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【YS横浜】2018年J3第16節vs.鹿児島ユナイテッドFC:中断しながらも、鹿児島を苦しめたYSゲーゲンプレッシング

上位進出を狙うには、ここで勝ち点「3」にこだわって行きたかったYSCC横浜。

今日の対戦相手は現在首位の鹿児島ユナイテッドFC
調べてみると、これといったストライカーがいる訳でもなく、得点者はまばらなようで、今日の試合でどんな戦い方をしてくのか楽しみでした。

ちなみに、アビスパ福岡を応援している身からすると、鹿児島ユナイテッドFCでは意外と近い存在でして、天皇杯では2015年、そして今年と2回対戦経験がありました(いずれも福岡が勝利)。それに、鹿児島ユナイテッドの中原秀人選手は元々福岡のアンカーとしてしっかりと活躍してくれた選手なので、いまでもこの選手を好きというサポーターも多いのです。

そんなクラブとの一戦ということで楽しみな一面もありながら、YS横浜の目線からすると上位進出のために負けられない試合だったので、しっかりと試合を見ていきましたので、これからそこに触れていきたいと思います。

ー【試合前】YS横浜、小澤の4試合ぶりのスタメン

さて、両チームのスタメンから見ていきましょう。

YS横浜のスタメンです。
相変わらずベンチは人足らずですが、個人的には大好きな小澤がスタメンということで、一人興奮していました。土舘くんはベンチスタート。

こちらが鹿児島のスタメン、ダゾーン予想では4-4-2。
福岡ではセンターハーフとしてプレーしていた中原が、なんと2トップでキリノとのコンビを組むというよく分からないスタメンでしたが、実際に試合に行きましょうか。

ー【前半】中断しながらも、鹿児島を苦しめたYSゲーゲンプレッシング

恐らく鹿児島サポーターの方はこう思ったでしょう。

YS横浜のプレッシングやばい」と。

ゲーゲンプレッシングというものは、簡単に言えば「ボールを失った後にすぐに奪い返す」というものなのですが、YS横浜はとにかく前に人数をかけて前から前からパスコースを潰しつつボールホルダーに対してプレッシャーをかけに行くので、鹿児島としてもそこに苦しんだ前半だったのではないでしょうか。

見ている感じだと、鹿児島はパスでのビルドアップで有効な攻撃が出来ていなかったようでしたし、そこの部分では相当苦しんだと思います(笑)

人造人間「キタワキ」(あまりに走るので人造人間ではないかという説が浮上しています)が、モダンサッカーの教科書という本でいう「超攻撃的プレッシング(相手のGKまでプレスに行くこと)」に行くかと思えば、トップ下に位置している奥田も前から追い回しますし、左からはベテラン吉田が鬼のプレッシング。そこのプレス網を掻い潜っても、後藤や小澤も運動量豊富でしっかりとボール奪取を行えるので、鹿児島としては自分たちでボールを持って攻めるという展開を封じられてしまったのではないかと思います。

これがYSの基本布陣なのですが、この布陣はもう忘れてもらっていいくらい動き回るので、一応攻撃時の配置を作ってみました。

なにが何やら分からないと思いますが、前線の人造人間「キタワキ」がサイドに流れた時は、奥田がトップの位置にカバー。

奥田は中盤の後藤、小澤とのトライアングルの頂点として中盤まで降りてきてパス回しに参加するときもあれば、相手のディフェンダーにプレッシングをかけに行くし、ボールを持てばドリブルでチャンスメイキングができるという驚くほどマルチなプレーヤーなのです。

とにかくCBやセンターハーフからビシバシと縦パスを狙っていくので、サイドバックが高い位置をとって、横からのサポートをする必要があるので、とにかくサイドバックはひらすら走り続けています。そして、サイドバックが上がる為にサイドハーフは中央のレーンに移動し、ゲーゲンプレッシング要因、セカンドボール要因として、またサイドに厚みをかけに行くという存在というタスクが与えられているように感じました。

サイドから攻める時はボールサイドとは逆のサイドハーフがディフェンスラインまで降りてきてリスクマネジメントをしているみたいです。

対して鹿児島の配置

基本配置はこんな感じ、基本的にポジションに忠実で、そこまで形を変える訳でもなく、一部可変システムも採用しながら攻撃面でも守備面でもそれなりに整備されていたように感じました。

主な動きを再現してみましたが、個人的に鹿児島の攻撃の中でとても良いと思ったことが、「センターハーフの関係性」です。

ここで言う、14西岡と22吉井の関係性なのですが、かならずディフェンスラインで回す時は片方がサポートに入る動きを見せます。そして、攻撃時には片方が上がったら片方はバランサーとして様子を見るという動きが多かったです。また、どちらも迷いがなく、イキイキとプレーしている様子がとてもおもしろいなあと思いました。

左SHの永町はカットインの動きを狙うことが多かったようですが、左のレーンを開けて藤澤がそこに顔を出すと、藤澤の開けたスペースをしっかりケアするセンターハーフがいたので、チームとして攻撃に厚みを加える、数的に有利な局面を作り出そうという狙いだったのかもしれません。

自分のツイートを見返すとこんな感じに評価しています。

守備面でもしっかりとした狙いがあるようで、

画像にしてみるとこんな感じ。

ボールを失うととりあえずリトリート(撤退)、そして相手の攻撃を受けていく訳ですが、2枚の守備ブロックはコンパクトに外に外に追い出して行き、前線のキリノと中原がショートカウンターを狙うというものです。

守備面としては前半に中原秀人が狙い通りのシュートも一本打てましたし、鹿児島としても守備面では悪くなかったと思います。

前半は途中で雷雨の為に試合が1時間くらい中断してしまった事もありましたが、そこまではYS横浜としてはボールを繋ごうとしてくる鹿児島に対してハイプレスで抑えて、決定機もそこまで作らせなかったのではないかと思います。

フォロワーさんとのやり取りなのですが、この大雨のタイミングでポンチョを発売するという、鹿児島運営の有能さが伺えますね。

ー【後半】首位を繋いだ鹿児島、ガス欠のYS

前半の途中に1時間くらいのハーフタイムをとったにも関わらず試合開始からすぐにハーフタイムがあり、存分に休んで迎えた後半。

試合展開としては、前半の延長線上といった感じ。
鹿児島としては、YSがガス欠をおこす時間帯からギアをあげようという作戦か、しっかりと守備ブロックを作りながら、相手の攻撃を受けていきます。

キリノと中原のプレッシングもそれなりに効いてるようで、YSの選手はゴールキーパーまでボールを下げるシーンも目立つようになってきました。

ですが、ここは攻め続けたYSCC横浜です。大外レーンから後藤がカットインからゴラッソ(?)を決めYSCC横浜が先制。

これ、最近よく聞きます。
樋口監督(YS横浜の監督)が会見でよく仰るようで、「刺すパス」を実況が連呼していますが、確かにYS横浜は刺すような縦パスが多いのですよね。

そして、先制してから起きた問題が、サブタイトルにもあるように、

ガス欠問題です。

そうです、前半からハイプレスをかけることで成り立っていた戦術。
さすがに夏場になるときつかったでしょうか。

人造人間「キタワキ」以外の人が走れなくなっていって、鹿児島が徐々にカウンターからペースを握ってくるようになります。ボールを保持した攻撃でそこまで怖さを出せなかった鹿児島ですが、カウンターからYS横浜の薄くなった守備を襲いました。

そこから鹿児島がペースを握っていましたが、セットプレーのこぼれ球から同点弾(多分ゴラッソ)を決めてしまいました。

YS横浜はボールを握ってでも、カウンターかでもそれなりに攻撃の形を作れるので、見応えがあるのですが、それらの裏付けはやはり運動量にあるのですね。ですが、夏場になればなるほど、その運動量が減ってしまうことで、勝ちきれないのではないかと心配になる試合でした。

鹿児島のサッカーも非常に面白かったですが、首位にいるチームということを考えると、ボールを握った時にもう少し怖さがあるべきではないかと思いました。

ー【J3サポ必見】勝ち点計算表

J3サポーターの皆さん、優勝するにはどれだけの勝ち点がいるかご存知ですか?

今日のお昼に暇だったので、計算してみました。

基本的には、「試合数×2」の勝ち点数を取ればよいと言われています。

これはJ2でも同じなのですが、過去3年間の首位と2位は基本的にそのペースで勝ち点を積み重ねています。(昨年の秋田と栃木はやや遅いペースみたいですが)

なので、いまが第◯節ということは、その節が終わった時点で「節数×2」の勝ち点を獲得できているかという計算をすればよい訳なのです。

例えば、この鹿児島ーYS横浜の試合は16節なので、この16節終了時点で優勝するには大体勝ち点「32」あれば十分というペースが必要になるのです。

YS横浜は一試合休みがあるので、「30」あれば良いのですが、現状では「21」しかないのです。不足分が「9」なので、どこかでこの不足を回収しなければなりません。

自分はこの31節をクールで分け、5クール(6試合×4、7試合×1)で計算すると、YS横浜は第1と第2でそれぞれ4,3の不足があります。このように、優勝するには、昇格するにはどれくらいの勝ち点が必要なのかを考えると、いま目の前の試合がどれだけ大事な試合なのかを知ることができると思うので、ぜひ考え方の参考にしてみてください。

ー【試合後談】まとめ

僕はJ2アビスパ福岡を応援しているのですが、昨日前半で2点リードして迎えた後半も終盤、なんとポンポンと流れるように2失点。

2日連続でリードを追いつかれる展開となりました。
ほんま、意味分からねえよ。

前節は、福岡vs大分は滝のようにシュートを打ちながらも1-0で負け、YS横浜vs長野は相手のスーパーゴールで1-0で負け。

くたばりやがれ!!!!!!!!!

(写真はカブトムシを採取する森本貴幸選手です)

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