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3/24 赤星拓 引退報告会 【約1万9000字での全文書き起こし】

本日3月24日に行われました、赤星拓の引退報告会の全文書き起こしを約1万8千字に渡ってここに公開させていただきます。

「えー」や「あの」などの言葉の始めは彼の思いをより読みやすく知って欲しいという思いの元でカットさせていただいております。

12年間、サガン鳥栖という一つのサッカーチームを支え続けてくれた赤星拓という男の最後の会見をこの会場に来られなかった人のため、またこの会場内でも後ろの方には会見の全容が聞き取りにくかった人のため、より多くの方に知って欲しいという思いで全文書き起こしを行っておりますので、誤字などがございましたらただちに修正させていただきます。

なお、公開に関しては赤星選手からご承認をいただいておりますので、皆さんも赤星さんの最後の会見の内容をこちらでご確認ください。



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(赤星選手が入場と会場の拍手)

豊田選手(以下、敬称略)「相当たくさんの方がこられてますけどね、みなさん今日はどうぞよろしくお願いいたします。赤星選手、どうぞご着席していただいて」

豊田「イメージはもうイチロー選手の引退会見を目指しているので、それをイメージしていきたいと思います。流れとしてはこの後ちょっとクラブから記念品というか贈呈があるということなので、それからクラブからのお話と、それから僕がちょっとだけ話してですね、最後にまた赤星選手の言葉をしゃべって頂いて、その後イチローさんみたいに質疑応答みたいな時間もお腹がすくまでやろうと思っています。

それではまずクラブの方から記念品の贈呈があるということなので、よろしくお願いいたします。」

キム氏(以下、敬称略)「みなさん、こんにちは。お休みのところありがとうございます。赤星選手もありがとうございました。強化部、スポーツダイレクターのキムチョンフンで、今期から就任しております。

こうして休日、急遽という形にはなりましたけど、豊田選手の発案でこういったイベントというか行事を催すことができるようになったということ、そして天候も素晴らしく恵まれておりまして幸いです。赤星選手は12年間サガン鳥栖に所属をしていました。私自身も共に9年間一緒にチームで戦って、J2からJ1と共に戦ってきました。

あんまり長く話すとアレなので一言、本当にお疲れ様でした。今後ともいろんな形で繋がっていけるとは思いますし、こうして場を設けてくれた豊田選手にもありがとうという風に言いたいですし、皆さんにとっても短い時間だとは思いますが、素敵な時間にしていただければと思います。お疲れ様でした、ありがとうございました。」


豊田「それではクラブから記念品と花束の贈呈をしていただきたいと思います。それでは谷村取締役から」

(クラブから花束の贈呈)

キム「今年のユニフォームを赤星選手の名前でお作りしております」

(今シーズンモデルの赤星選手ユニフォームの贈呈)
(それぞれ会場拍手)


豊田「後ろの方、声が聞こえないということで大きな声でしゃべります!

今回こういう形をとったのは、サガン鳥栖にとってレジェンドの一人であると僕は思っていますし、これだけのことをしてあげる義理はないんですけど、実はそんなにめちゃくちゃご飯いったり、クラブハウスで一緒になったりっていうのはなかったんですね。

ただ僕らにとって凄く重要な昇格っていう年を一緒に戦って、そういったものの絆っていうものは少なからずあって、その上でここまで大きな会になるとは思ってなかったんですけど、ファンの人たち、サポーターの人たちに彼の言葉を生で聞くという場を作ってあげられた方がいいのかのなかった思いました。

なんか無視していたような感じになっていた気もしていましたので、それは僕の勝手な勘違いかもしれないですけど、まあこうやってこれだけやっぱり(人が)来てくれたってことは、赤星選手の人望だと思いますので、本当に赤星選手が泣かないか心配ですけども。

まあまあ時間もないので、こんなに僕がしゃべってたらダメなんですけど、僕がやろうと思っていきさつは本当にたくさんある中で、今回本当にどうなるか分からなかったんですよね。

急に発案してやったことだったので、賛否両論もあったと思いますし、そういった中で執り行ってるっていうところをご理解くださいというところと、全部、すべて僕が一人でやったので、今後何かあったとしても責任は他の選手には全くないですし、今日協力してくれたクラブのスタッフ、また僕のスタッフも協力してくれたんですけど、本当に誰一人にも相談もせず、勝手に一人でやっちゃったので、見切り発車で、本当にそれだけは申し訳ないなって思います。

それで赤星くんの言葉を、引退してちょっと経っちゃいましたけど、皆さんへの言葉があると思いますので、よろしくお願いいたします。」

(会場拍手)

赤星選手(以下、敬称略)「今日はこんなに沢山集まっていただいて、ちょっと戸惑っていますけど、お休みの中、本当にありがとうございます。

何から話せばいいのかな。この引退会見はというところから話しますと、豊田が僕のインスタグラムにいきなり『やろうよ』ともしかしたら見た方もいるかもしれないですけど・・・」

豊田「自分のフォロワー増やしそうなことやめてください(笑)」

(会場笑い)

赤星「検索しください(笑)もしかしたら見てもらってるかもしれないですけど、豊田がですね、そういう風にやってくれてですね・・・・・・」

(赤星の急な涙)

豊田「すみません、早いんですけど!冒頭の一分でやめてください!(笑)」

(会場笑い)

赤星「本当凄いんですよ、こいつ(豊田)一人でやってるんですけど、友達思いなそんな奴で出会えて、こう・・・いいのかなって。いつかはサッカー辞めますし、当然引退もあるのが当たり前なので、引退すること自体は時間が経って悲しくはなかったです。

次の道を僕は進んでいましたし、何をしようとやっていく中でこういう思いを持った人が僕の周りにいるっていうのは、確認させてもらって、それはなにより嬉しかったです・・・」


豊田「もっとしゃべって貰いたいですけど、泣き止むまで時間かかりそうですね(笑)

でも、このパッとみた瞬間から分かるのがですね、まず10メートルこっちに来てますし(予定の会場より多くの観客席の幅を設けた)、選手も何人か来てくれてるみたい思いますし、普通の選手もいまチラッと見えましたけど、顔出してくれてるんじゃないかっていうくらい、本当に僕の勝手なことなんでですね、選手に全く強要していないんですよ。

赤星選手のこれをやるから来てほしいという言葉は誰一人にも言ってないんですね。そういった中でパッと見た中で選手の顔が見えたのが、開催した一人、いや一人しかやってないんですけど嬉しいなって思いがありました。さて、泣き止みましたかね。」

赤星「泣き止みました、サンキュー」

(会場笑い)

赤星「そうですね、僕ここにきて12年丸々経って、12年前のいまぐらいの時期に開幕戦でアビスパ福岡に5-0でやられて(笑)

来たばっかりのルーキーの時から今はもう35になるんですけど、子供も二人いますし、そういう人生の青春といいますか、サッカーの締めくくりを最初から最後までここでやらせてもらって、今日もピッチ・・・すげえカッコいいですね(横に目を移すとピッチが見える会議室)。

久しぶりスタジアムに来ましたけど、なんかヨーロッパみたいになってるじゃないですか、びっくりしますね。雨の日はお客さんが1,000人、2,000人なんて全然ありましたから、いまは夢のようで、その成長過程に自分も一緒に尽力できたのかなって思うと、サッカーやってて良かったなって思いますね。

皆さんに何か伝えるっていうのは、僕自身まだまだ現役は引退しましたけど一人の男としてはまだ未熟ですし、一生勉強だと思ってますので、何か言えることってないのかもしれないですけど、地域にJ1のチームがあるっていう喜びっていうのを僕も離れて凄く大きなものだなって痛感しますし、豊田を始めとして選手も毎日毎日頑張ってますので。

僕だけじゃないですし、先人の方々も僕と同じようにプレイヤーもですし、選手もですし、フロント、スタッフ、応援されている方も、鳥栖を離れても応援してくださる方もたくさんいますので、そういった人の思いをしっかりスタジアムに集めて欲しいです。クラブの外にいるとやっぱり『なんか最近(サガン鳥栖が)バラバラだよね』とか聞こえてきちゃうんですよね。

それってやっぱり、みんなの意見が合ってないだけで、何か一つの目標にまとまるっていうのがこのスモールタウンの良いところ、そして最大の魅力だと思うので、僕はここを去りますけど、その伝統っていうのは、こういう(豊田を指さしながら)面白いやつもいますので、こういうやつが一杯いて、そういう思いを引き継ぐやつがどんどんどんどん出てきて、凄く良い街に、良い地域になっていって欲しいなと思います。

自分はその中で、いまの自分を作ってもらったと心から思っていますので、ぜひね、僕みたいにこのクラブに来て、このクラブを愛して良かったなって、選手、スタッフ、サポーター、街のみんながもっと思ってもらえるようになっていって欲しいなって心から願っています。

そのために今、勝つことも必要ですし、もちろん厳しいことも当然必要ですし、何より皆さんの熱い思いが一番必要です。今後ともサガン鳥栖を応援し、しっかり激励し、何より愛してください。

僕の引退の挨拶と共に、僕からの最後のお願いです。よろしくお願いいたします。」

(会場拍手)

豊田「はい、赤星選手ありがとうございました。こうやって見る感じだと泣いている人がそんなに多くありませんね(笑)」

(会場笑い)

豊田「赤星選手の言いたいことの10分の1も話せてないんじゃないかと僕が察するに思います。言えることもありますし、言えないこともありますし、それはもう皆さんご理解ください。

そういった中で現時点だったり、現役生活であったりとか、たくさん赤星選手に聞きたいことがあったかと思うんですね。いま知りたいこともあると思いますので、質問タイムにしたいと思います。それでは質問のある方は挙手をお願いします。

はい、一番早かった黒いメガネの方(Aさんと置きます)どうぞ」


A「すみません、こういう場でベタな質問かもしれないですけど、12年間の選手生活の中で一番良かった事と一番悔しかったことを教えてください。」

赤星「はい、そうですね、一番良かったことは今日です」

(会場拍手)

赤星「一番悔しかったことは、いまサッカー選手じゃないことです。」

(会場から「ああ」の声)

豊田「納得できましたか?」

A「はい、ありがとうございます。」


豊田「じゃあ、次に挙手してください。はい、じゃあ最前列の方(Bさん)」

B「赤星選手、12年間お疲れ様でした。数あるクラブの中からサガン鳥栖を選んだ理由と12年間サガン鳥栖に在籍して良かったなと思ったところを教えていただければ。」

赤星「数あるクラブがあるんですけど、僕を一番必要としてくれたのはサガン鳥栖でした。

当時、松本育夫さんが福岡大学まで永井さんも一緒に足を運んでいただいて、何度もお食事をさせていただきましたし、何度も口説いていただきましたし、もう僕はここでやるしかないなと、僕は隣の福岡生まれなので車30分くらいのところですが、地元に愛してくれるような人になりたいなと思って当時は来ました。

12年間の良かったなと思ったところは沢山の人に出会ったことです。いろんな人に出会って、いろんな勉強をして、自分もこんなに人の前で話をできるような人になるとは思っていなかったので、それが僕を一番成長させてくれましたし、もう財産ですね。それが12年間で一番良かったところです。」

B「ありがとうございます」


豊田「はい、それでは次に質問のある方は挙手してください・・・あれ?そんなにいないんですね。」

(会場笑い)

豊田「これ85分間行けます?」

赤星「頼むよ(笑)」

(会場再び笑い)

豊田「はい、それではどうぞ(Cさん)」


C「あの私の中で赤星選手のプレーで一番印象に残っているのは昇格を決めた2011年ヴォルティス戦のPKを阻止したプレーなんですけど、赤星選手の中で一番印象に残っているプレーや試合を教えてください」

赤星「そうですね、やっぱり僕もその徳島戦は、これが一番になってはダメだと言い聞かせてはくれましたけど、あの感動を超えるのが無くてですね。あの試合の後の最終戦の熊本戦もですね。

勝った後に熊本のサポーターの皆さんに横断幕でですね、素晴らしいメッセージをいただいたりなど、そこの時間というのは幸せな時間でしたね。」

C「ありがとうございます。」


豊田「それでは次にある方、挙手してください。はい、それでは(Dさん)」

D「バレンタインのチョコを一番多く貰ったのはいつですか、いくつ貰ったかも教えてください。」

赤星「バレンタインのチョコですか!(笑)」

豊田「(その質問)いります!?(笑)」

(会場笑い)

赤星「僕あんまり貰わないんすよチョコ。はい、覚えてないくらいなので片手くらいですね(笑)」

豊田「嘘ばっかりですね」

赤星「なんで!?(笑)」

豊田「ちなみに、僕は今年3個でした」

(会場再び笑い)

赤星「すみません、期待に応えられず(笑)」


豊田「はい、それでは続いてお願いします(Eさん)」

E「どうも12年間ご苦労様でした。近頃イチロー選手の引退会見があってて、なんか赤星選手と被ってしまいまして、なんかこう奥さんの力というか影の力というか、凄いなって思いました。それで赤星さんの奥さんも色々とご苦労なさって、陰から頑張ってくださったと思いますけども、引退をするときに奥様にかけられた言葉は何だったんだろうかと思ってお聞きしたいです」

赤星「それ言いますか(笑)」

(会場笑い)

赤星「そこ(会議室の横のスペース)に妻がいますので(笑)」

豊田「いるんですね!あんまり変なこと言えないですね(笑)」

赤星「全部バレてしまいますからね(笑)」

(会場再び笑い)

赤星「なんというか、カッコよかったよと言っていただいたので、そうですね、サッカー選手って短い生命ですので、来年契約があるのか、今年も契約あって良かったねとそんなことがありながらですね。妻と夫ではありますけどね、コンビといいますか、そんな感じであんまり思いというものはありませんでしたけど、『俺たちよくやったよね』という感じです」

E「ありがとうございます」

豊田「おにぎりは作ってもらいましたか?」

赤星「なんでおにぎり?」

豊田「イチロー選手が作ってもらってスタジアムで食べられてたって・・・(笑)」

(会場笑い)

赤星「おにぎりはなかった・・・・・・いや、あったあった!俺3か月くらい入院しててて、その時は病院に通いながらとかしてたので、タッパーに白飯おにぎりを入れて、イチローさんの真似じゃないですけどね(笑)

そういうサポートは妻はずっとやってくれてました、ちょっと恥ずかしいんで・・・はい(笑)」

豊田「その割りに結構話してましたね(笑)」

(会場再び笑い)


豊田「それでは次に何かある方、はいどうぞ(Fさん)」

F「すみません、12年間お疲れ様でした。よく選手の方が『このスタジアムは非常に魅力があって、サポーターの声が届きやすい』と言ってくださっていると思うのですが、正直埼スタ(埼玉スタジアム2002)とかの方が迫力があったりとかして、どっちがといいますか本当に凄い応援が出来ているかをたまに不安に思うんですけど、赤星さんから見てこのスタジアムの魅力って他と違うような魅力があったのかを聞きたくて・・・」

赤星「そうですね。建物の構造という部分というところで言ったら埼スタとか大きいですし、6万人とか入ると声が聞こえないとかありますけど、ここはここでなんというんですか、距離感が近いという意味では、他のスタジアムも近かったりするんですけど、やっぱり個人的な感情になっちゃうんですけど、『自分の街の』っていうのが凄くあって、ちょっと見ると知ってるおじちゃんおばちゃんがいたりとか、それが凄い怒ってて、すっげえ怖いなあって思ったり(笑)『アカホシー!』って言われたりしてました(笑)」

(会場笑い)

赤星「それが勝つと『よくやった!』ってなって『ありがとうございます!』って感じ、なんかそういうただのお客さんと触れ合っていることで凄く応援してもらってるっていう気持ちがですね、凄い他のスタジアムと違うって選手はよく表現するんだと思います。」

F「ありがとうございます」


豊田「赤星選手、一つクレームが入ったんですけど」

赤星「はい」

豊田「後ろの方が全く声が聞こえないと、もっと声を張らないと」

赤星「もっと大きい声で、はい!分かりました!」


豊田「はい、それでは次、質問がある方・・・挙手してください!本当少ないですね(笑)」

(会場笑い)


豊田「それではどうぞ!(Gさん)」

G「12年間お疲れ様でした。怪我でリハビリをされているときに実は私(質問者)の妹も同じ足のケガで同じ病院で同じドクターに診ていただいてるんです。リハビリをしているときにいろんな選手とも会ってたみたいなんですけど、赤星選手が一番真面目にリハビリをやっているように見えたっていうことを聞いたんですけど、晩年は怪我で悩まれてたと思うんですけど、どういう感じでリハビリとかをされていたのかを聞きたいです。」

赤星「リハビリですね、僕は左肩を怪我したんですけど、キーパーにとって肩は凄くボールを取るっていうところはもちろんですけど、飛んだ時に地面に強く打つので、なかなかオペをしにくいっていうこともありました。

それでもオペをしないとどうしようもないというところで、自分としては難しい決断をドクターにもゆだねてしまって、それでもやりたいのでっていうオペだったので、集中してたというよりも、治さないとっていう、それこそ治ることが約束されていた怪我ではなかったので、必死にもう一回プレーしたいっていうのでやってたので、それが必至に見えたのかもしれません。おかげ様でプレーできるようになったので、そういう努力が少しでも実ったのかなって思います。はい、そんな気持ちでやってました。」

G「ありがとうございます」


豊田「それでは皆さん、急な質問タイムなんで質問が浮かんでない方もいらっしゃると思うので、幕(会議室横に貼り出されていたもの)がちょっと剥がれちゃったので、スタッフの方、幕の方を貼り直していただけませんか?」

(スタッフが対応)

豊田「あとですね、そっちに注目がいかないように今日ちょっと考えていたんですけども、もっと沢山の選手に来て欲しいって思ったんですけど、さっき選手には強要してないって言ってはしまいましたが、

今日は二人の選手、正確には三人の選手にですね、にテレビ電話を繋ぎましてですね、コメントをしてもらうかなって思っています。ちょっと繋がるか分からないんですけど、やってみましょうかね。

まず一人目の選手、僕の元、いや現在も相棒の池田圭選手です」

(会場盛り上がり)

豊田「マレーシアとは時差1時間くらいですから、今頃一時半くらいですかね。急遽なスケジュール変更は多々あるということなので、どうなるか分かりませんということでしたが、先ほど連絡したところ『大丈夫そうです』ときたのでちょっと連絡してみます。」

(豊田ライン電話をかける)

赤星「マジで電話してんじゃん」

(池田圭選手が電話に出る)

池田選手(以下、敬称略)「あ、お疲れさまっす」

赤星「うわ、出た」

豊田「豊田、ちょっと髪切りました(笑)」

(会場笑い)

豊田「凄い数の人が、今日赤星選手のために来てくれてます。見る?」

(会場がスマホの画面に向かって会場に向ける)

池田「すげー!たくさん人が来てますね!」

豊田「そうだね、じゃあ赤星選手に画面向けるね」

豊田「なんかコメントありますか?赤星選手に」

池田「いや~、現役生活お疲れさまでした!僕的にはここ、マレーシアで一番電波のあるところを探したつもりなんですけど、まあ、電波二本でしたね!」

(会場再び笑い)

池田「まあ、普通に声が聞こえて、沢山の人が集まってくれて、サガン鳥栖で多くの時間を過ごしてきて、これだけのサポーターの方が来てくれるっていうことは、本当に素晴らしい人望だと思うので、これからも次のステージに走り出しているとは思いますけども、身体に気をつけて、まあ歯のケアもしっかり」

赤星「は?(笑)」

池田「まあ、僕もこっちで虫歯になるのが一番怖いんで、その辺のケアはちゃんとやってます。ちなみに赤星くんとの思い出といったら、一番最初、入団した当初にお好み焼き屋さんに一緒に行った、ぐらいです。」

(会場爆笑)

豊田「八昌さん(博多八昌様というお好み焼き屋)?」

池田「あ!そうです!」

豊田「今日、八昌さんからお花頂いてて」

池田「ありがたいっすね!」

(豊田がスマホを花に向ける)

豊田「じゃあ、赤星くんに渡すね」

池田「近いっすね!」

赤星「いや、近すぎて俺のデコしか見えんやん(笑)」

池田「日々の生活がしっかりしてるから肌荒れしてないっすね!」

赤星「ありがとう(笑)」

(会場爆笑)

赤星「食事に気を付けてね」

池田「あはは(笑)あ、でも俺こっちに来て身体に野菜ばっかり食べてます!」

赤星「お、偉いよ・・・・ん?すげーいいとこいんじゃん、どこ?」

池田「庭です!」

赤星「お前、どうなっちゃったの?すごい庭じゃん、大富豪だね」

池田「やっぱり人生は豹変の連続なので!」

(会場笑い)

赤星「すげーウケてるよ、けいちゃん」

池田「あはは(笑)そりゃーもうファンに愛されてるからです!」

赤星「ジルさん(ジルベルト:サガン鳥栖のGKコーチ)も笑ってる」

池田「あっはは(笑)ジルさんもいるんすか!それはよかったです!あの身体に気をつけて、これからもよろしくお願いします!」

赤星「いえいえ、こちらこそ。わざわざありがとう。」

池田「テレビ電話なので国は関係ないですよ」

(会場笑い)

池田「そろそろトヨさんいいでしょ(笑)」

豊田「ありがとね、皆さんめちゃくちゃ喜んでます」

(会場の拍手)

赤星「圭もね単身で行ってるから、うちも僕がそうだった(徳島に期限付き移籍をした)時があったから家族ぐるみでお世話になってますって伝えてください(笑)」


豊田「(電話をするのは)もう一人、僕の方で考えているんですけど、いまメッセージを送ったんですけど全く既読になんないです。えー、そのもう一人が林彰洋です。」

(会場が再び盛り上がる)

豊田「キーパーということですし、時差もないですしいいのかなっていう(笑)

まあ比較的、キーパーの中でも二人は仲良かったのかなって思いますし、頭の中の感覚も似ていて、それに第一キーパーと第二キーパーという間で、ギクシャクしたところが全くないっていうか、本当に高め合っていた二人なんじゃないかなっていうところで林彰洋に連絡してみたんですけど・・・一応電話かけてみますね」

赤星「アイツ滑舌悪いからね(笑)」

豊田「うん、それに池田くん並みのユーモアさもないからね(笑)」

赤星「池田くんは凄いよ、速攻笑いとるからさ(笑)」

豊田「相当心配です」

(会場笑い、何度か電話をかけるも繋がらず)


豊田「繋がりませんね。もしかしたら携帯もアイパッドみたいな大きさのやつかもしれませんね。(身長が)デカイからね(笑)」

赤星「ちょうどいい(笑)」

豊田「ちょっとかからないので、このままにしておいて・・・そうですね、一応三人目はと、んーと考えてみたところ藤田(現在セレッソ大阪所属)!と思いまして、当時キャプテンで福岡大学時代の(赤星の)後輩ですね。

藤田にこういうテレビ電話は絶対嫌がるやつって分かってたんで、お前は先輩が引退したんだぞ、コメントあるだろって言ったんですけど・・・・・・・既読にもなりません(笑)」

赤星「おい!(笑)」

(会場笑い)

豊田「百歩譲ってトレーニング中かなって思って、セレッソ大阪の公式サイトを見てみると・・・・・・・昨日からオフでした(笑)」

赤星「それ旅行行っとるな(笑)」

(会場再び笑い)

豊田「藤田からは今日中にメッセージが来ると思います。おっと、丁度いま林から『ちょっと待ってください』って連絡がきました!」

赤星「もう文字でいいんじゃない?(笑)」

豊田「出たがりだから(笑)そんなこんなで、待ってくださいって言ってるんで、質問を一つくらいこの間に応えれたらいいんじゃないかなって思います。それではどなたか、はいどうぞ!(Hさん)」


H「赤星選手、12年間お疲れ様でした。すみません、あの一通り良い質問は答えられたと思うんですけど・・・」

豊田「いや、もっともっとありますよ(笑)」

(会場笑い)

H「あの赤星さんは趣味でフットサルとかサッカーとかを続けるつもりはございますか?」

赤星「趣味ですか?」

H「趣味で」

赤星「趣味では続けないと思います、はい」

H「ありがとうございます!」

豊田「ひどいですね!イチロー選手とは大違いです!(笑)」

赤星「趣味では続けないよ!」

豊田「草サッカーを極めたらどうですか?(笑)こうしてる間に、間が悪いですね、林から電話がかかってきました!」

(豊田が電話をかける)

林(以下、敬称略)「お疲れ様です」

豊田「めちゃくちゃ眠そうですね」

赤星「寝てたの!?」

豊田「確実に寝てた顔です(笑)林選手いいですか?ファン2,000人位いますけど、そういった場です。見せますね、3、2、1、はい」

「結構な人がいますね」

豊田「そうなんですよ、多分・・・おそらくですけどイチロー選手(の引退会見)よりもいます」

(会場笑い)

「・・・五分五分じゃないですか?」

赤星「十分だよ!(笑)」

豊田「そうですね、赤星さんが引退をされるということで林さんからもコメントが必要だということで電話させていただきましたけど、どうでしょうか、何かありますでしょうか?ちょっと赤星くんの方に向けますね」

「お、いるね~」

赤星「『いるね~』じゃねーよ(笑)」

「僕の場合はプロ生活だけじゃなく、大学生活でも試合したりしてるんで、なんかちょっと感慨深いというか、やっぱ、それを、まあ、5年近くやれたっていうのは、なんか競技生活の中でも・・・やっぱり長いですね。はい、心からお疲れさまでしたと言いたいです」

赤星「ありがとう。寝起きだな、お前。」

(会場笑い)

「寝起きだからあんまり・・・」

赤星「いい言葉出てこないって顔してるな(笑)」

「もっかい寝てから考えていいですか?(笑)」

赤星「ダメだよ!(笑)」

「あのねー・・・いま、そうっすね、拓くんの人柄がよくてこれだけの人が来てくれてるんで、まあ・・・性格は悪くなかったのかなって思います(笑)」

赤星「俺の?」

「そうそうそうそう」

赤星「当たり前よ(笑)」

「とにかく、こんなに長い間お疲れ様でした!」

豊田「最後にめっちゃ近くに持ってきますね」

赤星「マイクがあるけんさ、こういう感じやからさ・・・難しいな」

「近くで見るとキモいっすね!(笑)」

赤星「そのくだり池田でもやったから(笑)」

(会場笑い)

「やっぱり、いままでのプロ生活の間、いろんなファンの方から恩恵を受けてきてると思うので、やっぱりこの拓くんの人柄をプロ生活から降りてからも貢献して欲しいなって思います」

赤星「そうだね、またご飯いきましょう」

「はい、ぜひぜひ」

(電話終了)

豊田「はい、残すは藤田ですけどね・・・」

赤星「藤田はもういいよ(笑)」

豊田「まだ既読になっておりません(笑)」

(会場笑い)

豊田「今日中にはメッセージが来ると思いますので、さあいい加減50個くらいは質問が思い浮かんでいるですかね。時間そんなにもないですからね、ちなみに今日は赤星くん・・・何か持ってきてくれました?」

赤星「もう一杯持ってきましたよ、使わないんでね。スパイクとかユニフォームとか」

豊田「じゃあ、質問ないみたいなので・・・じゃんけん大会しましょうか。まあ、この中で赤星選手の貰ってもなあという人もいると思うのでやりたい人だけ(笑)

まあ、ただこの場を知りたかったという人も数人いると思うので、やりたい方は赤星選手のグッズを・・・ぜひという方にじゃんけん大会をしようかなと思っております。じゃあ、じゃーんけーん・・・」

赤星「いきなり!?」

豊田「ちょっと人が思ったよりも多すぎるから待ちましょうか、それにしても何個くらい景品はあるんですか?」

赤星「いまあそこ(奥さんのいるスペース)に持ってきてもらって一杯あります」


(急にサプライズで現役選手が登場)

豊田「おっとここで、現役選手が?」

豊田「小野裕二選手!」

豊田「福田晃斗選手!」

豊田「三丸拡選手が来てくれました!嬉しいですよね、これは!」

(記念撮影)

赤星「すげえ!ありがとう!」

(続けてGKコーチのジウベルト氏も登場)

(こちらも記念撮影)

豊田「トッティ選手もゴールパフォーマンスで写真を撮っていましたからね」

赤星「グラッチェ、ありがとう」


豊田「選手はお忙しいので、ここにずっといることができませんが、皆さん拍手をお願いします!」

(選手、ジウベルトの退場に大きな拍手)

赤星「ありがとうございました!」

豊田「あの三人は好感度アップですね、間違いなく(笑)」

(会場から笑い)

豊田「このタイミングでメディアの方々からも何かあるということなんですけど・・・この流れで、普段からずっとお世話になってきたメディアの方からも記念品が贈呈があるみたいなので」

赤星「やったやった」

豊田「前に来てください早く」

赤星「せかすな(笑)」

豊田「おや、オフィシャルカメラマンの増田さんからですね、名前が有名じゃないみたいなのでこれからは呼ぶのをやめましょう、それからメディアの方ですね」

増田氏(以下、敬称略)「まずは赤星選手に見せてから皆さんにお見せしますね」

増田「入団の時の集合写真とか・・・」

赤星「うわっ!すげえ!」

増田「これが一回目に勝ったときのやつで、あとはこれが始めてキャプテンマークを巻いたときです」

豊田「あの徳島戦のPK止めたときの表情とかもありますよ!」

(会場盛り上がり)

豊田「ちょっと面白いエピソードがあるんですけど、赤星選手が練習試合でキャプテンマークを巻いてるときがあったんですよ。

キャプテンマークをまずはメイン側の右腕に巻いて前半戦って、後半しっかり左腕に巻いて戦ったというエピソードが赤星さんにはありますね。どれだけキャプテンマークをアピールしたいねんっていう感じですけどね(笑)」

(会場笑い)

豊田「そこは天然でやってたんでしょうね。続きまして、こちらは絶対ビールですね。メディア一同ということでよろしくお願いします。」

それぞれの贈呈に拍手

豊田「それにしてもじゃんけん大会は収集が付かなくなりそうなんですけど、やります?」

赤星「うーん、やめるか!」

豊田「そうですね、申し訳ないですけど次の二次会の方で行おうと思います、勝手ですみません。これだとさすがに全員じゃんけんすると何個手があるか分からないので、本当に準備不足ですみません。至らぬことが多すぎて・・・申し訳ないです。なので、シンプルに質問タイムを続けようと思います!」

豊田「それでは質問のある方は挙手をお願いします!はい、一番早かった黄色の方どうぞ!(Iさん)」

I「赤星選手が引退を決めた後に松本育夫さんの元に行かれて『とんでんなか』っていう表現をされていましたけども、松本育夫さんに挨拶に行かれたということでやっぱり応援してきて良かったなと思った訳ですね。人間性といいますか、自分がサッカー選手としてお世話になった方に辞めた方に挨拶に行かれて、なおかつ松本さんからお酒を注がれたということに感動したんですけど、先ほど入団を決めた一つの理由に永井さんが関わっているとお聞きしたんですけど、松本育夫さんとの関わりは、入団してどのようなかかわりだったのかをエピソードを聞かせていただければと思います」

赤星「松本監督ですか?」

I「はい、というのも、藤田選手にしてもあとの選手にしてもみんな福大(福岡大学)の選手がいますよね。松本さんがいなかったらきっとその選手たちは来てなかったと思うんですよ。だから、J1の昇格にあたって勝つためには(豊田)陽平さんのお力も凄くお借りしたんですけど、(福岡大学からきた)藤田ナオちゃんがいたことも凄く影響していたと思うんです。良かったら松本さんとの関わりをお聞かせください」

豊田「もしかして・・・松本さんのご関係者の方ですか?もし奥様だったら申し訳ないです!僕らの力じゃなくて藤田の力だって聞いたときは凄く恐ろしかったんですけど(笑)」

赤星「豊田は藤田に厳しいもんな(笑)」

(会場笑い)

I「赤星選手が佐賀に来てくれて本当に嬉しかったと思っていて、いまのサガン鳥栖の元は(赤星)拓さんが作ってくれたと思っていて・・・」

赤星「いえいえ、そんなことないです。僕の先輩もたくさんいましたし」

I「拓さんが入られたときのきっかけは松本育夫さんなんですよね?」

赤星「はい、あの本当に色々と思ってくださってありがとうございます。

僕が入団した時にも福岡大学の一つ上の加藤秀典さんをはじめ、田代さん、小井手翔太さん、奈良崎さん、衛藤裕さんもいまでもお付き合いありますし、僕は長くいたので僕がと言ってもらえますけど、当時は僕の先輩も、その先輩も、その前の監督さんも一杯いる中でそういった思いを引き継いでいければと思ってやってきただけですので、もしよろしかったら僕だけじゃなくて、皆さんがもしかすると忘れちゃってる選手もいるんです。

同期で僕は何十人と入団してますので、そういうやつらの名前もちょっとは思い出してもらえるといいかなと思います。そういった名前がたくさんあるからこそ(福岡大学に)魅力があるんだと思います。僕もその繋ぐためにやってきましたので・・・・また僕も忘れられていく存在ですので、次の世代が繋いでいってくれるかなと思います。

でも、そういう風に言っていただいてありがとうございます。あー・・・松本さんのエピソードは言っちゃっていいんですか?(笑)

松本さんの練習はめちゃくちゃキツかったですよ。朝から走るし、試合の前になってもゲームはバンバンするし、豊田と喧嘩するし・・・んで、俺は豊田止めるし松本さん止めるし・・・みたいな。

(会場笑い)

でも結局勝つんで、そんな中で喧嘩しながらという表現が良いのか分かりませんけど、本音でぶつかって、勝ったら泣いて、負けたら怒るというのをやってたので、凄く濃かったし、あんなにきつい時間はなかったですね。

2010年こいつ(豊田)が来た年は忘れないです。あんなにもう走れないです、ね?豊田くん」

豊田「そうですね、松本育夫さんでいうと、んー・・・これを言うと怒られるのかな。」

赤星「怒られますね(笑)」

豊田「まあいいや、えーっと試合中にですけどね、本当に有名なエピソードかもしれないんですけど、相手のコーナーキックでうちが守るというときにベンチから大きな声で『誰かに合わせてくるぞーー!!!』とですね・・・・」

赤星「あれですよ、ハイって言わないとダメなんですよ(笑)」

(会場爆笑)

豊田「その時点で絶対に直接狙ってくることはないっていうことですね」

赤星「そう、誰かに合わせてくるんだろうね(笑)」

豊田「そうです、誰かに合わせてくるのです。その指示を聞いて選手は震えあがりましたからね(笑)」

赤星「絶対にここだけの話ですからね!」

豊田「これ絶対に動画も禁止ですからね、SNSは怖いですからね!本当にここだけの話ですからね!本当にここだけですからね!」

赤星「広げろって言ってるようなものじゃん(笑)」

※きちんと了承を受けた上で公開をしております(笑)

豊田「はい、松本育夫の関係者の方大丈夫でしょうか。」


豊田「はい、また何か質問はございますでしょうか挙手をお願いします。おっと挙手が増えましたね、迷っちゃいますね。迷ってる時間に10分くらい過ぎそうですけどね、それでは手を挙げていただいた僕のキャップをかぶっていただいてる方どうぞ(Jさん)」


J「12年間お疲れ様でした!シンプルに質問します!サガン鳥栖で何かやり残したことはありますか?」

赤星「そうですね、やり残したことはタイトルをとれなかったことです。」

赤星「なにかみんなでもう一つ、昇格したので星をね、何かつけたいので、次の世代の宿題ということで、まあ豊田がやってくれるんだろうと思いますけどね」

(会場から拍手)

豊田「まあ、北九州のタイトルなら一つ取ってます。」

(会場から笑い)

赤星「北九州市長杯ね、PK戦だったもんね(笑)」

豊田「考えたら一つ取ってましたね(笑)」


豊田「はい、それでは3人ほどいましたかね、挙手をお願いします!じゃあ女性の方どうぞ(Kさん)」


K「選手生活お疲れ様でした。対戦してきた選手の中でこの選手は嫌だったというのは誰かいますか?」

赤星「対戦して・・・FWは大体嫌なんですけど、点とるんで。こいつ(豊田)も山形にいた時嫌だったです、突っ込んでくるんで。

どの人かっていうと佐藤寿人さんとかですかね。広島とよくやって、僕らも苦手だったんですけど、凄い優しくて試合中に語り掛けてくるんですよ。なんで仲良くしてもらったんですけど、それで点とっていっちゃうんですよ(笑)

それでいま佐藤寿人さんの名前をあげましたけど、そうですね一人は決められないくらい沢山の顔が出てきます。こいつっていう一人はあげられないですね。」

豊田「それだけ沢山失点したっていうことですね」

赤星「そうですね!(笑)」

(会場笑い)


豊田「それでは次の方、ブルーの方どうぞ(Lさん)」

L「12年間お疲れ様でした。あと一試合できるとすればどこのチームとやりたいですか?」

赤星「いまあるチームの中で?」

L「昔のチームでもいいんですけど、どこか一つを決めるのであればどこでしょうか」

赤星「やっぱりこれダメかもしれないですけど、ちょっと昔バチバチやってたアビスパさん、ね?花火バンバン上げられながら来てもらって。あのまあ、健全なもっと盛り上がれるようなダービーにしたいですね。

あ、もう(引退するから)できないですけど・・・」

豊田「いかがでしたでしょうか、健全な答えでしたでしょうか」

赤星「凄くダービーが楽しかったので!」


豊田「それでは次の方にまいりましょう(Mさん)」


M「12年間お疲れ様でした。私はGKっていうポジションが好きなんですけど、GKって変わった人が多いんじゃないかと思うんですよ。」

赤星「そうですよ!(笑)」

(会場笑い)

M「いままでのチームメイトの中で一番変わってた方は誰でしたか?」

赤星さっき電話したヤツですよ!ぶっちぎりです!(笑)」

(会場再び笑い)

豊田「僕も思いますね、GKは本当に変わった人が多いです。皆さんも察してたみたいですね。GKはこれだけ変わっているので、ここにもこれだけ多くの変わった人が来てくれたんでしょうね」

赤星「うまい・・・・・・・うまいか?(笑)」

豊田「開催させた人も変わった人ですもんね」

赤星「一番変わっとるっちゃない?」

豊田「はい、クセが強めでございます」


豊田「ほかにございますか、お!それではどうぞ!(Nさん)」


N「選手生活お疲れ様でした。もし生まれ変わってサッカーをできるとしたらキーパーをしたいですか?フィールドプレーヤーをしたいですか?」

赤星「もし生まれ変わったらですか・・・うーん、GKしたいですね」

豊田「根から変わってるんですね」

(会場笑い)

赤星「おい、いまいい感じのところやったろ(笑)

そうですね、やっぱりまだやりたいです。大変だし、目立たないかもしれないですけど、やったやつしか分からない喜びといいますか、そんなところにとりつかれてます。」

N「ありがとうございます」


豊田「他にいらっしゃいますか!はい、じゃあ黒いキャップをかぶっている方!(Oさん)」


O「話せる範囲で大丈夫なんですけど、今後やろうとしていることを少しでもお聞きしたいっていうのと僕らに協力できることがあれば教えてもらえれば・・・」

赤星「先ほど、先方にも確認はしておりますので、改めてここで公式に報告させてもらいます。

昨年まで(サガン鳥栖を)ご支援頂いていたベストアメニティ株式会社様のところに、就職させていただくことになりました。」

(会場から拍手と歓声)

赤星「僕の業務としましては地域、九州の皆様を中心にスポーツと食の会社で雑穀米を中心とした食の会社でありますので地域の皆様に少しでも貢献できるような活動、そしてスポーツジムなどの実働的なところでもインストラクターをやったりとか、会社の広報、メディア関係やエンタメ関係も私が出来る範囲で活動してやっていこうと思っています。

サガン鳥栖からはなれますけども、また同じくスポーツを通じてという企業に入って配属してもらいますので、今後も何か『あ、こいつ何かやってんな』と見つけてもらえればと思います。」

豊田「締まっちゃいましたね」

赤星「CMみたいになっちゃった」


豊田「他にいらっしゃいますか?はい、どうぞ(Pさん)」


P「赤星選手、お疲れ様でした。自分は北部(サガン鳥栖の練習場)にも練習をよく観に行かせていただいていて、キーパーの練習を見るのが好きで、理貴さん(高嵜理貴:2017シーズンまでのサガン鳥栖のGKコーチ)などと過ごされてきたと思うんですけど、赤星さんはお怪我もして辛い時代も沢山あったと思うんですけど、若い世代にも声をかけたり、いつも大きな声を出して練習を取り組まれていたと思うんですけど、本当にありがたいなあと思って見ていました。

そこで若いゴールキーパーや選手たちに向けて、いま伝えておきたいメッセージがあればお聞かせ願いたいと思います。」

豊田「これは締まりそうですね!(笑)」

赤星「後輩に伝えたい事、そうですね。辞める時はあっという間に辞めるんですよね。ある日突然、来年できないかもってクラブからそう言われたり、自分がそう思ったりっていう、それを常に危機感を持っていれば自然と声も出てくるでしょうし・・・」

(赤ちゃんの泣き声)

赤星「ごめんね、長くて(笑)

もう伝えたい事はしっかりやってくれということしかないです。とにかくそれぞれ思ってること、考えていること、国籍も違うし、でもみんな苦労してるのは分かってるから、僕に言われなくてもしっかりしてる人たちが沢山いるから、みんなの思いも背負ってやってくれって、それ以外はないですね。」


豊田「他にいらっしゃいますか・・・」

(誰も手を上げられず)

豊田「質問が鋭すぎて誰も手を上げられないパターンですね(笑)

じゃあ、質問を考える時間をという意味で、ご家族からサプライズで花束を贈呈してくれるみたいです。」

赤星「うわ、最初に泣いてなかったら危なかったですね」

豊田「急な僕の切り替えしなんですけど、こんな切り替えしを試合中もやってみたいですね。」

(会場の爆笑)

赤星「お前はゴール前でクロス挙げてこいって待っとけ(笑)」

豊田「指くわえて待っときます(笑)」

豊田「さあ、ご家族の入場です。皆さん、ここは写真を撮るのをやめときましょうか。」

(子供たちが花束を手渡すと同時に盛大な拍手)
(記念撮影とパパに抱きつき娘さんに一同くぎ付けに)

豊田「パパに向かって何かは言葉ある?」

息子さん「うーん・・・」

赤星「ないけどおめでとうって、ほら(笑)」

息子さん「何もない」

豊田「ありがとうございました!」

(子供たちが退場)

赤星「何もないよって言われました・・・こんなもんですね、子供は(笑)」

豊田「もうちょっと感動的なタイミングで投入させるべきでしたね。僕の采配が良くなかったですね、反省です。第二回の引退会見では気を付けようと思います」

赤星「味がせん(笑)」

(会場の笑い)

豊田「今日が一回目で、今度のオフに第二回をするときには素晴らしい采配をとろうと思うので(笑)」

豊田「それからもう一方、クラブからぜひ赤星選手にお言葉をということでお伺いしておりますので、谷村取締役からお言葉をよろしくお願いいたします!」

谷村取締役「皆さん、こんにちは。二度目の登場ということで、冒頭に会社の方から花束を渡させていただいたのですが、段取りが狂ってそこでご挨拶を申し上げるつもりだったので締めということになります。

赤星くんの門出に際して一言ご挨拶を申し上げたいと思います。本来ですとこの席は社長の竹原がここに参ってご挨拶をさせて頂くということになっていた訳ですけど、現在入院療養中ということで大変申し訳ないのですが、私が代理で挨拶を務めさせていただきます。

本来ですと赤星くんに頑張れということしかない訳ですけど、今日は沢山の方にお集まりいただいて、改めてサッカー選手の赤星拓、そして赤星拓という人間、皆さんにこれだけ愛されたんだなと実感しているところです。

そういいながらプロスポーツ選手の宿命といいますか、こういう時期をここで迎えたということを皆さんと一緒に門出を祝うことができればと思っております。そういいながら日本の男性の平均寿命は81歳といったところまで平均的にある訳ですから、これからの人生の方がはるかに長い訳です。セカンドライフ、サードライフとまだまだこれから倍以上活きていかなければなりませんので、ぜひ頑張って欲しいと思います。

本日、赤星拓という人間のためにこれだけお集まりいただき、誠にありがとうございました。門出ということでございますので、皆さんと一緒にと思う増すので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。

赤星選手、本当にお疲れ様でした。そして、本当にありがとうございました。」

(会場の拍手)

豊田「谷村さんからのお言葉もありましたように、しっかりとクラブから送り出せてもらったのではないかと思います。お疲れさまでした。」


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以上が赤星拓さんの引退会見の全容でした。

この会見は文中にもあるように、どういう訳かクラブの元で開催されなかった赤星拓選手の引退報告会をやらないのはおかしいと、すべての責任を負って自らが立案、そして行動に移したという動きになっています。

一人のサッカー選手として非常にリスクのある行動だったというのは、本人が何度もすべては僕の責任であり、ほかの選手は一切関係ないとしている表現からもわかります。

しかしながら、このリスクのある行動によって、赤星拓選手の生の声を多くのサポーターの方に届けることができました。そして赤星選手の次なるステージをきちんと報告をすることができる機会があったというのは、サガン鳥栖というチームを非常に長い間支え続けて、そして誰よりも愛してくれた人にとっての正しい行動だったと思います。

サガン鳥栖のユニフォームを着たサポーターと関わる最後の機会になるかもしれないという思いからか、この会場に来ていた希望者全員に対して時間を押していようと続けた赤星選手の男気には感動させられました。

最後の一人にまで丁寧に向き合っている姿と、それを終えたときの表情です。実はこの後もスタジアムの外で多くの待機列に対して丁寧にファンサービスを行っていきました。

赤星拓という人間のストーリーはまだまだ続いていきます。

ビジネスや利害関係を超えた、その絆こそが本当に美しいと痛感させられる引退報告会でした。

最後に

豊田選手、素晴らしい会をありがとうございました。

サッカー選手としてはもちろんのこと、人間として本当に素晴らしい行いをしてくれたと僕は信じています。その行いで多くの人のやるせない気持ちを晴らしてくれました、本当にありがとうございます。






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