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『COCOON』 今日マチ子

神戸にある沖縄本の本屋さん「まめ書房」にて購入。(素敵なお店だった)ひめゆり学徒隊に着想を得て描かれたという思春期の女の子たちのお話。

今日マチ子さんの漫画を読むのは初めて。抒情的で思春期の女の子たちが丁寧に描かれている。でも、少女漫画には不得意なことがあるなあ、と思った。例えば、被弾してお腹からでてしまったはらわた。盗賊が跋扈していた時代のお坊さん漫画でも思ったけれど、少女漫画の世界で切った張ったを描くのはちょっと難しい。どのくらいリアルに描くのか。どのくらいの表現が必要なのか。水木しげる、『はだしのゲン』レベルのリアルさが要るとは決して思わないけれど、絵という手法を使うなら、何が起きているのか、何を描いているのかが伝わったほうがいい。それか、演出でどうにかするか。そう思うと戦争漫画である、こうの史代の『この世界の片隅に』はすごかったなと改めて感じる。(少年漫画にも向き不向きがあって、ヒロインが毎作同じ顔をしていたり、服装がダサかったりする。)

そう、私の感受性、読み取り力が足りないのかもしれない。一つ提案。この漫画を中学校、高校の図書館においてほしい。「わ~漫画だ~!」とうっかり手にとる子がいるだろうし、登場人物と同年代の学生たちならきっと色々なことを感じ、想起してあるべきように受け取ってくれるんじゃないか。この本のタッチポイントが増えて、多感な人に届くように、そして来る夏に戦争のことに思いを馳せる機会が増えるといい。

漫画264 COCOON


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