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知らない人との距離感について考える

月日が流れるのは早いモンで、前回ドイツから投稿しておおよそ1か月が過ぎた。今日もまたドイツ・フランクフルト市からこれを書いている。

知らない人との距離感について

昨日から考えている。というのも、私は先週くらいから改めて語学学校に通い直しているが、その帰りの電車でこういうことがあった。

学校帰りの電車に乗ると、同じクラスで勉強している生徒が乗ってきてお互いどこまで乗るのかという話になった。フランクフルトの都市鉄道(S-Bahn/Sバーンと呼ばれている。ちなみにいろんな都市にSバーンがある)は路線数が9本くらいあり、その中でS6線に乗って家に帰るという。

フランクフルトのSバーン。(ベルリンのは黄色に赤ラインだった)


S6といえば、何故かは知らないがやたらと遅延が目立つ路線で、私は彼女とS6遅延あるあるを話していたのだが、急に背後から声が飛んできた。
「私もS6沿線に住んでるけど、ホントS6はマジでクソだわ」というようなことを後ろから全く見知らぬマダムが放り込んできた。私は少し面食らったが、あまりにも自然に会話に入ってきたので、ひと駅の間私たちとマダムのS6線に対する愚痴は割と弾んだ。駅に着くと件のS6に乗り換えるためにマダムは颯爽と去っていき、クラスメイトもその後を追うように焦って乗り換えの電車へ走った。

ここドイツでは、全く見知らぬ人にツレ感覚で話しかけられることがちょくちょくある。暑い日に電車を待っていたら全然知らないおっちゃんに暑いなと話しかけられ、スーパーの試食コーナーで全然知らんおばちゃんとサンプルの食べ比べでこっちが美味しいだのなんだのと話し、アンタはアジア人風だけど変わった顔をしているだのと言われ、枚挙にいとまがない感じである。

移民の多い国なので、もちろん純粋なドイツ人ではないんだろうなという人もいるが、(個人的に)お堅いイメージのドイツ人の高齢の方なんかも、スイスイ話しかけてくる。

日本では、わりと見知らぬ人に話しかけることはNGな雰囲気が漂っているように思っていたので、なかなか慣れなかった。もちろん、田舎に行けばローカルバスなんかでおばあちゃんに話しかけられるなんてイベントもあったりするが、都会に住んでいると見知らぬ人から話しかけられると「変な人なんじゃないだろうか、なにか言いがかりをつけられるのではないだろうか」と身構えてしまうように思う。実際日本ではほとんど誰も他人に話しかけず、たまに酔っているのか独り言を言っている人がいるくらいだったように記憶している。

日本では、知らない人に進んで話しかけると通報でもされそうな雰囲気を個人的には感じるが、こういった雰囲気はどこから来るんだろうか。また、ドイツのラフに見知らぬ人に話しかけられる空気は、どこから出ているのだろうか。もう少し考えてみたいと思う。ゴールは無い気もするが。

構成員兼マスコット:ディノ

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