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スタエフが「入室コメント」を失くした狙い

【考察】入室コメントを失くした狙い


https://twitter.com/standfm/status/1427175680593174530?s=20

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スタエフの入室コメントがなくなった。
この事に対し、既存のコアユーザからは賛否両論である。以下個人の見解を述べさせて頂く。

【前提】

1.”優しい”仕様

スタンドエフエムは数度の拡大期を経て、音声配信業界においては広く認知をとる事に成功した。他の 音声配信プラットフォーム との大きな違いは、「優しいインターネット」を体現すべく、勝敗や順位付けといった”やぼ”な競争要素を徹底排除した仕様設計だ。

2.”優しい”仕様の効果

この「優しい」仕様設計は、新規ユーザー獲得にこそ不利に働くが、
コミュニティを強くするためスイッチングコストが高くなり、ユーザーの囲い込みにはとても有用である事が証明された。
仮にスタエフよりもすべてが優れた音声配信プラットフォームが発表されても、だれも使わないだろう。
理由はその新しいプラットフォームには友達が誰もいないからだ。
気分を一新して新規プラットフォームへ!という人はいるだろうが、割合的にどちらがメジャーかは言うまでもない。

3.”優しい”仕様の弱点

高エンゲージメントでスイッチングコストの高いスタンドエフエムというプラットフォームであるが、弱点もある。

その1つがコミュニティが強すぎるという点だ。
文化の強すぎるコミュニティは、エンゲージメントが高くなる一方、その文化が参入障壁となり新規メンバーの流入が絞られてしまう。
新規メンバーは既存メンバーの”お決まりのパターン”に馴染めないのだ。

コミュニティの強い文化は、新規流入、既存流出を失くしてしまい、固定のメンバーによる閉じたコミュニティを形成する。この閉じたコミュニティを長期スパンで観察した場合、新規流入数は常に少ないが、既存流出数は定期的に必ず発生する。環境変化・生活スタイルの変化と共に、既存メンバーは一定のスパンで流出していくからだ。
新規流入が途切れ、既存流出が進む事でコミュニティは最終的に消滅する。スタンドエフエムでのコミュニティの消滅サイクルがおよそ半年程度だろうか。

【本題】


4.「入室コメント」機能が新規流入を阻害する

「流入 < 流出」コミュニティは消失する。
高エンゲージメントなコミュニティだと、流出は既に最小である為コントロール出来ない。流入は配信者の努力次第で増えるが、割愛する。

言及すべきは、仕様による取りこぼしだ。
「入室コメント」仕様が、新規定着率を低下させていた。

文化の分からないコミュニティで発言をするのは「賭け」だ。だから最初はロムるべきだが、「入室コメント」仕様がそれを許さない。その結果、賭けに負けて滑り散らかす奴を定期的に見る。彼らは二度と現れない。

5.「入室コメント」なくなりました

今回のアプデにより、新規メンバー候補にはコミュニティの暗黙部分を学ぶ時間が猶予され、自分のペースで発言orロムの制御が可能となった。
これにより、閉じたコミュニティには、無言の新規メンバー流入が可能になり、かれらは潜在的なアクティブメンバーとしてベンチにスタンバイしている状態を作り出せる。

6.このタイミングでの仕様変更

これまでの考察により、「入室コメント」仕様は早急に消すべきだった。しかし、これまで放置され、このタイミングで変更された。なぜか・・・

1.20年9月組コミュニティの衰退による気づき

大規模流入のあった20年9月、多くのコミュニティが生まれた。
しかし、スタエフコミュニティの消滅サイクルにのっとり9月から半年が過ぎた4月以降において大半が消滅した。これにより、コミュニティ消滅サイクルの改善の為に変更した説。

2.本腰入れて、新規ユーザー獲得していく意思表示

入室コメント機能はコミュニティサイクル的にはマイナスだが、コアユーザーにとっては便利なものだった。挨拶せずとも配信者が認知してくれる、それは心地の良い空間を作り出していた。
コアユーザーとの軋轢を鑑みても、仕様変更する場合の意図は、コアユーザの10倍~100倍の新規ユーザー獲得を狙っている場合がある。この場合、仕様のシーソーゲームは新規ユーザー向け仕様に傾く。

7.今後のアプデに対して

今後の仕様変更や機能追加が新規ユーザーをターゲットに行われる場合、既存のコアユーザーにとって、使いにくい機能、わかりにくい仕様が増えていく事となるだろう。

この荒波をコアユーザー達はブーブー言いながら乗りこなしてくれると私は信じている。

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