九州ダービーについて考えてみた 【2023年7月27日】

・アビスパ福岡の次の試合がサガン鳥栖とのダービーということで、ダービーについて考えてみた。

・まずダービーはいろんな角度から捉え方があると思ってるけど、まずはダービーについてググってみた。いろんな国のダービー事情について、正しいかは置いておいて簡単にまとめているページがあったので引用してみる。

<イングランド>
同一の都市や州の範囲内など地理的な関係を背景にライバルに発展。
<スペイン>
民族問題といった歴史的な対立を背景にライバルに発展。
<イタリア>
歴史的な都市間の対立を背景にライバルに発展。
<ブラジルやアルゼンチン>
南米は貧富の差が激しいため、所得格差による社会的な対立によってライバルに発展。

https://spojoba.com/articles/420

・ダービーって、「ダービー」だから盛り上がる訳ではなく、何か別の事情があって盛り上がっているところにダービーと名前がつけられたという方が正しい認識っぽい。

・だからこの言い方で言うと、近年Jリーグで言われているダービーは、本質的なダービーというより、『ダービー』と名付けることによって盛り上げていこうとしているケースがほとんどなので、最近のダービーは名ばかりダービーという認識なのは間違いないと思う。

・じゃあ福岡と鳥栖はどうだろうかと考えてみた時に、私は直接その目で見たことがないので、正誤は置いておいてウィキペディアからその起源を引用してみる。調べて見ると思ったよりも知らないことが多かったので情報をまとめてみたいと思う。

福岡vs鳥栖
九州に本拠地を置くJリーグクラブの中でも、両クラブは本拠地同士が30km程度しか離れておらず、さらにはクラブ創設の経緯を含め過去に様々な浅からぬ因縁があることから、注目度も高い[7]。
クラブ誘致
福岡市は1995年に中央防犯サッカー部(藤枝ブルックス)を、鳥栖市は1994年にPJMフューチャーズを、共に静岡から誘致した経緯がある。
九州への誘致に関しては、1991年に佐賀県サッカー協会が乗り出すなど鳥栖フューチャーズが先んじていたが、福岡県サッカー協会も1993年にクラブ誘致を表明すると、鳥栖F側が見込んでいたスポンサーの多くが福岡ブルックスに流れるなど、鳥栖Fのクラブ運営に影を落とした[7]。結果、鳥栖Fは1997年に経営難から解散、受け皿としてサガン鳥栖が発足し現在に至る。
選手の引き抜き
1995年、旧JFLで鳥栖FとJ昇格を争う事になった福岡Bは、鳥栖Fからウーゴ・マラドーナ、前田浩二、中込正行、簔口祐介の主力4選手と選手兼任監督だったセルヒオ・バティスタをコーチとして引き抜き、遺恨を残した。
サポーターによるトラブル
1995年7月23日に行われた第4回ジャパンフットボールリーグ第15節(博多の森球技場)では、首位を独走する福岡Bサポーターが鳥栖Fを侮辱する横断幕を掲げた上、鳥栖Fのチームフラッグを半旗にして火をつけるという挑発行為を行った。後に福岡Bサポーターの中心的な人物が謝罪を行ったとされるが、両チームの対立を決定的なものとした試合として記憶されている[8]。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B9%9D%E5%B7%9E%E3%83%80%E3%83%BC%E3%83%93%E3%83%BC

・上に書いてあることを整理すると、現在のアビスパ福岡の母体である『中央防犯サッカー部』と、サガン鳥栖の母体である『PJMフューチャーズ』はそれぞれ静岡県にあるクラブだった。(※厳密に言うとフューチャーズは一度解散をしているため母体というのは適切ではないかも?)

・Jリーグ参入に際して、1995年にそれぞれ福岡県・佐賀県にホームタウンを移した。その際にそれぞれクラブ名を「福岡ブルックス(※)」「鳥栖フューチャーズ」に変更。

※中央防犯サッカー部は1991年に「中央防犯ACM藤枝フットボールクラブ」へと名称変更、1994年にはJリーグ参入に向けて「中央防犯FC藤枝ブルックス」へと名称変更を行なっている。

https://avispaflag.com/history.html

・その際、PJMフューチャーズの誘致が先に進んでいたが、藤枝ブルックスの誘致を発表すると本来PJMフューチャーズが見込んでいたスポンサーが藤枝ブルックス側に流れた。

・1995年に福岡ブルックスは、鳥栖フューチャーズから主力の5選手(うち1選手は監督も兼任)を獲得。

・1995年に移転が完了した両チームは旧JFL(当時の2部相当)にてJリーグ昇格を争うも、福岡ブルックスが優勝してJリーグ参入を決める。なお1995年に鳥栖フューチャーズから獲得したウーゴ・マラドーナはシーズン27得点を決めている。このシーズンの両チームの試合は3-1、0-4で福岡ブルックスが勝ち越している(どちらも観客数が1万人超)。

・1995年のJFL優勝によってJリーグ参加が決まった福岡ブルックスは、Jリーグ参入に向けて「アビスパ福岡」へと名称とエンブレムを変更。

・逆に鳥栖フューチャーズは1995〜1996年を4位で終え、筆頭株主であったPJMジャパンが運営から撤退。その影響で10億4300万円の負債を抱えて解散。しかし、チーム存続を求める5万人を超える署名があったことから、Jリーグ臨時実行委員会は鳥栖フューチャーズのJFL残留を決めて、佐賀県サッカー協会が任意団体「サガン鳥栖」を立ち上げた。

・その後、サガン鳥栖は1997年をJFL11位、1998年をJFL8位で終えたものの、Jリーグが2ディビジョン制を採用した関係でJリーグ参入を果たせた。

・逆に福岡はJリーグに参加してから2年連続で最下位を記録。その後、2ディビジョン制の採用によって日本のプロサッカー史上初めての入れ替え戦に参加することになった。福岡サポの間では「神を見た夜」とも呼ばれる川崎戦を勝利した後、千葉に敗れ、その後に札幌に勝利したことで1部残留を果たす。この「神を見た夜の後に千葉に敗れて、札幌に勝ったところ」は忘れられてることが多いので注意(豆知識)

・その後1999〜2001年は福岡がJ1所属、鳥栖がJ2所属のため、直接対決は行われなかったものの、2001年についに福岡が降格したため、2002年のJ2リーグにて「アビスパ福岡」と「サガン鳥栖」という現在の名称に変わってから初のダービーが行われることに。

・当時はシーズンに4回対戦をするレギュレーションのため、2002〜2005年までの4年間に16回対戦している。そのうち、福岡が10勝、鳥栖が2勝、4ドローという成績で福岡が勝ち越した。なお、2006年は福岡はJ1に昇格したために対戦はなかったが、翌年に降格。

・その後2007年から2010年までには12回対戦をしたが、福岡が4勝、鳥栖が6勝利、2ドローと逆に鳥栖が勝ち越し。2010年に福岡が昇格したために直接対戦はなかったが、翌年に降格したタイミングで入れ替わるように鳥栖が昇格をしたため、ここから5年間は対戦無し。

・福岡が再度昇格した2016年には鳥栖がシーズン2勝。その後福岡が降格をして2017〜2020年は対戦無し。

・そして福岡が2020年に昇格を決めて、2021〜2022年の直接対決では福岡が1勝、4ドローと福岡が勝ち越している状態というのがここまでの両チームの歴史をざっとまとめたもの。

・歴史を振り返って見ると、それぞれがジェットコースターのように立場の入れ替わりをしてきたのが分かる。なので、「どのタイミングでそのチームを応援し始めたのか」によっても、このダービーの捉え方は大きく異なるはず。

・特に鳥栖フューチャーズ時代から鳥栖を応援している人にとって、福岡は憎い相手だろうなと。J参入に向けて佐賀に移転してきたチームのスポンサーも選手も奪われた(あくまでウィキにそう書いてあったのでそう私が認識しているだけ)のだから。憎き倒すべき因縁の相手と思う人がいても無理はない。

・逆に言うと、フェルナンドトーレスが加入した時代に鳥栖を応援し始めた人たちにとっては、「ああ福岡?なんかJ2でもちゃもちゃやってて、最近上がってきたけど割と近くにあるチームだよね〜」「なんか昔からのおじさんたちがやたらと敵対視してるチームだよね〜」ぐらいの認識なんじゃないかと思う。

・逆に福岡を応援している私は、さっきの歴史の中でここから応援し始めている↓

・その後2007年から2010年までには12回対戦をしたが、福岡が4勝、鳥栖が6勝利、2ドローと逆に鳥栖が勝ち越し。2010年に福岡が昇格したために直接対戦はなかったが、翌年に降格したタイミングで入れ替わるように鳥栖が昇格をしたため、ここから5年間は対戦無し。

・特に私は2009年(当時小学生)からアビスパ福岡を応援をしているので、鳥栖に負け越したまま10年ぐらいほぼ対戦のない相手であって「鳥栖はずっとJ1にいて、いい若手もいっぱいいて、すげ〜な〜」ぐらいの認識だったのが、私のサポーター歴の大部分を占める素直な感想。

・だから、私にとってサガン鳥栖との試合っていうのは、『ダービーと呼ばれていたもの』みたいなイメージが強い。盛り上がらない訳じゃないけど、心の底から憎い相手で絶対に勝たないといけない相手という認識が甘い。生卵をぶつけたり、相手のサポーターをぶん殴ったりしたいぐらい憎い相手ではないという感じ?

・ただやはり、福岡のサポーターをやっていると文化として「こいつらだけには絶対に負けてはいけないんだ」という空気になるのは確か。長くサポーターをやっている人たちは、マジの顔で鳥栖には負けられないと言ってるのをよく見る。

・そういう文化や環境で育ったので、鳥栖との対戦は通常の試合じゃなく、やはりスペシャルな試合なんだと思うし、この試合は32試合のうちの単なる1試合ではなく、優勝できなくてもいいからこの相手だけには勝ち越したいと思える相手と思えているというのは、それは立派なダービーなのではないかと思う。

・ただ、絶対的な因縁の原因を目の当たりにしている層とそうではない層での認識のギャップがあることは確かなのだと思う。もっと言うと、ダービーっちゃダービーだけど、かつてダービーと呼ばれていたものではないと思う。

・それはなんというか、先日行われたFC東京と東京ヴェルディの東京ダービーで証明された。対戦相手の看板に生卵を投げつけたり、スタジアムで花火をぶっ放したりと、かつてのダービーはそれでよかったのかもしれないけど、それをした結果クラブが大迷惑を被ることになり、それだけではなくてあらゆるサポーターから叩かれ、さらには「ダサい」という印象を与えることになった。もうダービーは暴れる場所ではないというのが分かりやすい違い。

・だから、私の周りの界隈ではよく言うけど、ダービーは死んだというか綺麗になったんだと思う。日本のサッカーにおけるダービーは社会格差や民族間での対立がある訳でもないから、直接的な因縁をその目で見てきた層が減ってしまえば因縁は薄くなる。

・もっと言ってしまえば、各クラブはもう商業に乗り出してしまった。

・これから人口減少によって、さらには娯楽の充実によって減っていくであろうサッカー観戦者のパイを協力して掴みにいこうとクラブ間は決めたのだ。そこに確執はもうない。

・だから、もうダービーというのは「負けられない相手との大事な一戦!」とでも言い換えた方が良い気もする。ダービーという言葉を使うから色々な問題が起きる。

・せっかくバトルオブ九州なんて素敵な言葉があるんだから、ダービーなんて言わずにバトルオブ九州と呼ぼう。

さて、頑張って書いたんで最後の一部だけ有料にしておきます。私の日記が気になる人はマガジンを購入してもらえたら月500円で全ての記事が読めるようになるので気になったら買ってみてください。

ここから先は

19字
この記事のみ ¥ 300

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?