本

電子書籍の可能性について考えたこと


こんにちは!
こいずみきょんです。

ここんところ電子書籍についての考察をしていたので、
簡単にまとめたものをnoteに載せてみます。

キャッシュレス化も来るとこまで来た今、
「次ってもしや電子書籍では??」と密かに注目しているので今後も数回考察するかもです・・ぜひ一緒に考察しましょう。

はじめに

前置きになりますが、
当の本人は「紙本派」でも「電子派」でも無いことをお伝えしておきます。

なぜかというと、最近は「ツール」として本を読んでいるからです。
勝手な推測ですが、ビジネス書を多く読む人は「ツール」として扱っている人が多いのではないでしょうか?

いまはまだ、わたしも紙の本を中心に読んでいます。
でもこれから電子書籍の環境が整ってくれば、電子書籍の利用もどんどん増やしていくつもりです。
(というより、電子書籍を使いこなしたい。。)

※注意
①今回は「文字ベースの本」を中心に考察しています。いまの電子出版市場のなかでも大部分を占めるコミックと、今後も紙本で残る可能性が高い雑誌は例外とします。
②あくまでもわたし個人の見解です

電子書籍の歴史はたった50年

電子書籍のはじまりが気になったので調べたところ、
その歴史はたった50年弱でした。

ちなみに、「三種の神器」と呼ばれた白黒テレビ・冷蔵庫・洗濯機の登場は1950年。少し後の1968年でもまだポケベルが登場した時代です。

(えっ、日本がポケベルで愛をささやきあってた時代に、書籍はすでに電子化されていたと・・・・?!)

年代ごとのあゆみをざっとまとめるとこんな感じ。

1970年:初めて電子書籍化
1980年:日本電子出版協会(JEPA)
1990年:出版社が続々と電子サービス開始
2000年:Amazon・SONY・google...など大手が電子書籍業界に参入
2010年:AppleがiPadを発売 ➡︎ 電子書籍元年

さて、「電子書籍元年」から10年が経とうとしているいま、
次はどんな時代になるのか〜と考えれば、

2020年:電子書籍がスタンダードになる時代

であることは間違いなさそうです。

市場規模は思ったよりまだ小さく、課題も多いですが、
それゆえにチャンスがあり伸びは十分に見込めるのではないでしょうか?

また、スタンダードとなる時代を迎えるにあたっては、

・電子書籍で解決できる問題はなにか
・電子書籍の課題はなにか
・電子書籍はどのように使われていくか …etc

といったことを改めて見直し、
ブレない軸(方針)を持つことが電子出版の強みになりそうです。

電子書籍のメリット

電子書籍にはどんなメリットがあるのか、ユーザーと出版それぞれの視点からザッと書き出してみました。

【ユーザーのメリット】
・かさばることがない
・本を持ち歩かなくて済む
・メモやマーキングのやり直しがきく
・紙の本より多少安価で買える
・無料で読めるものがある
・サブスクリプション
・書店に行かずに買える
・自動購入ができる
・満員電車でも邪魔にならず読める
・関連の本を芋づる方式にすぐ読める
・紙の本では購入を躊躇する本も読める
【出版側のメリット】
・印刷/製本/在庫管理/流通にかかるコストを大幅に削減可能
・印税率が高くなる
・重版という概念がなく、容易に再販できる
・絶版を避けることができる
・ビジネス本が売れやすい
・SNSなどで話題になれば売れやすい
・音声/動画/外部コンテンツを組み込める
・EC機能との連携
・個人が独自に出版できる(現状ではハードル高)

などなど・・・
調べたものと、思いついたものを合わせてみましたがまだありそうですね。

メリットは「現状、満足している点」だと考え、
今回はあまり触れずに飛ばします。

電子書籍のデメリットから課題を考える

つぎに、電子書籍のデメリットに関してどんな課題があるのか、わたしなりにフォローの仕方も考えつついくつか挙げてみました。

「紙」でないことに関するデメリット
・「本を読んでいる」という実感がない
・マーキングやメモの自由度が低い
・本の全体像を把握しにくい
・装丁での表現ができない

➡︎電子書籍専用端末で解決できることも有り
➡︎装丁という点はどうしても損なわれてしまうが、表紙デザインに新たな風が吹きそう

【「電子」であることのデメリット】
・視力の悪化や眼精疲労の心配がある
・電子機器が使えなくなった時には使えない
・貸し借りや売却ができない
・アプリになっていない(ブラウザ上)だと使いにくい

➡︎アプリの整備/スマホでも目に優しくできる工夫はあるかどうか
➡︎今後、バッテリーや電源のシェアリングが普及&進化していくと予想

【電子出版であることのデメリット】
・紙の本より発売が遅い
・紙の本でしか売っていないものがある
・万が一、運営会社が倒産すると読めなくなる可能性がある

➡︎出版が電子書籍ファーストになった時に解消される

【書店販売でなくなるデメリット】
・書店に並ばないので露出の機会が低い(ふとした出会いが無い)
・書店の衰退を促してしまう危険性がある(既に衰退している)

➡︎書店でいうポップの役割を果たすようなコラムとか書きたい
➡︎書店も進化するのではないかと予想している(高級化?神聖化?)

【出版社としてのデメリット】
・利益率は上がるが、見かけの売上高が減る
・大手の出版社は手が出しにくい市場
・ユーザーを選ばざるをえない(現状)
・権利処理に問題がある
・価値をどこに置けばいいのか決められない

➡︎エゴと古い慣習から一度離れてみる(調べてたら悲しくなった)
➡︎中小の出版こそ動きやすい市場なので行動したもん勝ちみたいなとこある


ザッ、とこんな感じでしょうか・・・

ただ、今回挙げたものはどれも現時点での問題であり、
今後のあらゆるひらめきによって改善されていくはずです。(わくわく)

ちなみにデメリットって、改善の余地がある「課題」だと捉えることもできるので、「〇〇,デメリット」って調べればビジネスチャンスが転がっていたりいなかったり。

2020年、電子書籍がスタンダードになる時代では、こういった課題の改善をいかに素早く・的確に・誠実に取り組めるかが重要かもしれないですね。

専用端末について

余談ですが、電子書籍専用の端末って必要ありますか?という話も。

電子書籍を利用する層のなかには「モノを持ちたくない・増やしたくない」という人も多いなか、いま、改めて専用端末を作って売る必要が無いのでは・・・?

これを踏まえると、やはりスマホで読むことを大前提にするのがこれからの最善策かなと感じます。

ただ、もしこれから電子書籍専用の端末が登場するのであれば、
「紙の本が好きな人」に寄り添ったアイテムがいいな〜

例えば…
・目に優しい液晶→電子ペーパーの進化を期待
・軽くて、バッテリーの持ちがよくて、薄型
・自由にメモできたり柔軟な付箋機能がほしい
・持っていてもあたたかみのあるデザインやカスタマイズ性

↑こういうハートフルなアイテムがあれば、勉強にも十分使えるし、小説も電子書籍で読みたいなと思う。(わたしがほしいんや)

あとは、機能がシンプルであればあるほど高齢者層にもやさしい。
孫からのプレゼント、というシーンも狙えそうです。いいな・・・。

電子出版が解決の手助けになること

書籍が電子化することで、あらゆるコストの削減ができることは「メリット」で挙げました。

しかし、電子出版では金銭的なコスト削減だけでなく、
ものすごくおおまかに言えば次の3つを削減できるよな、と考えました。

・流通
・紙資源
・ゴミ

これをさらに細分化していくとあらゆる社会問題の解決/解消につながっていきます。(長くなってしまうので今回は省略します。。。)

鳥の目で見れば、環境対策にも大きく貢献できるテーマではないでしょうか。超期待。

私が電子書籍に望むこと

最後に、わたしが電子書籍に望むことを懸念点も交えながらお話しします。

考察してみて一番の懸念点になったのは、
「電子書籍がブログ的になってしまう恐れもあるな」ということです。

わたしもブログ運営する身なので、「ブログが悪い」と言いたいわけではないのですが・・・(伝わるでしょうか・・)

誰もが手軽に出版できるようになるからこその危うさというか、
あまり内容がなく、小手先のテクニックを使ったような本ばかりが増えてしまったら悲しい。

そんな事態を防ぐためにも、コンテンツを固めて信頼のある本作りをしなくてはいけないのが今後、出版社の大事な役割になってくると思います。
ブログや個人サイトとの差別化を図るためにも、
出版社と編集者を通している意味がある本を作るべきではないでしょうか。

以上を踏まえて、
わたしが(勝手に)望む電子書籍のあゆみをまとめてみました。

第一フェーズ:「本」の質を損ねない電子書籍をつくる
第二フェーズ:「電子書籍」の質を損ねない仕組みをつくる
第三フェーズ:信頼のあるツールとして次世代のスタンダードになる

さらに、ゆくゆくは「書店の良さ」を再現するための施策も求められるはずです。

書店の良さとは、、、
・目的以外の本にもふと出会える
・装丁なども手に取って楽しめる
・読み比べが容易
・ポップでおすすめがわかる
・トレンドが知れる
・新刊の速売性がある

↑ここらへんのメリットを電子出版でも再現できるように努め、
「紙の本が好きな人も取り残さない電子出版業界」が成立したらだいぶ豊かになるなと思いました。

まとめ

冒頭でも言いましたが、
電子書籍は2020年代のスタンダードになります。

では紙の本が無くなるのか?、といえばそうではなく、むしろ、「紙であることの価値」が高まるのではないかと思います。本の価値が「情報」にあるとすれば電子になることの影響は騒ぐほど無いはずで、紙であることを求められるものがちゃんと残れば、それはそれであるべき姿ですよね。

と、長くなりましたが、
最近考えていたことをまとめました。
以上、電子書籍の可能性について考えたことという名の考察でした。


あ、ちなみに!
最近こんな取り組みも見つけました。
ハイブリッド型書店honto『紹介プログラム』!!

画像1

いうたら、電子書籍でも回し読みができる!という施策です。
おもしろ〜〜〜!こういう新しいチャレンジどんどん使っていきたい。


ここまでお付き合いありがとうございます。
それでは〜〜!

☀︎アオイアサ編集舎☀︎
こいずみきょん


ふつうの暮らしを愛しながら、 東京のすみっこで猫たちと生活してます。 おいしいごはんとお酒が好きで、映画をたくさん観る🎥 年内に登山と釣りがしたい。