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音楽体験の忘備録①

子どもの頃から、休日の家の中や親が運転する車中はビートルズやレッドツェッペリン、はたまた高中正義やアースウインド&ファイヤーがずっと鳴っているような家庭に生まれ育ったせいで、ミスチルを覚える前にイエスの危機を完璧に頭の中にインプットさせてしまうという音楽の英才教育を私は受けてきた。
もちろん、Jポップを聞いていた時期もあるし、初めて買ったCDは可愛らしくモーニング娘だったけど、やっぱり物心がついて自らの意志で音楽を聴くようになると、自然とプログレだの、ニューウェイブだのマニアックなものを好むようになってしまった。高校生のとき、ゆらゆら帝国と戸川純を聴いて衝撃を受け、それからしばらくは日本のいわゆるアングラ界隈にハマっていた時期もあるが(人間椅子や四人囃子もこの頃聴いていた)様々なジャンルの音楽に触れ、そこそこ育ってきた耳で二十歳くらいの頃改めてビートルズを聴いて、「やっぱこれが最強やん」となったのである。ビートルズは本当にすごい。奇跡としか言いようがない。それについてはもう色んな人が語りつくしている。
子どもの頃から散々聴いてきた音に再度衝撃を受けた私は、それ以降60~70年代ロックの音楽の海の大航海に出るのである。この頃めちゃくちゃハマったのは、ビートルズ、ツェッペリン、ストーンズ、イエス、デヴィッドボウイ、ピンクフロイド、ドアーズ、、このあたり。並行して、グランジやオルタナ、ブラーやオアシスなどの90年代ブリットポップにも当然手を出してはいた。そしてこの時代、まだSpotifyなんかのサブスクリプションは無かったので、これが聴きたいとなったら、ツタヤの10枚レンタル1000円キャンペーンの時を狙って、大量に借りに行くのである。梅田の堂山にあったツタヤには大変お世話になった。(今はスギ薬局になっている。。。)ただ、クラシックロックに関して言うと、ほとんどの音源が実家にあったので私はほぼタダで音楽を聴くことができた。父には本当に感謝している。最近の子はSpotifyやYouTubeで音楽を聴くことが当たり前になっていると思うけど、それはあまりよくない。一枚のアルバムを手に取って、ジャケットを眺めるところから始めてほしい。昔はそれがレコードだった。正直に言うと、私はサブスクは無くていいと思っている。音楽の価値が下がっているだけのような気がしてしょうがない。
話が逸れた。そんな感じで順調に私の耳は育っていった。そんな私を見て、父は音楽のディスクガイドやムック本を貸してくれた。音楽は聴くだけじゃなくて、その時代の背景やアーティストの意図が分かるとさらに面白いのだということを教えてくれた。どんどん音楽にのめり込み、ついに、私はロンドンとリヴァプールを、ビートルズを巡る旅に出てしまったのである。この旅行についてはまた機会があれば別の投稿で。
ところで、こんな古い時代の音楽が好きということを、私はあまり職場の人や友人には打ち明けていない。ごく一部の本当に親しい友人だけには伝えている。かなり頑張っても、「オアシスが好き」くらいだ。「フロイドの狂気リマスター聴いた?」なんて言っても周囲に理解してくれる人はいない。だから、Twitterという存在があって良かった。SNSはそういうところが良い。そういえば昔、「今日は一日プログレ三昧」という24時間だったか一日中プログレを流す番組に、「こんなに仲間がいて嬉しいです」というような内容の投稿を尊敬する山田五郎さんに読んで頂けたことがあった。「君はひとりじゃない!」と言ってもらえた。この先自然に出逢う人の中に、果たして何人、プログレ好きなどいるだろうか。
とはいえ全く仲間がいない訳ではない。お世話になった先輩の旦那さんが、大阪のとある場所でバーをやっているのだが、その方は今まで出会った父以外の人間の中で一番音楽に詳しい。生きていたらそんな出逢いもある。
話がとっちらかってきたのでこの辺でいったん終了。ジャズ・フュージョンに目覚める編も書けたら。もしここまで読んでくれた人いたら有難うございます。


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