「どこかではケジメつけないとな！」と何度も言われたことがある。

売れない芸人をいつまで続けるの？
親にも心配をかけるし、家庭を持つためにはちゃんと働かないと！というニュアンスで言われたのである。

うん、正直に言う。わかっちゃいるけど辞められないんですよ。とほほ。

始めたての頃は、僕も「売れなきゃ辞める」という思いで、30歳まで！と自分の中で決めていた。しかし今はもう31歳、いつの頃からか自分で決めた期限は忘れていた。

なぜ辞められないのか？
もちろん、諦めきれない夢というのはある、ここまでやって引き下がれないという意地もある。でも、みんな本当の理由は別ではないのかな？

「お笑い芸人は覚醒剤はやらない。」というのを聞いたことがある。
たしかに、よく考えるとアーティストの中で、覚醒剤で捕まる芸人の割合は少ない気がする。
というのも、「人を笑わせる」という行為はかなりの快楽物質が出る、という研究結果があるらしい。笑う側だけでなく、笑わせる側もすこぶる気持ちがいいのである。

皆さんも明石家さんまさんをテレビで見ていて、笑わされ過ぎて「この人、絶対におかしいよ！普通じゃないよ！」と感じられたことは一度や二度はあるでしょ？
僕はそういう意味であのお方は特に中毒患者なのではないかと思う。きっと、あのお方、笑わせるということを取り上げたら気が狂いますよ。

結局、将来のことより、目の前の笑いを求めて快楽に走っているのが芸人さんなんだ。
破滅型の人も多いのは、自分の生活よりも快楽を求める体質になっていく、そういう職業病みたいなものではないでしょうか。

なんでタバコ吸うの？
体に悪いのに絶対に辞めた方がいいよ！
なんで続けるの？
生活も大変だし辞めた方がいいよ！

…うん！！！
わかっちゃいるけど辞められない♪

漫才師はつづく。