ぐるぐる

『ぐるぐる博物館』 三浦しをん

MAY 25, 2018 Instagram掲載

「石ネーム」(石上、石垣など)が解説員についている奇岩博物館、イスラム過激派によって大仏を破壊されたバーミヤンの仏像を「お父さん、お母さん」と慕って大切に守っていたのも地域のイスラム教の人々だと力説して案内してくれる仏教文化財の龍谷ミュージアム、人による解説を大切にすることで来館者への印象を深めようとする雲仙岳災害記念館…

三浦しをんさんによる、全国の博物館訪問記。
しをんさんが展示品を見てワクワクするのが、よく伝わってくる。そして彼女の俗っぽい感想が、すごく敷居を下げてくれる。(すっごい褒めてる)
しをんさんは、博物館の人から解説を聞きながら、彼らの並ならぬ情熱に驚きながら、時につっこみを入れながら、新しい世界を知っていく。そしてこう締めくくる。

「なにか」のために生きる。それが生まれて死ぬ意味なんじゃあるまいかと、各博物館の圧倒的な展示品を見るたび胸打たれ、やけに壮大な物思いにふけってしまった。

しをんさんもかなりの愛と情熱、そして執着の人で、そこから生まれた、辞書編纂や人形浄瑠璃、同人誌といった小説と、しをんさんが私は好きだ。

この前に読んだ、穂村弘さんの読書日記。この中で穂村さんがマンガや本にときめいてる様子が好きだ。
私の職場には、ゲームの発売日に休む人とか、ゲームをしてると週末は日曜の昼に一食だけとか、コスプレを嗜んでるからハロウィンの時にセーラームーンのコス(パニエに電飾を仕込んでいる)とか好きなものに異様な情熱を注ぐ人がいて、かわいいなあ、よかったねぇと思う。(そしてそういう人の話は面白い)

うん、自分もそっち側…と自覚した。
平日しかやってない「ボタンの博物館」に有給とって行こうと思う!

13. ぐるぐる博物館


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