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【入門編】マクロでみるNFTの本質

【内容の要約】

ピカソやゴッホの作品には鑑定書がついていて、本物だとわかる。デジタルアートには、鑑定書が無い上にコピー可能なので本物がわからない。
それではデジタルアートに鑑定書をつけましょうというのは当然の流れ。
しかし、デジタルアートはiPhoneがあればだれでも生み出せるので、無尽蔵に作品が発表され、それを旧来の鑑定組織を立ち上げて人が鑑定する方法は不可能だ。
NFTとは、デジタルアートに鑑定書をつける事が出来るという技術だ。
NFTマーケットとは、鑑定書付のデジタルアートが売買されるマーケットの事だ。代表的なNFTマーケットはopensea等がある。
このようなデジタルアートに鑑定書をつける技術が可能になった事で、今後鑑定書なしのデジタルアートは価値を失い、本物でも鑑定書なしのものは偽物扱いされる可能性がある。
今後多くのプラットフォームにはNFT添付機能がインフラとして実装され、ツイッターもインスタも、アップすれば鑑定書が付くようになると思われる。
PCで作品を発表しているアーティストは、素人もプロも、デジタル発信にはNFTでの根拠づけが必須になるだろう。

【本題】

これまで多くの人が価値を感じる事のなかった作品が、高額で取引されたというニュースが先行し、俄かに盛り上がりを見せるNFTマーケット市場であるが、地道に本質的な活動を続けてきたアーティストの中には、地に足のついていない値付けとアートの価値がわからない札束野郎どもが跋扈するこのマーケットに懐疑的な視線を送る方々も多いはず。

今回は、「NFT=怪しい」と思っている方向けに、NFTの本質的理解を深めてもらう為に書きます。

1.アートは贋作との闘い

アートは贋作との闘いだ。アートの価値が高ければ、それだけ贋作の数も多くなる。そのため、ピカソの絵もゴッホの絵も、鑑定書が無ければ正当な価値での売買は出来ない。

リアルでのアート作品には美術業界や作家の関係者が設立した公的な鑑定機関が発行した、真筆の証明書が添付され、この鑑定書と呼ばれる証明書が価値を担保している。

作者から直接購入するのであれば、鑑定書はいらないのではないか?
もちろんそうである。なので、鑑定書は基本的に作者の没後に鑑定期間が付ける。例外はあるが。

2.デジタルアートはコピーとの闘い

インターネットと付随サービスの進歩により、デジタルアートの領域が急拡大した。デジタルアートはデータとしてコピーする事が容易である為、コピーと原作との闘いがしばしば勃発する。

3.デジタルアートに鑑定書をつけよう

コピーとの闘いに終止符を打つには作品に鑑定書をつける事である。しかし、無尽蔵に発表されるデジタルデータに鑑定書をつける行為は人間には不可能だ。トイレの落書きにまで鑑定組合が鑑定をする事が出来ないのと同じだ。
しかし、システムとして鑑定書を発行する事が可能になった。ブロックチェーンを活用して作品にトレーサビリティ(誰が作って、誰が保有している、保有してきたという履歴)を持たせる事で鑑定書とするNFTという技術だ。

4.NFTはインフラであり、特別なものではない

アート作品に限って言えば、鑑定書なのだが、NFTは鑑定書の発行が自動化できる為、作品に限らずすべてのデジタル発信に添付されるべきものだろう。それは文字列であっても同様だ。
Twitterからの引用文やニュース記事の引用においても、もとのツイートにNFTが設定されていれば、情報ソースはNFTアドレスをたどれば真偽は明らかになる。

5.嘘を嘘だと見抜けない人でもインターネットが使えるように

嘘を嘘だと見抜けない人には、インターネットは住み辛い世界だが、NFTは彼らでも快適な生活が出来る世界を作る可能性がある。発言の情報ソースの真偽がNFTによって明らかになれば、誰でも嘘は嘘だとわかるからだ。
その為、多くの自己発信系プラットフォームはNFTの実装を進めるだろう。
Twitterもインスタグラムもnoteの記事も、発信と同時にNFT設定が済んでいれば、発信者が知らないうちにNFT化していて、引用する時にソース入力部にNFTアドレスを設定するだけで引用の真偽は明らかに出来る。

6.音声のNFT化はまだ先になる

音声のNFT化はまだ先になる。音声データのNFT化はすぐに出来るのだが、音声の内容をコンテクストとしてNFT化する事は難しい。
現在音声発信市場が盛り上がっているが、これは本来の盛り上がりの前段階にあり、本来の盛り上がりは音声検索機能の実装後である。
喋った内容が意味のあるテキストデータとしてデータベース化され、文字列検索だけでなく、抽象検索時に抽象的な会話内容から合致する会話内容がマッチされて検索結果として表示されるようになるという「音声検索」の実現が必須となる。
このような本当の意味での音声検索は未来の話だと思いきや、要素技術としては既に確立している。音声をテキスト化する技術、テキストを意味のある内容として単語文節で区切る技術、意味のある単語文節から話の内容を抽象的に要約してデータベース化する技術、これらの組み合わせで実現可能であるが、費用対効果が合わないので、youtubeを有するGoogle、もしくはバースあたりが開発し自社プラットフォームへの実装するところから始まるだろう。
英語圏、中国語圏での実装から1年から2年遅れで日本語対応のAPIが実装され、国内音声サービスがその恩恵に預かれるのはいつになる事やら。

7.NFTをミクロな視点で見てはいけない

NFTは素晴らしい技術であり、今後WEBプラットフォームのインフラとなるだろう。しかし、ミクロな視点で見ると状況は違う。
OpemSea等のNFTマーケットでは、作品の本質価値とはかけ離れた値付けで売買が繰り返され、NFT=儲かる、みたいな本質とはかけ離れた状況が起きている。今は作品の価値+所有によるアーリーアダプターアピール+自己顕示欲+ポジション値付け+初期のお祭りという、付加価値バブルでの価格高騰が起きている。
この状態は危険で、なけなしの金で札束ビンタ合戦に参戦して、ババ抜きに負けて一文無しというルートも十分にありうる。もちろん、ババ抜きに勝ってお金持ちという成金ルートもあるが、お勧めしない。

8.それでもやってみる事には価値がある

糞みたいなババ抜きに参戦しないのであれば、アーティストはNFTを初めてみて欲しい。理由はいくつかあるが、

このタイミングでNFT市場に参入しているアーティストは、デジタル感度が高い人しかいない。デジタル感度の高いアーティストは今後デジタルアート界にて主役になる予備軍だ。この良くわからないタイミングで参入しているアーティストの作品を購入する事は、作品を保有するメリットよりも、作者との繋がりを持てるという意味では大いに大きい。

9.NFTでコレクションを持っている人

既にNFTでコレクションを発表している人、NFT入門スラックグループを作りましたので、参加してください。
NFT転売目的の人は入らないでください。純粋に自分の作品を発表する人や、NFTマーケットで試験的に試したことと、その結果を共有出来る人のグループです。
グループメンバーでお互いのコレクションで素敵な作品があったら「ハート」を押してあげたりしましょう。

スラックグループに加入したい人は、DM送ってください。


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