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小規模という不利を力に変えるー福岡J・アンクラス

皆さんは福岡J・アンクラスの存在をご存知でしょうか。福岡に住んでいるサッカーファンなら一度は耳にしたことのあるチームの名前なのではないかと思います。

1月19日、僕は福岡J・アンクラスという福岡を拠点とした女子サッカークラブの新年会に参加させていただきました。この新年会はアンクラス社長を含めたフロントの方、それにもちろん選手、監督、コーチ、加えてスポンサーの方やファンクラブ会員などを加えたメンバーで行われました。

会場はアンクラスのスポンサーである慶州グループの焼肉プリンス。そのお店の名前にもある通り、会場では焼肉を楽しみました。

(WONIKU)

まず最初に、僕の周りには女子サッカーをしている人がほとんどと言っていいほどいなかったのでこれを機会に気になっていたことをいくつか聞いてみました。

聞いてみたのは僕が試合を一度見に行った時に強烈にインパクトに残っている超絶美人のゴールキーパーである土屋さん。

お肉がめちゃくちゃ好きなんだそうです。焼肉が始まる前に色々と聞いてみました。


Q1,ゴールキーパーって、ネイルとかできませんよね?

私は仕事の都合上、ネイルはしてないけど、それじゃなかった時は普通にしてるよ。キーパーグローブしてるから意外とカバーできるんだよね。

結構、面白い回答でした。アンクラスの選手たちは基本的に他の仕事と掛け持ちをしながらサッカーをしているそうなので、そちらの仕事の都合があったんですね。

Q2.じゃあ、試合中メイクとかしてるんですか?

私はいつもこれだよ!(メイクをしている顔を指差しながら)女子サッカーをしてる人って、元々メイクをしてない人も多かったりするから、そういう人はしないんじゃないかな。

夏場はメイクが落ちやすいらしいです。

ちなみに土屋さんはサッカーをしているようには見えないとよく言われるらしいです。近くで見ると、どう見ても街中を歩いているキレイなお姉さん。

若くて素敵なお姉さんがゴールキーパーをしている姿を見てみたいと思いません?


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僕が焼肉を焼く係に徹していると、アンクラスの社長である長谷川さんにお話を伺う機会がありました。

僕は長崎からイベントがある旅に福岡まで出てくるスケベサッカーファンのきょんもりくんは、選手の皆さんとお会いできただけでもこの会場に来た価値はあったな~と思っていたのですが、この社長から聞いたお話や、新生アンクラスの熱い想いを持った方々の話をただの大学生である僕が独り占めすることができたのは本当に贅沢でした。

どこまでを記事にしても良いのかを考えているのですが、出来るだけ大丈夫そうなところだけを取り上げてみます。

まず注目すべき点としてこちら。ユニフォームのスポンサー欄が胸、背中の上下、そして袖とフルマーキング。

Jリーグを観ているとそこまで珍しくもない光景ではありますが、一度アンクラスの立ち位置を考えてみましょう。

女子サッカーの段階としては、なでしこリーグがトップにあり、その下にチャレンジリーグ。そのさらに下には各地域のリーグが行われています。

(参考:http://www.nadeshikoleague.jp/news/upload_file/2018SEASON_3.pdf)

そして、この地域リーグの中にもディヴィジョンが分かれていますが、2018年シーズンにアンクラスは九州二部に所属していました。今シーズンはぶっちぎりの成績で優勝し一部に昇格を決めました。

参考:https://q-league.net/div/

実はアンクラスは経営的な部分によって、チャレンジリーグから地域リーグに降格させられてしまったという経験をしているのです。

そんな状態にありながら主力が残留。新体制となった昨シーズンは得点90(次点が54点)、失点もシーズンで4のみであり、得失点差が86という圧倒的強さを誇ったのです。

そこで少し考えてみましょう。

地域リーグでフルスポンサーです。

そうとうな期待が無ければ地域リーグにフルスポンサーなんてないですよね。僕が出資をする立場だったとしても広告効果を期待するなら、もっと上位のクラブにお金を出した方が効果があると思ってしまうくらいです。

これを出来るのは、やはり監督コーチ、選手などの力はもちろんですが、新体制のフロントの方々の動きや人との繋がりに優れていることが分かります。


色々とお話を聞いていたのですが、アンクラスの長谷川社長から頂いた言葉の中でとても印象に残った言葉をご紹介したいと思います。

「よく会社の為に働くなんて言うでしょ?違うよ、自分の為に働くんだよ。僕はみんなが幸せになるための手段としてアンクラスを使って欲しいんだ。」
「もしかしたら、このチームから移籍をしてしまう人がいるかもしれない。だけど、それは自分の幸せを追い求めた結果だから応援するよ。」

ただの同じチームにいる仲間というだけではなく、このチームに関わっているだけでみんな「アンクラスファミリー」なんだということが深く伝わってきました。それこそが主力の選手たちが九州の二部に残った一つのきっかけだったのかもしれないなあということを思いました。

この熱意は人を動かします。実際に素晴らしい選手たちがチームに残り、スポンサーの方がユニフォームを彩ります。

確かに人数や規模はまだまだ小さいです。

ただ、だからこそ出来るこうしたファンとの交流会。そして、すべての選手や関係者の顔が見渡せる環境。こういう不利と一般的に思われる状況を、逆に自分たちの強みにしていく姿勢。僕は素晴らしいと思います。

こうやってアンクラスファミリーに取り込まれてしまった僕がいるのが、その証拠です。

僕自身、スポーツの力で夢や感動、興奮を貰い続けてきた人生を送ってきました。自分の人生の中の大半をスポーツの為に費やしました。そして、そういう人たちを何人も見てきました。

スポーツには人をそれだけ熱中させるものを持っているのだと僕は思っています。それは、何も規模の大きなプロスポーツだけでしか無いものではありません。僕の経験では実力が拮抗して勝敗が分からない時の熱はさらに深くなります。

アンクラスは九州の二部をぶっちぎりで優勝しましたが、彼女らが実力拮抗するレベルのディヴィジョンまで上がることができれば、アンクラスの魅力はさらに高まっていくものと思います。

男子のサッカーにはない、女子サッカーだからこその良さも、実際に行ってみると沢山見つけることができます。

僕の場合は新年会だったので選手との距離が近かった分、男性と女性の違いが凄く分かりました。

今季のアンクラスは九州の一部で戦います。

少しでも興味を持ってくださった方は僕のツイッターで情報発信していく予定なので、もしよろしければフォローをよろしくお願い致します。

@rrrm452

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