノー夫妻のお姿もありましたよね。余談ですが、マクロン大統領は大統領就任後にパリ音楽院の名教授であった、ドミニク・メルレ先生のマスタークラスを聴講したり、シラク元大統領の国葬でバレンボイムにピアノ演奏を依頼するほどのピアノマニアで知られています。

★シラク元大統領の葬儀で演奏するバレンボイム

大統領の音楽好きもあってなのか、この日はLVMHグループから楽器を貸与されているヴァイオリニストのロザコヴィッチ(まだ22歳)が、晩餐会に先駆けてヴェルサイユ宮殿のRoyal Chapelle で10数人の招待客と大統領夫妻、国王夫妻の前でヴァイオリンを演奏したそうです。セリーヌ提供のスマートなスーツがピッタリとフィットした、素敵なお写真がインスタに上がっていました。ロザコヴィッチはヴェルビエで去年、今年と続けて演奏を聴く機会があり、その素晴らしい才能に驚きました。2024年には来日して、読響と共演があるはずです。

★こちらの動画はシャペルでチャールズ国王やマクロン大統領の前で演奏した時の様子のようです。


★晩餐会とは関係ありませんが、ブリジット・マクロンの活動の一つである「l’Operation pièces jaunes」(黄色いコイン活動)という基金のガラコンサートで演奏したロザコヴィッチとカントロフ。


マクロン大統領の24歳年上になるブリジットさんは、ほとんどお母さんみたいで最初はびっくりしましたが、大統領2期目に入ったあたりから見慣れてきました。彼女についての本を読んだことがありますが、ただ隣にいるだけの人形ではないことは確かです。
高校の先生時代は生徒たちに慕われていて人気の高い先生であったと言われていますが、地元の名家の出身であるため、スキャンダル(?)にはだいぶ家族は振り回されたようです。
マクロンが大統領選に出ると決まってからは、プライベートな時間を使っての人脈作りをがっちりサポートしたそうです。その頃は外国にはいっさい同行せず。現在でも同行するのは彼女が能力を発揮できると思う教育関係、文化関係、女性問題、厚生問題など限定しているようですね。
マクロン大統領はあと4年で任期満了ですが、まだ若いので時間を空けてまたエリゼ宮に戻ってくる可能性もなきにしろあらず?と期待しています。


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